2012年10月24日

サンバの極意は女尻振り、男ちょいワル

クラブの行事で、Oficina de dançaつまりダンス・ワークショップがあった。

ブラジルのテレビGloboの日曜番組 Domingão do Faustão「大ファウストの大日曜日」というのがある。
太めのパーソナリティ、ファウスト氏のでっかい日曜日というバラエティ番組だ。
ダンスインストラクターが俳優など有名人とペアを組み、有名人を指導して毎週定められる課題音楽でペアダンスの上手さを競う勝ち抜き戦、Dança dos famosos「有名人のダンス」というコーナーで、2012年準優勝した、リオ・デ・ジャネイロから来たインストラクター Patrik Carvalho氏が講師というのが売り物だ。

朝食というか、朝のコーヒータイム(café da manhã)があるというのにつられて、朝8時に着いたが、カフェの準備はできているのに、だれもいない。
夏時間に突入して最初の朝、つまり日曜日の朝8時という時刻は、昨日までだったら7時であったのだから、わざわざ日曜に朝1時間早起きして行こう、と考えたブラジル人は非常に少なかったということだ。
三々五々集まってきた人々が食事を始めたのは、定刻を30分以上過ぎたころだったろうか。
テーブルと椅子にはかなりの空きが見えたものの、実際にダンスを習うスペースが小さかったせいか、ステージ前のスペースは人で一杯の盛況、熱気にあふれていた。

どんなものが題材になって、どんなふうに進められたのか簡単に書いてみよう。

一番目の題材はサルサ Salsaである。
サルサはスペイン語で歌われて、ブラジルからでたものではないのだが、ダンスの一つのステップとして認知されているようで、その点では日本のダンスと同じようなものかもしれない。
ステップとして簡単なのかは分からないが、Wikipediaをみると、これを踊れれば、コロンビア、ベネズエラやキューバ、パナマのような中南米だけでなく、アメリカ(合衆国)の中のニューヨーク、プエルトリコのヒスパニック系の音楽シーンをカバーすることができる、いわば習っておけば通用範囲が広い、スペイン語そのもののようなダンス音楽である。

インストラクターが交代して、二番目の題材はフォホー Forróである。
これは、一番目のサルサとは異なって、ブラジルは北東部 (nordeste)発祥の、かなり土着性の強い音楽であったものだが、最近はブラジルのどこでも聞いたり踊ったりするようになっている。
土着フレーバーの強い演奏では、アコーディオン(sanfona)によるメロディーと、トライアングル(triângulo)の刻むリズムが印象的だ。
これがうまく踊れたら、とくにブラジルのセルトン(sertão)のような田舎での、例えば6月祭(festa junina)といったブラジル奥地気分満々の場面で、注目を浴びること間違いない。

そして最後に出てきたステップがサンバ Sambaである。
ブラジルと言ったらサンバ、という常識的というか条件反射的回答をする人は多いと思う。
まあ今日のインストラクターはリオから来たのだし、サンバと言ったらリオデジャネイロが本場というのが、ブラジルでも常識になっている。

昔からブラジルの観光コースには、リオデジャネイロのサンバショーというのは定番になっているし、最近ではリオやサンパウロのカーニバルの主役であるエスコーラ・ジ・サンバ(escola de samba)でも、練習風景やリハーサルなどが観光客に向けて公開されているところもあるらしい。
ステップなど何にも知らないまま、サンパショーの舞台とかエスコーラの練習場(barracão)なんかに急に担ぎ出されて、ステップの前後左右全くわからないまま、拍遅れで真似踊りしたり、開き直って盆踊りを踊るよりも、多少ともブラジル人インストラクターに教えてもらってから踊ったら、よりサンバ気分満点となること疑いなしだ。

どの題材の訓練でも共通しているのは、一つの踊りのステップを4つの同じ長さの基本的なエレメントに分解して、最初は一つ、次は1つ目と2つ目をつなげて、次は、1つ目と2つ目と3つ目を通して、最後に1, 2, 3, 4と通しで踊るようにするという方法だ。
それぞれのエレメントは、例えは1つ目は前後移動、2つ目は左右移動、3つ目は回転運動といった具合に、それぞれ8拍の長さになっている。

サンバは、男ステップと女ステップが異なっている部分がある。
この教授説明が面白かった。

女性はrebolar(ヘボラール)、葡和辞典を見ると、腰などを振る、とある。
ずばり、尻を左右に振ることだ。
男性が尻を振り過ぎたらいけないよ。

男性はmalandro(マランドロ)、辞書にはごろつき、悪党、無頼漢とか悪い意味しかない。
ここでは、ちょいワルとしておこう。
女性の後を追って歩いてから、8拍目にワッとびっくりするんだ。
女性の肉感的魅力に、すなおにびっくりして表現するのがブラジルのちょいワルなのだろう。

そして、上半身の動きはpirraça(ピハッサ)、辞書を見ると人を困らせる行為、意地悪、いやがらせとある。
誰でも子供の時は駄々をこねていやいやをしただろう、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)をしなさい。
間違ったサンバは、手と足と同じ方向へ踊ることだ、だから右足を出すときには手は左方向へ振りなさい。
といったように非常にわかりやすい。
だからといって、しろうとがすぐにうまく踊れるものではないのだが。

始まるまではそれほど期待していなかったが、実際はとても楽しい行事であった。
観光業界の人よ、ブラジルのリオなどのダンス教室とタイアップして、半日ブラジル人の教えるダンス教室で練習、夜はエスコーラ・ジ・サンバのリハーサルに参加なんていうツアーはいかがだろうか。
カーニバルとワールドカップやオリンピックとは、時期がずれてしまうのは難点ではある。
ワールドカップやオリンピックのツアーに組み込んだら、ブラジルと聞いて思い浮かぶ象徴の二つである「フットボール(サッカー)」と「サンバ」が含まれる体験型旅行として受けると思う。

2012年10月19日

ネイマールの36時間10,360キロゴール

ブラジル時間2012年10月16日火曜日午前9時10分という、およそフットボール観戦にはふさわしくない時間に、Wrocław, Polandでブラジル-日本国際親善試合が始まった。
結果はブラジル4-0日本であったが、これについてはいろいろな感想があるだろう。
ここに書くのはそのことではない。

ブラジルの地上波では、水曜日夜と日曜日夕方にブラジレイロン(Brasileirão)とよばれるブラジル一部リーグの中継がある。
ブラジル時間2012年10月17日水曜日午後10時には、クルゼイロ(Cruzeiro)-コリンチャンス(Corinthians)が中継された。
しかしその途中で速報でゴールシーンが流れたら、サントスにネイマールがいるではないか。
ネイマールのサントス200試合目の節目で、華麗なドリブルからつながる実に見応えのあるゴールだった。
五条大橋の欄干を身軽に飛び交う牛若丸は、きっとこんなだったのだろうと思わせる。

二つのゴールの時間差と距離差を測ってみた。

ブラジル時間2012年10月16日火曜日午前9時10分 ブラジル-日本親善試合開始
ブラジル時間2012年10月16日火曜日午前10時13分(後半3分)ネイマールこの試合2点目(ブラジル3点目)のゴール
ブラジル時間2012年10月17日水曜日午後10時 ブラジル一部リーグ サントス(Santos)-アトレチコ・ミネイロ(Atlético Mineiro)試合開始
ブラジル時間2012年10月17日水曜日午後10時11分(前半11分)ネイマールのゴール(サントス2点目)

時間差 36時間
距離差 Wrocław, Poland -> Santos - SP, Brasil 10,360km

10月18日夜のニュースでは、ポーランドからブラジルまで14時間の旅だったという。
移動時間を引いたら、休息時間は22時間しかない。

昔よく野球のダブルヘッダーがあったが、サッカーとは運動強度が違う。
この前のロンドンオリンピックでもサッカーは最低中2日だったと思うが、試合の間に最低70時間ほど置いているわけだ。
ネイマール本人の希望か、クラブの要請(強制?)かはわからないが、20歳と若いから無理もできるのだろう。

こういうのは正式な記録にはならないだろうが、あまり無理をしないで長く活躍してほしいものだ。

2012年10月12日

2012/13年のブラジル夏時間

ブラジルの夏時間
きょう終わるブラジルの夏時間

ブラジルで春は、9月分点から始まる。
ちょうど日本では、「秋の日は釣瓶落とし」と言われる季節だ。
南半球のこちらは、「春の日は暮れそうで暮れぬ」わけだ。

毎日7時前後から約50分ウォーキングをするのだが、春分点のころから、7時には日が相当高くなっている。
7月や8月には、7時前には日が昇ったばかりで、寒波が来るとかなり寒さを感じることも多かったのだが、春になると高く昇った陽の光は強い。
最近は7時ころ、公園の温度計は20度以上指していることが多い。
少し走るとかなり汗をかく暑さで、ひんやり涼しい季節が懐かしくなる。
それなら30分、1時間早く起きれば良い、と言われればそれまでだが、家族がいると、皆の生活時間と合わせた方が良いし、一人だけ早く起きるのは辛い。
そうなると10月の恒例行事、サマータイムに早く来てほしい。

最初に書いておく。
ブラジルの夏時間実施は、全国一斉でなく、州単位で行われる。
そのため、大陸部に元々2つある時間帯(UTC-3とUTC-4)に、夏時間実施/不実施が加わり、UTC-2, UTC-3, UTC-4が交じり合い複雑になる。
州間旅行する場合には十分注意が必要だ。

2008年の大統領令によって、サマータイム入り、サマータイム明けの日は決められている。
今年の夏、つまり2012/13年の夏時間は、10月第3日曜日である2012年10月21日0時に時計の針を1時間進め、2月第3日曜日である2013年2月17日0時に時計の針を1時間遅らせる。

通常時にブラジリア時間はUTC-3(マイナス3)時間帯であるものが、夏時間実施中には、UTC-2時間帯となる。
UTC+9である日本との時差は12時間から11時間になる。
カーニバルが2月第2週で、第3週日曜日にかからないため、夏時間の継続期間は126日になる。

2020/21年までの夏時間期間を、ワークシートを組んで計算した。
*は、2月第3日曜日がカーニバルと重なるため、夏時間終了が2月第4日曜日にずれた日である。
これを見ると、カーニバルと第3日曜日が重ならくても、夏時間期間が126日になる年があることがわかる。
開始日終了日日数
2012/132012/10/212013/2/17119
2013/142013/10/202014/2/16119
2014/152014/10/192015/2/22*126
2015/162015/10/182016/2/11126
2016/172016/10/162017/2/19126
2017/182017/10/152018/2/18126
2018/192018/10/212019/2/17119
2019/202019/10/202020/2/16119
2020/212020/10/182021/2/21126

2010/11年の夏まで、8年間夏時間を実施せず、2011/12年の昨夏に夏時間を実施した、ふらふら変わるバイアBahia州(州都はサルバドルSalvador)は、2012/13年の夏になどうするのか?
全くわけのわからない州で、この日曜日2012年10月7日にJaques Wagnerバイア州知事が夏時間実施を発表したものの、今日11日に、バイア州はこの先2年は(つまり彼の知事任期中は)夏時間は実施しない、と修正した。

「過去11ヶ月間に夏時間について2万件の苦情を頂いた。大きな量だ。フィールド調査をしたら、75%の州民が夏時間に反対していることがわかった」と述べた。
そんなに苦情があったのなら、なぜ州知事はいったん無理を押しての夏時間採用を発表したのか。
それだけ夏時間採用による、バイア州で4.2%と算出される節電効果、及びブラジリア時間との一致を重視したかったのか。

州知事が意見を交換した団体を見ると、労働組合は夏時間反対、企業組合は夏時間賛成に、それぞれ固まるようだった。
夏時間実施/非実施の決定が10月7日の地方選挙に関係していたのかとの質問に対しては、州知事は堅く否定した。

というわけで、バイア州の人(baiano)よすみません、夏よ、サマータイムよ、早く来い。

('Não haverá horário de verão na BA nos próximos 2 anos', diz governador
11/10/2012 13h14 - Atualizado em 11/10/2012 13h41
http://g1.globo.com/bahia/noticia/2012/10/nao-havera-horario-de-verao-na-ba-nos-proximos-2-anos-diz-governador.htmlを参考した)

2012年10月16日追加

2012/13年のサマータイムに波乱が出た。

上に書いたように、バイア州は夏時間実施州グループから抜けたのであるが、トカンチンス(Tocantins 略称TO)州が夏時間を実施することになった。

トカンチンス州は、1989年にできた新しい州である。
それまで、サツマイモを細い方を北に向けて立てたような形をした、広大なゴイアス州(Goiás GO)の北半分を分割してトカンチンス州(州都はパルマスPalmas)となったのだ。

地方区分では北部に含まれ、本来は夏時間は実施しないはずだ。
ブラジル北部は、赤道に比較的近く、夏季の昼間時間はそれほど長くならず、したがって夏時間の効果が出にくいのだ。

トカンチンス州知事の説明では、ブラジリア、サンパウロ、リオなどを含む夏時間実施地域と時差が出ないようにして、銀行業務や航空便の便利を図りたいとのことで、住民の希望というより、役所や企業の都合を優先した感じがしないわけではない。

夏時間の実施州はこのため、Rio Grande do Sul リオ・グランデ・ド・スル, Santa Catarina サンタ・カタリーナ, Paraná パラナ(以上3州は南部), São Paulo サン・パウロ, Rio de Janeiro リオ・デ・ジャネイロ, Espírito Santo エスピリト・サント, Minas Gerais ミナス・ジェライス(以上4州は南東部), Goiás ゴイアス, Mato Grosso マット・グロッソ, Mato Grosso do Sul マット・グロッソ・ド・スル(以上3州は中西部), Tocantins トカンチンス(上に書いたように北部)とDistrito Federal 連邦区つまりブラジリア周辺である。

この情報は間違いないというか、これから土壇場で変更することはないと思う。
2012年10月16日付けの連邦政府の官報(diário oficial)に発表された情報だからだ。

しかしまあ、日本であったら夏時間実施日の一週間前を切っているのに、実施するとかしないとかがようやく決定するというのは全く考えられないであろう。
実はブラジルは、このへんのコンピューターシステムの変更などのノウハウは素晴らしいものを持っているのかもしれない。

トカンチンス州に住み、マイクロソフトのウィンドウズを使っている人は、今週中にタイムゾーンの都市選択をフォルタレザからブラジリアに変更すれば、夏時間移行は自動的に行われるはずである。

(16/10/2012 09h20 - Atualizado em 16/10/2012 11h41
Governo exclui a Bahia e inclui o Tocantins no horário de verão
http://g1.globo.com/brasil/noticia/2012/10/governo-exclui-bahia-e-inclui-o-tocantins-no-horario-de-verao.htmlより)

2012年10月4日

ブラジル選挙戦略は数字替え歌熱唱

2012年10月7日は、4年に一度の地方選挙投票日だ。
選挙制度については、調べるほどに山ほど書くことが出てくるが、少しにしておこう。

ブラジルの選挙は、1996年から、投票機を使用するようになっている。
投票機は、urna eletrônica(電子投票箱)とよばれる。


写真はWikimedia Commons

投票機を見てわかるように、デジタルホンや通常の携帯電話と同じ配列の数字キーと、最下列左から白色の「白票」キー、橙色の「訂正」キー、少し大きめで緑色の「確認」キーが、入力インターフェイスの全てだ。
各キーには点字が刻まれて、視覚障害者でも他人の助けなしで投票できるようになっている。

出力インターフェイスはキーボードの左側の画面で、文字や画像が表示できる。
通常選挙では、候補者番号を入力すると、画面に候補者の氏名と顔写真が写り、確認キー打鍵をうながす。

日本の投票では、投票者は候補者名を枠の中に他人が判読できる字で書かなかればならない。
文盲率の極めて低い日本だからこのやり方は実行可能だ。

ブラジルは文盲率(Taxa de analfabetismo)が高い。
2000年時点で、15歳以上のブラジル人の13.6%が文盲だ。

どこかアフリカの国かインドだったか、すべての投票者の顔写真の入った画用紙大の巨大投票用紙をテレビニュースでみたことがある。
巨大な投票用紙の中から、投票したい候補者を見つけるのに時間がかかるし、印をつけてから折りたたんで投票箱へ入れるのも大変そうだ。

一方で、ブラジルで投票は権利でなく義務である。
投票ができない場合でも、投票不可申告(justificativa つまり申しわけ)を行わねばならない。
文盲であることは、投票しない・できない理由にならない。

ブラジルはurna eletrônicaを発明、採用した。
暗号化などプログラム自体は大きく変化しているだろうし、内部のハード改造も行われているだろうが、筐体とキーボード部分は一見して初期モデルと一緒だ。
電子投票になってから、開票作業が極めて迅速になり、大部分は当日に、遅くとも翌日に結果がわかるようになった。

今回のは地方選挙だから、市長(prefeito)、市議会議員(vereador)を選出する。
市長候補には、政党に2桁番号があてられている。
一つの政党から二人の市長候補が出るという事態は想定していない。
通常は党大会で統一候補を選ぶからだ。

たとえば、現在の連邦政府主力与党である労働者党(Partido dos Trabalhadores)は13、主力野党であるブラジル社会民主党(Partido da Social Democracia Brasileira)は45となっており、全国共通である。
政党固有番号はまた、今年の地方選挙と同様に4年ごとに、次回は2年後に行われる大統領・連邦上下院議員・州知事・州議会議員の選挙にも共通して使用される。

市議会議員には5桁番号があてられる。
上位2桁は政党を、下位3桁はその政党内の候補者番号を表す。

この数字割当では、ブラジル全国に99の政党が存在し、各党の候補者は各市ごと999人まで立てることができるわけだ。
13111と同じ番号でも、うちの市と隣の市とでは、別の候補者を意味する。

市議会議員の投票では、投票者は5桁の候補者番号を間違いなく打ち込まなければならない。
そのための戦術は、候補者が別の政党に移らないかぎり変えることのできない上位2桁はともかく、下位3桁をいかに覚えてもらうかである。

上位2桁とのつながりを考慮しながら、強いパスワードの反対を考えれば良いわけだ。

単純に考えても、
11111(同一番号)
12345(連続番号)
とかがあるし、
キーボード形状を考慮すると、
12321(キーボード右行左行、しかも回文)
14741とか25852(キーボード下降上昇、しかも回文)
などがある。

今日本の選挙運動に残っているのだろうか、昔は「候補者名連呼」があった。
現在のブラジルは「数字あて歌の連唱」である。

例を二つだけあげよう。
13913 treze nove treze 13-9-13
23999 vinte e tres nove nove nove 23-9-9-9

こいつらはうるさく頭の上を飛び回る。
そして投票当日、頭が真っ白になった投票者は、耳にこびりついた数字あて歌を歌いながら、選挙参謀の思惑通りに番号を打つのである、となるのだろうか?

2012年スペルクラシコのゆくえ

今年の(第2回)スペルクラシコ・ダス・アメリカス "Superclássico das Américas"(po.), "Superclásico de las Américas"(es.)は、2週間前のブラジルのゴイアス(Goiás)州都ゴイアニア(Goiânia)で、ブラジルが辛くもロスタイムで2-1と、何とか面目を保ったのであるが、第2(最終)戦アルゼンチンのレジステンシア(Resistencia)では、試合そのものにケチが付いた。

2012年10月3日水曜日、両国の国歌演奏のあと、これから試合だというときにスタジアム(Estádio Centenario)の照明が一部消えてしまった。
チリ人主審Enrique Osses氏は23時5分まで待ったのだが、照明の故障が直らないので、試合をキャンセルした。

アルゼンチンのマスコミ(Clarin)は、照明故障の原因を、ブラジルチームを乗せたバスが、スタジアムの横に設置してある発電機の一つに衝突したのを原因とした。
これはとてもおかしい。
スタジアムの発電機?
非常用ならわかるが、スタジアムは通常時に発電機で照明自給しているのか?

ブラジルチームのバスが衝突?
運転手はアルゼンチン人だろうが。
試合がキャンセルされたら、第1戦で勝利のブラジルが大会勝者となるのはわかる。
しかし発電機に衝突してまで勝ちたいと思うか?
失礼を承知で言うが、そんな大した大会ではないだろう。

ブラジルのゴールキーパーJefferson及びアルゼンチンのキーパーUstariは口々に、照明塔1本分まるまる欠けている状態では試合できないと言った。
両チームはグランドでウォーミングアップをしながら、照明の回復を待った。

35分後、選手たちはロッカールームへ引き上げた。
ブラジルのTV試合中継局Globoは、後続番組を流し始めた。
それはSNSで大きな反響を呼んだ。

テレビの前のソファで、いつか私は寝入ってしまった。
目が覚めたら、深夜の番組をやっていた。

CBF(ブラジルフットボール連盟)会長Andrés Sanchez氏は、「23時5分まで待っても照明が戻らないならチームはみんな帰る」と表明していた。
実際に23時5分まで戻らなかったため、AFA (Associação de Futebol da Argentinaアルゼンチンフットボール協会)と協議の上で、試合はキャンセルされた。

来週CBFとAFAが会議で、カップの行方を決定する。
というのも、ブラジルにとっては今年中に試合をねじ込むスケジュールが組めないからだ。

(Queda de energia cancela duelo entre Argentina e Brasil em Resistencia
iG São Paulo | 03/10/2012 22:36:48 - Atualizada às 04/10/2012 11:22:20
http://esporte.ig.com.br/futebol/2012-10-04/queda-de-energia-atrasa-duelo-entre-argentina-e-brasil-em-resistencia.htmlを参考した)

翌日10月4日昼前の報道では、ある報道記録社が照明設備発火をビデオに納めたという。
事故の原因は、まだ解明されていない。

(Vídeo registra explosão que teria causado apagão de jogo do Brasil 04/10/2012 - 11h40
http://tvig.ig.com.br/esporte/futebol/futebol-internacional/video-registra-explosao-que-teria-causado-apagao-de-jogo-do-brasil-8a49802639368a22013a2c33f8472603.html)

アルゼンチンのレジステンシアは、チャコ(Provincia del Chaco)県都であり、人口は約36万人、辺境地方の中心都市である。
地図を見るとアルゼンチン北東部の内陸で、パラグアイの南側に近い。
テレビでは、ブエノス・アイレスから千キロ離れており、スタジアムは2万5千人収容と言っていた。

なぜレジステンシアへ試合を持っていったかの理由も説明していた。
アルゼンチンフットボール協会がこの都市での開催を企画した理由は、フットボールの中央一極集中を緩和したいからということだ。
目論見が裏目に出たようで、アルゼンチンフットボール関係者やレジステンシアのファンは残念がっていることと思う。

2012年10月12日追加

スペルクラシコ第2(最終)戦は、2012年11月21日にボンボネラで行われる、と南アメリカフットボール連盟(Conmebol - Confederación Sudamericana de Fútbol)は10月11日に発表した。
ボンボネラ(Bombonera)は、首都ブエノス・アイレスのボカ・ジュニオール(Boca Juniors)の本拠スタジアムである。

("Superclássico" entre Brasil e Argentina é remarcado para a Bombonera
iG São Paulo | 11/10/2012 22:15:10 - Atualizada às 11/10/2012 22:33:43
http://esporte.ig.com.br/futebol/2012-10-12/superclassico-entre-brasil-e-argentina-e-remarcado-para-a-bombonera.htmlから)