2016年2月6日

猫が嫌いなあなたは潔癖

インターネットの世界中で、猫が氾濫している。
日本では猫の飼育数が犬の飼育数を上回った。
いったい猫が何の悪さをしたんだ?といぶかる人がいるだろう。
だから副題は、「ブラジル人は潔癖か」としよう。

ブラジル人は汚職には反対、しかし大多数は違法行為で得していることを認める
Brasileiro é contra corrupção, mas maioria admite obter vantagens de modo ilegal
http://ultimosegundo.ig.com.br/brasil/2016-02-05/brasileiro-e-contra-corrupcao-mas-maioria-admite-obter-vantagens-de-modo-ilegal.html

ブラジルのテレビやインターネットサイトで、企業と政治家が絡む汚職のニュースが出てこない日が全くなくなって、どれだけの年月が経つだろうか。

日本人から見たら、ブラジル人はおろか、どの国の人もどこか裏でずるい行為をしているのではないかと疑うかもしれない。
でも書籍文献や音楽や映画のコピーなどは、日本でも知られないところで広まっているのだろうか。

世論調査会社 Instituto Data Popular が、2016年1月上旬に146市の3千5百人に聞き取り調査をした結果はこうなった。
ブラジル人の10人に7人は次にあげるような何らかの違法行為を犯しているのだが、100人に3人しか自分が違法行為をしていると思っていない。

海賊製品を購入する
67%の人が「したことがある」
75%の人が「した人を知っている」
街角の露天でCDなどの海賊版が売られたり、スニーカーなどの偽物が出回っているのは日常風景である。

お釣りを(間違えて)多く渡されたとき返さない
21%の人が「したことがある」
46%の人が「した人を知っている」

他人のあるいは偽造の学生証を使って半額入場券を買う
15%の人が「したことがある」
20%の人が「した人を知っている」
ブラジルでは正式な学生証の提示により映画・演劇などの入場券、スポーツ観戦入場券、市内バス代などが半額になるのであるが、普通写真入りだったと思う。
何か抜け道があるのだろう。

有料ケーブル・衛星放送の違法接続
11%の人が「したことがある」
32%の人が「した人を知っている」
後から書くが、これがネコなのだ。

所得税申告で嘘情報を書き込む
1%の人が「したことがある」
15%の人が「した人を知っている」
自由業の人が収入を過少申告する例はよくあるが、収入額を捕捉される勤め人でも還付を狙って、扶養家族に相当しない人を扶養していることにする、かかってないのに医者・歯医者に診療・治療代支払いをしたことにする、などの手法がある。
来月開始の2015年度個人所得税申告には、治療代を支払った病院法人や授業料を支払った学校法人の法人登録番号を、支払い相手が個人営業の医者や歯科医であったら、いわゆる「マイナンバー」を、申告書に記入する義務がある。
今回からは消費者側だけでなく医者や歯科医側にも、支払いをしてくれた患者の「マイナンバー」記入を課して、脱税をしにくくすると報道があった。

有料ケーブル・衛星放送の違法接続であるが、集団住宅の配管スペースのケーブル配線パネルから違法に分岐する行為である。
最近の高度に暗号化された有料契約放送信号ではどうなっているのかは分からないが、似たような例ではインターネット接続を近所で分け合う、つまり一台のルータから隣家へケーブルを引き、インターネット接続料を折半するようなケースも、聞いたことがある。

ファベラ(貧民窟-としておく)ではタコ足状態の電柱がたくさんあり、違法ケーブルテレビ局が時々摘発される。
こういうケーブルテレビでは当然、正規より安いのが売り物だろうから、契約側も胡散臭いと感じながらも加入するのだろう。
盗品とわかりながら物品を購入するようなものだ。

猫好きな人には、いや猫嫌いな人にも説明することはできないのだが、このような行為をポルトガル語でgato(読み=ガト、意味=ネコ)という。
ネコババと何か関係があるのだろうか。
多分関係ないだろう。

電柱に登って電線を直付けして、電気を勝手に引っ張る行為もガト、家へ引き込む水道管をメーター前に接続する行為もガトである。
この猫には、白とか黒とかトラとか三毛とか、色や模様はない。
全部ガトだ。
電気猫はファベラに多いが、水道猫は水を多量に使用するプールがよく見られる高級住宅街に多い。
自分でやる人もいるが、猫を取り扱う怪しい業者もいるようである。
水道で死ぬことはないが、電気工事中に感電死する猫好きな人もいる。

この事実からブラジル人は猫好きが多いと言っていいのだろうか。
そのためにトキソプラズマが多いのかもしれない。