2020年3月29日

新コロナの憂鬱な試算

今週月曜日にニュースで気がついて、記録した数字を使って雑な計算をしてみた。

イタリア人口6048万人2018年
推計感染者60万人ニュースで言われた数字
確定感染者6万3927人2020/03/23
死者6077人2020/03/23

ということで、全部数字が6から始まるところでわかりやすくなっている。
イタリア総人口60,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者600,0001.0%1.00%
確定感染者60,00010.0%0.10%
死者6,00010.0%0.01%
10万人当たり死者数10

上の表と全く同じ割合で、ブラジル人口約2億人に当てはめてみた計算である。

ブラジル総人口200,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者2,000,0001.0%1.00%
確定感染者200,00010.0%0.10%
死者20,00010.0%0.01%
10万人当たり死者数10

ブラジルで感染者の増大が始まった頃に、ブラジル保健相が何気なく行った発言は、その後続報も訂正もないし、マスコミなどの追求もないので消えたと考えてもよいのだろうが、衝撃であった。
患者の増加期は4,5,6⽉、平坦期が7,8⽉、下降期は9⽉からで、⼈⼝の50%が感染するまで続くだろう、と予想していると発言した。
しかしこれは政府と国民が全く対策を取らなかった場合であり、医療崩壊に至ると付け加えた。
この発言は伏線を張ったようなものだろうか。

これに準じて、感染者を人口の50%に達するとして、その上でイタリアの死亡率は高齢者の割合が高いことと、病床と機器の不足と医療従事者の過労、いわゆる医療崩壊が起きていることを考慮して、確定感染者の10%ではなく3%に落として計算するとこうなる。

ブラジル総人口200,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者100,000,00050.0%50.00%
確定感染者10,000,00010.0%5.00%
死者300,0003.0%0.15%
10万人当たり死者数150

現在効果を示しつつある社会的隔離(isolamento/distanciamento social)あるいはより強制力のあるニュアンスの検疫隔離(quarentena)のため、流行が一旦収まっても、またウィルスの攻撃が戻って、仮にピークが3つあったとして、その分分散するとしても、一回の波だけで10万人の死亡が予想される。

他の死因と比較してみる。
大雑把であるが、暴力にまみれたブラジル社会の残念な数字である。
殺人事件で年間4万人(人口10万人当たり20人)、交通事故で同じく年間4万人(人口10万人当たり20人)が命を落とすことを考えると、その合計に匹敵する人が一回のピークで命を落とすという異常さである。

ここまでやったのだから、全世界の予想もついでに。

世界総人口7,700,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者3,850,000,00050.0%50.00%
確定感染者385,000,00010.0%5.00%
死者11,550,0003.0%0.15%
10万人当たり死者数150

もちろんそれだけの時間が経つ前に、ワクチンが開発されることもあれば、ウィルスが突然変異で弱くなることもあるだろうが、逆に変異のためより凶暴になる可能性もある。

どうも増加期が3ヶ月も続くことはなく、まだ全面的に隔離を緩めたわけではないがWuhan(武漢)も2ヶ月位しか経っていない。

とにかく、後出しジャンケンでない予言者は、現在のところ存在しないようである。

2020年3月14日

雲の中の中国新コロナ急速回復

中国の様子がよくわからずもやもやするのには次の理由があるのだが、どの記事も教えてくれない。

武漢を除いた他の大都市では、いや武漢までも、感染は下火になっているというのだが、それは医学的にどういうメカニズムなのだろうか。

中国の武漢以外の都市で起きた喜ぶべきできごとが、単に厳しい隔離のためによそからウィルスが持ち込まれなくなって新たな発病が止まったのであったら、その都市の住民の殆どに免疫はないはずだから、隔離を解いたとき、他の国の感染者が旅行してくれば再び流行が始まる恐れはないのか?
そして武漢の住民は、ウィルスを抑え込むだけの免疫を集団全体として得たのか?

そしてなにより中国がウィルス抑え込みに成功したというのなら、政治を絡めないで学術界でその知識経験を共有して、中国ほど強権的隔離でなくても、ほかの流行中の国でも応用できる対策を取ることができるのではないか?
いや一般の人がわざわざ心配するまでもなく、実際は医学界では意見のやり取りが活発に行われているというのなら、誠に心強いことであり、そうあってほしいものだ。。

そう思っていたら昨日のニュースで、中国の医師団がイタリアの空港でタラップを降りてきているシーンを見た。
さてイタリアも中国の資金が豊富に入っている国だと言うが、中国医学の秘訣を実践してもらい、知見を公にしてくれるだろうか。
中国の息のかかったWHOのような恥知らずで役たたずのように、言いくるめられなければよいが、その点は「自由な」イタリア国民に期待したい。

中国が急速にウィルスを抑え込んで、生活が日常に戻ってきているというニュースは、本来なら無条件に喜べる性質のニュースであるはずなのだが、本当に手放しで喜んでよいのか。
中国、欧州ときた感染中心点が、これから秋を迎える南半球で、ゆるさがイタリア並みのラテンアメリカに移動する可能性はあるし、二度目のところも含めて中心点が世界中でぐるぐる移り変わる、気の滅入るような循環が起こらないとも限らない。

だから、故意でも事故でも、中国がウィルスを流出させたことを利用して、自分たちだけが知っているアンチドートをこっそり使ったり、あるいは発見した科学的知見を黙って独り占めして、病禍から回復したらさっそく工業生産を全開して、一方でCOVID-19を世界中にはびこらせて、中国への反抗力を十分に弱めてから、今ウィルスに手こずっている自由主義経済諸国に、政治的・経済的に優位に立とうとしているのだと、誰もが考えても全く不自然ではない。
何しろ未知のウィルス病を検知した崇高な中国人医師たちの発信を押しつぶして、逆に犯罪人扱いをして、世界への重大事実発表を渋って、中国以外の国のウィルス病対策を遅らせたことは明らかで、中国共産党政府の重大事件隠蔽体質を全世界に知らしめることとなったからだ。

隔離対策を続けて、発症のピークをできるだけ先に延ばして、ピークの高さをできるだけ低くして、医療リソースが不足する事態を遠ざけるという方法はもどかしいが、今できることはこれしか無いのかもしれない。

ワクチンや治療薬を開発した科学者がノーベル生理学・医学賞をもらうのは間違いなし、と素人は考える。
従来のワクチン作成の方法を使って、試行錯誤の時間をかけたら、普通の研究所で作れるものなのだろうか。
どちらにしろ、開発費と生産費の大部分を中国政府に肩代わりしてもらいたい、と思う人は世界に大勢いいると思う。
しかし世界の国々の声をまとめるべきWHOが、中国の資金なしに社会投資が進まないエチオピア出身で、中国政府に何も異論を言えないあの男、テドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)であるうちはその望みはないだろう。

会合で同席して、後にCOVID-19陽性が判明したブラジル大統領府広報秘書官を通じて、米国トランプ大統領が発病するようなことになったら、中国共産党政府が試みている、米国陰謀説でっち上げによる責任のすり替えや、プレゼンを兼ねた医療援助による恩の押し売りなど吹っ飛ぶくらいの反撃を受けるのではないか。

2020年3月12日

漂流教室と兵役で新コロナ退散

ブラジルでインフルエンザ予防接種のキャンペーンは、例年5月から始まっていたそうなのだが(時期まで詳しく思い出せない)、新型コロナウィルスの心配から、できる限り前倒しして3月23日から開始すると「コロナとハグ」の記事に書いた。

新型コロナウィルスが引き起こすCOVID-19は、子供や若者にはほとんど症状が出ないか軽い風邪で済むのだが、高齢者や基礎疾患保有者には肺炎を起こして重大な結果になることがあり、年齢層が上がるほど致死率が高いという見地から、ブラジルのインフルエンザ予防接種スキームが変更された。

昨年までは確か妊婦、幼児が第一優先順位で一番先に接種が始まったのであるが、今年は高齢者が第一優先順位になり、キャンペーン期間の最初は高齢者から始められることになっている。
もちろんこれは従来型インフルエンザであり、新型コロナウィルスではないが、何らかの側面補助にはなるのではないだろうか。
心配の種の数は少ないほうが良い。
しかしブラジルでも感染者数は急に増大しているので、コロナ到来の前に従来インフルの接種が間に合うかという懸念は残る。

イタリア全土の隔離措置はかなり大変そうである。
イタリアからの移民がブラジルに多数入っていることから想像できるように、挨拶などに見られる両国の習慣はかなり似ている。
ブラジルの交易国第1位である中国からそれなりの訪問があるにせよ、ただその距離のため、ブラジルへの中国人の訪問者数は、北イタリアへの比ではないと思う。

勝手な意見を言おう。
未だワクチンがないのに、社会全体に安全に速やかに免疫を持たせるにはどうするか?
最初の感染者が見つかってから2週間目くらいのブラジルではなく、学校閉鎖が進行中の日本を想像してみる。

現在の学校閉鎖とは反対に、しばらくの間、多分14日間、児童生徒を学校に集めて共同生活をして、COVID-19を全生徒に行き渡させる。
ダイヤモンド・プリンセス状態を、学校で子どもたちだけで起こすのである。
楳図かずおの「漂流教室」状態と言っても良い。
かなり手荒だが、目的は集団にウィルスを接種して免疫を獲得してもらうことである。

食事は給食を校門に置いてやって、自分たちで給仕をして、掃除も自分たちで行う。
隔離時間の利用法は、パソコン・タブレット・スマホなどをつかって遠隔授業をするといえば、学習への影響は少なく、無難だろう。
30歳までの健康で若い先生が監督を兼ねて学校に寝泊まりして授業をしてもよいし、年配の先生の代わりに教師志望の大学生を入れて、教育実習を兼ねて教習授業でもよい。
自由時間には、普段のように補習でもクラブ活動でもしたらよいだろう。

COVID-19は、子どもたちには軽い風邪で済んでしまうというのなら、大半が無症状か軽い風邪を引き終わって他人へ伝染する危険がなくなって免疫を得たら、家庭でもどこでも歩いてもらって構わない。

大学生から30歳くらいまでの青年層には、2週間の自衛隊入隊を行って、子どもたちと同様に、他の年齢帯集団から隔離して、免疫を得てもらう。
サバイバルや救命・救助訓練をすれば、その他の災害時に大きな救助戦力になる利点がついてくる。
でも自衛隊基地にはそれだけのキャパシティがないだろうから、やはりどこの町にもある小中学校のスペースを使うことになるだろう。
若い自衛隊・警察・消防隊員を派遣して、監督兼指導教官となってもらう。

これくらいの人口が免疫を得たら、高齢者や基礎疾患保有者に自宅自己隔離をしてもらう一方で、その他の人々は速やかに普通の生活に戻ってもらう。
重症化して入院や人工呼吸器などが必要になってもすぐに空きがあるくらい、伝染のスピードが緩慢になってくるだろう。

ここまで妄想してみたが、実際のところ今現在どれだけの人口が既に感染して、無発症で過ごして完治してしまっているかが不明である。
思い切り楽観的にみたら、動き回っている若年から壮年層を中心にすでにかなりの人が免疫を持っていて、ウィルスにとってみて例えば日本人の集団が、感染する相手を探すのに苦労するような状態になっていれば、遠からず伝染は下火になってくるだろう。
そうだったら将来の時点で、あのときは深刻に心配したが今思い出せば大したことはなかったなどと笑える日が来ているのかもしれない。

2020年3月6日

新型コロナウィルスと病気の名前

coronaという単語は、英語では太陽のコロナとか、光環という意味と辞書に書いてあるが、王冠という意味ではcrownが使われる。
coronaの語源としてラテン語でcrownを意味すると書いてある。

スペイン語やイタリア語のcoronaは、ラテン語を引き継いで王冠とか王位の意味を持っている。
そして、ポルトガル語ではnが欠落してcoroaとなった。
でも、coroavírusとは言わず、coronavírusである。

一方で、スペイン語で肺炎はneumoníaである。
しかし、ポルトガル語ではpが添加されてpneumoniaとなる。

こちらのニュースで初め分かりにくかったのが、中国の地名である。
Wuhan = 武漢
Fubei = 湖北

そして、新型コロナウィルス病を呼ぶのに、COVID-19 というのが正式とされた。
2015年WHO策定の「名称決定についてのガイドライン」によると、「ヒト感染症・ウイルスの名称に地理的な位置、人名、動物や食品に関する名前、特定の文化や産業に関する名前を含むべきでない」というのだ。
そのため、新型コロナウィルス病については、Wuhanという地名は入れられなかった。
スペイン風邪や香港風邪とか、豚インフルとかの名前は、現在だったらつけられなかったはずである。

そんなことがわかっているのに、メキシコの有名なビール、王冠マークの付いたコロナビールの売れ行きが落ちていると聞いた。
とんでもない風評被害だ。
現在トヨタは、コロナという名の車を製造していない。
1996年まで生産・販売していたそうだ。

以前流行したコロナウィルスとそれに関連する病気については、次のようになる。

2003年 ウィルス名 SARS-CoV、病名 重症急性呼吸器症候群 (Severe acute respiratory syndrome = SARS)
2013年 ウィルス名 MERS-CoV、病名 中東呼吸器症候群 (Middle East respiratory syndrome = MERS)
2019年 ウィルス名 SARS-CoV-2 または 2019-nCoV、病名 2019年型コロナウイルス疾患 (Coronavirus disease 2019 = COVID-19)

ブラジルのテレビニュースでは、novo coronavírus(新型コロナウィルス)、または単にcoronavírusと呼ばれることが多いようだ。

さて2020年3月5日現在ブラジルでは8名の感染者が確認されている。
サンパウロ州6名、リオデジャネイロ州1名、エスピリトサント州1名がその内訳である。
そのうち2名は、ブラジル最初の感染者の家族と友人であり、国内感染であるため、感染の条件などが気になる。

2020年3月5日

新型コロナウィルスと安全な花見

日本では学校休校、人が集まるイベントの中止・延期、在宅勤務の勧めなどが出された。

とにかく、かなりの時間閉じた空間で一緒に集まり、緊密な距離で会話をするような環境が一番感染しやすいと言われている。

日本では3月も下旬になると、桜の開花で花見シーズンとなる。
花見の場合、もちろん屋外という条件はクリアするが、酒が入ることもあり静かにしていられるわけもなく、黙って飲んでいるだけではすまない。

安全な花見とはどういうものか。

  1. 必要な感染予防策をせずに手で触れる(接触感染)
  2. 咳やくしゃみを浴びる(飛沫感染)
  3. 対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続く(濃厚接触)

一定時間とは3分か30分か3時間なのか、一体どのくらいの時間かは不明である。
とにかく、以上の箇条書きを避ければウィルス保菌者からの感染はしないことになる。

これから導き出される方法がないわけではない。
  • 花見だから屋外であることは当然だろうが、中でも通風の良い場所を選ぶ
  • 会場への移動には、自家用車でも良いだろうが、駐車と環境負荷を考えたら徒歩か自転車が勧められる
  • お互いに触れない。握手やハグの習慣のない日本人同士なら簡単だろう
  • 隣の人とは3メートルの距離を置く
  • 食物と飲物は円の中央に置いて、必要な人が一人ずつ取りに行く。取りに行っている間は口を開かない。70%エタノールを用意して、取り分ける前に手を消毒すればさらに万全

10人で花見で車座になるとき、お互いが3メートル離れるとなると円周は30メートル、半径は5メートルだから、真ん中に食べ物・飲み物を安全に置くことができるだろう。
人数がもっと多い場合には円を大きくするか、外側に半径8メートルの2つ目の円を作ることが考えられる。

一番遠いところにいる人まで、一重円の場合10メートル、二重円にすると16メートルにまでなる。
叫ばなければ聞こえない。
場所を取るだけでなく、非常にやかましい宴会になるのが欠点だろう。

ブラジルのシュラスコにもこれは応用できる。
しかしレストランではない、家族や友人の集まりのシュラスコではみんな歩き回るのが普通だから、3メートルの距離を保ちながら移動するという、花見とは異なったダイナミックなテクニックが必要となる。

シュラスケイロ(肉焼き人)のところへ肉を取りに行き、切り分けた一片を手にしたらすぐにそこを立ち去る「キャッチアンドゴーアウェイ」を華麗に決めないと、円滑なシュラスコ運営の邪魔者と名指しされて責められることになる。

野球とサッカーの違いはここにある。

2020年3月2日

Vale社関連韓国鉱石船の座礁

過去の記事「韓国製新鋭巨大鉱石船は鉄くずになるか」では、別の船会社の持ち船に、鉱石輸送の最初の航海に出たばかりで亀裂が入った事件について記した。

No Maranhão, Marinha planeja esvaziar tanques de navio encalhado
29/02/2020 22h33
Ibama encontra óleo ao redor de navio encalhado na costa do Maranhão
28/02/2020 14h53
2つ目のリンクに写真多数

マラニョン州沖約100キロあたりで、2020年の灰の水曜日である2月26日から、Vale社の29万5千トンの鉄鉱石を積んだ韓国船会社所有の鉱石運搬船が座礁している。
20名の乗組員は当初船内にいたが、船がだんだん傾いてきたため、タグボートに避難した。

鉱石運搬船Stellar Bannerは全長340メートルで、積荷は中国向けの鉄鉱石29万5千トンである。
ブラジル海軍、イバマ(IBAMA-ブラジル環境資源院)、荷主のブラジルVale社、船主の韓国Polaris Shipping社は、座礁して横に傾いている巨大な船から、4千トンの燃料の大部分を、より小型の船に積み替えて撤去しようと計画している。
燃料を抜いてから、船を軽くして砂州から浮上して曳航可能になるまで鉄鉱石の一部を抜き取る試みに移る。
もちろん海洋汚染を防ぎ、同時に船体を保全するためである。

現在のところ、甲板に置いてあったと見られる、比較的少量のグリースやオイル類が海面に漏れ出しただけで、燃料及び鉄鉱石は漏れていないので、大規模な汚染には至っていない。
オイルフェンスを施設する作業船は現場で監視中、燃料抜き取り作業船4隻が現場に向かっている。

Stellar Banner丸の船長は、「船が未だ正体不明の何かにぶつかり、船殻に2つひびが入ったので、難破を避けるために海岸から100キロにある砂の浅瀬に座礁させた」と語った。
「未だ正体不明の何か」とは、一体どんな物体なのだろうか。
340メートルの船体に損傷を与えるような鯨がいるのだろうか?
それとも以前問題を起こしたのと同様な欠陥船であり、航行中に突然ひびが入ったのか?
単に操船の誤りで座礁したのを言い繕うつもりではないのか?
超大型船ではあるが100キロの沖合で座礁するというのは、沖合だから水深は深いだろうと安心できず、自動にしろ手動にしろ操船は大変だろう。

この韓国の船会社には不名誉な事故の前歴がある。

船主Polaris Shipping社が所有するStellar Daisy丸が2017年に大西洋に沈没したことは、「船の改造は危険か?」に書いた。
乗組員24人が26万トンの鉄鉱石を、やはり中国へ運搬する途中であった。
フィリピン人船員が2名助かったのみで、残りの22人は発見されていない。

後日譚である。
2019年に韓国政府が契約した米国の海洋探査会社Ocean Infinity社は、南アフリカのケープタウン西1300キロの大西洋海底にStellar Daisy丸の残骸を発見した。
引き上げることもできず、難破原因は未だに明らかになっていない。

さてStellar Daisy丸難破の翌2018年、中国Rizhao (Chinese: 日照)港で、同社の所有船マーシャル諸島船籍Stellar Eagle丸の改造を行っていたのであるが、安全査察をした韓国海事省により、22箇所の非認可の変造が発見されて勧告を受けた。
Stellar Eagle丸は、安全基準に達するまで出港を禁止された。

というわけで、この韓国の海運会社Polaris Shipping社の評判はあまり芳しくない。

続報 Vale社から中国へ鉄鉱石を運ぶ途中で座礁した船はマラニョン州沖で沈められる
Navio que levava minério da Vale para China e encalhou é afundado na costa do MA
12/06/2020 23h02

上の2020年6月12日付けリンク記事によると、この船は鉄鉱石と燃料の大部分を抜き取ってから浮上したので点検が行われたが、座礁地点に沈没させる決定がなされた。
報道は詳細を述べていないが、きっと点検の結果船体は曳航に耐えないという結論になったのであろう。

2020年3月1日

コロナとハグ

新型コロナウィルス(COVID-19)が世界中に拡散している。
ブラジルで最初の感染者が確認されたのは、2020年の灰の水曜日である2月26日であった。
イタリア北部を出張訪問して来た、サンパウロ市在住の企業オーナーである。

前日火曜日までのカーニバルは、その悪いニュースを聞く前でみんな気楽だったから、病気もブラジルに来てカーニバルを楽しんでいたとか、戯言が言われていた。

2月29日には2人目の感染者が、やはりイタリアを訪問したサンパウロ市住民に見つかったという発表があったばかりである。

コロナウィルスとブラジルに関していくつか書いてみる。

テレビニュースで早速説明しているのが、手の洗い方とアルコール・ジェルの使い方である。
日本の手洗いは30秒とか、ハッピーバースデーを2回歌えとか言われているが、こちらでは1分間洗えと言っている。
1分はかなり長い。
できない気がする。
スーパーの棚には、アルコールはまだ残っている。

ブラジルでマスクを着用して街を歩く人はいない。
2009年新型インフルエンザのときにわかったのだが、コンビニとかスーパーといったところではマスクは扱わず、薬局にしても全部の店で売っているわけではなく、苦労してやっと見つけたものだった。
さて今回の新型コロナでは、マスクを予防的に着用する習慣がブラジルに広まるのだろうか。
咳やくしゃみをする人が他人にうつさないようにするためにだけ、マスク着用を勧めている。

手の洗い方と一緒にニュースで説明してくれたのが、マスクをしていないときに咳やくしゃみをする場合に、決して手のひらで覆わないで、肘の内側でガードするようにという飛沫拡散防止方法である。
今日通りを歩いていたら、手鼻をかんだ男が、手に鼻水がついてしまったので、仕方なくシャツの裾でぬぐったという、なんとも見たくない風景を見てしまったばかりであるから、正しい防ぎ方が広まってほしいものである。

日本の人もきっと知りたいのは、現在夏であるブラジルや南半球で国内感染がどうなるかだろう。
最初の感染者との接触者については追跡されているから、これから数日から2週間目くらいの期間にブラジル国内で感染がどれだけ起こるか、また現在夏のブラジルの気候のもとで、どれだけの感染者が重症化まで至るのか注目される。

現在感染が広がっている北半球はこれから春が来て暖かくなるから、新型コロナウィルスがインフルエンザのような性質のものだったら、自然に収まってくるはずである。
これから秋を迎える南半球はそれと反対の、先行きの暗い懸念がある。

ブラジル保健省は本来5月に開始する予定であった従来型インフルエンザ予防接種を前倒しして、3月23日から開始すると発表した。
これは今年の冬に流行しそうだと予想されるいくつかの型に対応するインフルエンザワクチンであり、子供、妊婦、高齢者、医療・公安関係者を対象とする無料接種プログラムである。
もちろん直接コロナウィルスに効くわけではないが、コロナウィルスと戦わなければならない体力・免疫力が別の病気に分散することが避けられるだろうし、診断する医療側から見れば、接種者については従来型インフルをスクリーニングできて手間が省けるのだという。
側面からのサポートと言える。

信心や信仰の問題もある。
わが町を管轄するカトリック教会の司教が、当分はミサで、和平の抱擁つまりハグと握手はしないよう、司教区の司祭に指導していると、ニュースで言っていた。
ミサの中で隣人とハグする打ち解けた瞬間を楽しみにする信者は、ふれあいが無接触となって味気ないと感じるであろう。