抗議デモ、180万人が参加=政府への不満噴出―ブラジル
時事通信 3月16日(月)5時47分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150316-00000010-jij-int
数日前のことであった。
大学生の息子が、3月15日の全国反政府・反汚職(corrupção = 腐敗)マニフェストデモの招待というか招集がSNSを駆けまわっていると言っていた。
そして今日である。
朝から雨が降る涼しい日になった。
日曜日なので通常のニュースはないのだが、夜の報道番組で各地の反政府・反腐敗集会のレポートをしていた。
各地の州都の動員数であるが、通常の都市で数万人、大都市で十万人規模、最大都市のサンパウロ市ではビジネス街パウリスタ大通りに百万人の人々が集結したという。
文頭の時事通信から引用の見出しによると、全国で180万人の人出だった。
二日くらい前にあった政府支持デモでは、Dilma Rousseff大統領と労働者党(Partido dos Trabalhadores - PT)の支持者、一部の労組と土地なし労働者運動を主とした参加者が、赤い旗を掲げながら、しかし汚職には厳しい追求をと、汚職舞台のペトロブラス(Petrobras)前などにかなりの人々が集まったのが報道された。
今日は雨模様の中、政府支持側と比べてどれだけ反政府側が動員できるのかが興味であったが、私の予想を大幅に超える大群衆の国民が集結した結果となった。
今日の反政府デモの特徴は、ブラジルの国旗を掲げたり、体にまとったり、顔にペイントしたりしているので、遠くから見ると国旗カラーの緑と黄色に彩られているところが、二日前の政府支持の赤旗の色と好対照である。
2013年のコンフェデレーションズ・カップ開催時期のデモでは、平和的運動に徹する多数の群衆に紛れ混んだ、騒ぎを起こしたり騒擾に乗じて略奪を試みるけしからん連中の暴動が目立った、残念な結果となった。
今日のデモでは、サンパウロ市で"Carecas do Subúrbio"、無理に訳すと野暮ったくなるのだが、「郊外のスキンヘッド」という連中が暴力を振るったというので20人位逮捕されたくらいで、銀行・商店やメトロの駅など公共施設の破壊行為は記録されていない、至って平和的・合法的な反政府運動であった。
二週間くらい前に軽油の大幅値上げ、これは軽油自体の値上げというより、支出を制御できない連邦政府が財源を取りやすいところから取ろうという、1リットルあたり20センターボの大幅増税であり、自動車道料金値上げに燃料増税で踏んだり蹴ったりの全国のトラック運転手たちが、トラックを国道に連ねて道路封鎖した示威行動があった。
その運転手連中は今日の反政府デモに連帯を示して、パウリスタ大通りにトラックを連ねて乗り込もうとしたのだが、あまりに人出が多くて大通りには乗り入れることはできなかったので、隣接した通りに停車してクラクションを鳴らしまくる、ブジナッソ(buzinaço)という行為に及んだ。
buzinaはポルトガル語でクラクションの意味である。
一方今回の反政府運動に賛同する家庭の主婦は、鍋や蓋を持ち叩き合うパネラッソ(panelaço)で連帯感を表明した。
言うまでもなく、panelaは鍋を意味する。
パネラッソを女性がベランダで行っているアパートでは、多分旦那さんが部屋の照明のスイッチを点滅して同様に反政府デモに連帯感を示していたが、この照明を点滅する戦法には特に名前はついていないようである。
夕方法務相はインタビューで、汚職対策をより厳しく行う政策を近日発表する約束をしたからこれから注目だ。