2016年6月28日

地獄・リオへようこそ

「警察はリオを『地獄』と呼び、危険を喚起する」
Policiais chamam Rio de "inferno" e alertam para insegurança
雑誌 VEJA
http://www.msn.com/pt-br/noticias/brasil/policiais-chamam-rio-de-inferno-e-alertam-para-inseguran%c3%a7a/ar-AAhGu9x?li=AAggV10&oc



オリンピックが始まるまで40日余りとなった2016年6月27日午前、トム・ジョビン国際空港、つまりリオ・デ・ジャネイロ国際空港に外国から到着した観光客は、こんなメッセージ幕に迎えられて度胆を抜かれたことと思う。
幕を掲げているのは、閻魔様やハーデースではなく、リオデジャネイロ州の民事警察の警察官、と言っても何をする警察なのかわからないだろうが、犯罪捜査を担当する警察組織である。
予算カットと給料遅配に対する抗議活動である。

幕のメッセージは英語だから、たいていの人にはわかってもらえるだろう。
警察官たちは声明で、紙や水のような必要品不足、警察の人員削減で十分に仕事ができない、ただでさえひどい犯罪にこんな状況で対抗できるわけがないと訴えている。

リオはここから遠いし、実情は行って住んでみなければよくはわからないからいい加減なことは言えないのだが、危なそうである。
今日も主要道路を走行していた女性医師や、車から降りたところらしい非番の警官などが強盗の犠牲になったとニュースは言っていた。
リオの問題は、重要な道路がファヴェラ(favela)つまり貧民街のそばを通っているので、組織抗争や警察との対決、つまり流れ弾の危険や、強盗などの犯罪活動にきわめて遭遇しやすい環境にあることである。

オリンピック本番では、連邦政府は軍隊を配置するのではないかと思うが、そうすれば何とか我慢できる程度の治安は確保されるのではないか、と楽観的に言ってみる。

2016年7月6日追加

心配になることばかりではない。
オリンピックまであと1か月となった昨日今日から、全州の警察から構成される全国部隊(Força Nacional フォルサ・ナシオナル)や、陸軍部隊のリオデジャネイロへの動員が始まり訓練を開始すること、海軍はリオ沿岸に艦隊を駐泊すること、世界97か国の諜報組織と特別体制の連絡センターを設け協力してテロに備えるというニュースが続いている。
陸軍海軍合わせて2万2千人の兵士をリオデジャネイロ市内の主要道路、鉄道駅や各会場に配置するというから、かなり兵隊密度が高いと言えそうである。

軍隊のファヴェラ(貧民街)内駐留は行わない。
キリスト像やポン・ジ・アスーカルのような観光地の警備は警察の分担である。