2026年1月4日

プーまねするトラ

タイトルは何かというと、「プーチン大統領のマネをするトランプ大統領」なのである。

プーチン大統領(繰り返されるので以降職名を略す)は、虐待されているロシア系住民を保護しなければならないと、ウクライナへ戦車を連ねて侵攻した。
実際のところは、ウクライナは元々ソ連の一部であったから、現在はロシアに属して当然と考えているからだろう。
4年前のことであった。

トランプは、ベネズエラの麻薬密売組織が米国国民に危害を加えているという理由で、ベネズエラを攻撃した。
実際のところは、麻薬がどうかというより、チャベス政権に没収国有化された、かっての米国石油企業の資産であった採掘精製施設を奪還したいことのようだ。
昨日のことだった。

プーチンは一週間で終わるはずだったから、特別軍事作戦と呼ばせて、これは戦争だと非難する反対者の声を黙殺した。
結局4年経っても決着がつかない。

トランプは、今回の作戦は一度限りで二度目がないことを望むが、ベネズエラの態度次第では二度目も辞さないと言った。
本当にこの一回で終われば御の字だろう。
プーチンの手際の悪さと比べて、お前さんとは違って俺はうまくやったぜと、鼻を明かすことができるだろう。

今回一回の攻撃が完全な成果を上げてこれきりなら、議会の承認の前に独立国の国土内で作戦実行したことは、これだけならと大目に見てもらえると思っているだろう。
もちろん8月頃から、なぜか太平洋を爆速で疾速する高速艇を、麻薬の運び屋と見て何隻も攻撃沈没させて、議会や国民対策としてベネズエラの脅威を印象付けてきた。

ブラジリア時間で1月3日午後2時ころ米国トランプの声明があったので、ブラジル視線から見たことを特に書く。
問題にするものが麻薬より原油であることが途中で明らかになってくる。
麻薬は金にならないが、原油は金になるから当然だろう。

簡単にベネズエラの原油について
世界最大の原油埋蔵量を持つ国であり、全世界埋蔵量の17%であると推定されている。
ウーゴ・チャベスが政権を手にしたのが今から27年前の1998年のこと、ボリバル革命社会主義を唱えてきた。
途中でチャベスは死去、ニコラス・マドゥロが引き継いだ。
彼は元トラック運転手だったとか。
金属労組幹部だったブラジルのルラと来歴が似ている。
いくらベネズエラ難民が地続きの国境からブラジルに入ってこようと、ルラ労働者党は都合の悪い事実は無視して、親ベネスエラを続けるのは当然なのだろう。
チャベス大統領時代に米国と決別して、米国資本の採油施設を接収して国営化してしまった。
技術スタッフがベネズエラ国営会社から逃げ出し、利権を吸い尽くそうとする政権の息が掛かった連中が、ずさんな操業をしてきたのだろう。
最盛期の日産330万バレルから、2025年には110万バレルまで、生産量は三分の一に激減した。
原油価格は以前の高水準を維持することができない上に、西側の経済制裁のためにベネズエラ石油は好条件で販売することはできなくなった。
ベネズエラの原油は重質油のため、精製のためにナフサを必要とするのだが、米国を追放したあとで仲良くなったロシアがその供給元となり、石油製品の大口購入は中国となった。
中国は世界の他の誰も買おうとしないベネズエラ産石油の値段を、相当叩いて安く買っているのではないか。

トランプは米国民間企業の資金と人材を使って、衰退したベネズエラ石油産業を復興すると言っているから、製品を売った儲けはいくらかはベネズエラに残るだろうが、投資した分以上は米国へ持っていくことになるのだろう。
現在中国くらいしか大口買い手がいないベネズエラ石油製品の生産量を上げれば、中国へ有利に売ることができるし、ロシアの天然ガスを買えなくなって困っているヨーロッパへ製品を売ることも考えられる。
どれだけ重質油のベネズエラ原油が天然ガスを代替できるかはわからないが。
ベネズエラに親米政権を確立することができれば、一石三鳥位の効果を上げることができる。

国際社会は一昨年のベネズエラ大統領選挙では、マドゥロが不正によって大統領の座についたことは、ブラジルのルラような親ベネスエラ左派政権さえも認めざるを得ない。
マドゥロを力ずくで引退させても非難するのは、ロシア、イラン、キューバ、中国、北朝鮮くらいだろう。
今回米国の作戦によってこのマドゥロだけをレーザー手術的に摘出したことでベネズエラ政権が屈服して、ベネズエラへの被害を最小に抑えながら石油産業を奪還したら、トランプの好きなビッグ・ディールなのだろう。

昨日のトランプ声明で何回か繰り返された単語が、「西半球」であった。
米国が中央アメリカや南アメリカを「裏庭」とするという表現はかなり言い古されている。
実際のところトランプがプーチンのマネをしたというのは正確でないだろう。
米国が中米に手を突っ込んだのは36年ぶり、1989年にパナマのノリエガ将軍を米軍が捕獲した作戦は今回のマドゥロ拘束とそっくりであった。
要するにトランプだけではなく以前の米国政権も似たりよったりなのだ。

西半球の反応である。
今回は米国が中央アメリカを超えて南アメリカの独立国を攻撃した点が、南米諸国にショックを与えている。
トランプによるマドゥロ捕獲に拍手を送っているのが、アルゼンチン、パラグアイ、チリであり、主権の侵害と非難するのがコロンビア、ウルグアイなど、ブラジルは名指しは避けたものの、非難した側に入っている。
簡単に言えば、南米大陸の南の方にある国々は右派政権が多く、ベネズエラと国境を接していないため米国の肩を持ち、北の方にあって実際に国境を接している国は、左派政権が多く米国を非難している。

昨日のニュースでで見たブラジル・ベネズエラ国境は大して人気(ひとけ)もなかった。
一時はベネズエラ側の国境が閉鎖されたようだが、午前中明るくなった時間には再開されていて、ブラジル人観光客はベネズエラから帰ってきたり、ブラジルへ移民したベネズエラ人の中には、実家へ帰っていたのだが、首都カラカスで事変があって家族が心配になったから再びカラカスへ向かうという人もいた。
これまでと反対に政権派のベネズエラ人が亡命しようとか、とりあえず避難しようとか、そんなに大きな動きは起こっていないようである。
年始の連休明けに何らかの動きはあると思われる。

トランプは西半球の安全は守ると言った。
ニュースで評者はモンロー主義の復活と言っている。
トランプ就任の頃のインタビューでは、これからの重点地域はアメリカ大陸とアジアである、と言っていたはずだ。
西半球という単語は何回か発したが、全世界の話はしなかった。
東半球ではヨーロッパは勝手に解決しろ、アフリカは知らない、という態度が見え隠れするのだが、アジアはどうなのか。
①日本・オーストラリア・インド・韓国と中国包囲網
②同盟国とは付かず離れずしながら、関税などを材料にして中国と交渉してできるだけ有利な貿易をめざす
今回トランプは②を行う有力な材料を手にしたといえる。
テレビで見た論者で最も悲観的な意見は、ベネズエラは俺のもの、ウクライナはプーチンへ、台湾は習へというのだが、これは条件が違いすぎてよほどのことがないとこうはならないとは思うが、そこはトランプのことであるから全く予想がつかない。

2025年12月15日

ブラジル運転免許証が80%も安く取れるようになる

自動車学校の必要なし、更新が自動になる新しい運転免許証の規則
Novas regras para CNH, sem autoescola e com renovação automática, valem nesta semana
Governo lançará um novo aplicativo chamado CNH do Brasil em substituição à Carteira Digital de Trânsito; veja o que muda
08/12/2025 10h39

ブラジルの運転免許取得について大きな変更がある。
簡単に言えば、免許を取りやすくなるとまとめられよう。

記事中に要点を箇条書してある。

  • 自動車学校の講義は必須でなくなる
  • 学科は政府の公式アプリによって無料で提供され、最低必須時間の制限はなくなる
  • 生徒は自分の車を使って、交通局に登録された独立インストラクターを選んで実技の実習をすることができる
  • 実技時間はこれまでの自動車学校での必須20時間から2時間へ削減され、これはインストラクター個人とでも、自動車学校でも練習できる
  • 実技試験、健康診断、生体情報採取は実地で行う
  • 実技試験1回目で不合格だった者は、2回目を無料で受けることができる
  • 免許取得までの有効期限はこれまで開始後1年であったが、これからは期限の制限はなくなる

連邦政府は、この改正の目的は、運転免許取得のコストを下げること、運転手養成のプロセスをデジタル化することだとしている。
現在のブラジルの運輸大臣(Ministro dos Transportes), Renan Filho は、インストラクターの職が無くなる心配はない、なぜなら独立して営業することができると説明する。
私はそうは思わない。

取得コストに関して言えば、現在の5千レアルまで達する取得コストは、新しい制度のもとで80%減少ができると、運輸大臣は言う。
5千レアルが千レアルになるということだ

日本人だったらきっとびっくりする事実を書こう。
運輸大臣が発言したことだから誇張ではないだろう。
ブラジルでは無免許で運転しているのが2千万人いるというのだ。
ブラジルの人口推計が2025年で2億1300万人だから、大雑把に言って人口の十分の一が無免許運転をしているようなのだ。
交通事故を起こしたとき責任はどうなるかが気になると思うが、ブラジルでは運転手ではなくて車の持ち主に責任が課せられる。
そして、免許を取りたいのだが、金がなくて取れないという人たちがその他に3千万人いるらしい。
潜在的免許取得者が人口の25%相当存在することになる。

以上は免許新規取得についてだったが、更新にも簡略化がなされる。
優良運転手には無料で自動的に免許更新ができる恩典が与えられる。
この場合の優良運転手とは、更新の前年に違反点数がない運転手である。
免許鉦の有効期間については変更はない。
60歳を超えると自動更新はできなくなり、従来のように健康診断を実地で受けなければならない。

現在も携帯電話にインストールする政府の公式運転免許アプリはあるが、機能が一新される。
先に書いたように、これを使って交通法規や安全運転などの学科を自習することが可能になる。
自動車学校の講義は必修でなくなるから、やる気があればこれだけで自習して、同じくオンラインで学科試験を受けることが可能になる。

新規免許取得の流れは次のようになる。

  • パソコン・携帯・タブレットなどでこのアプリを使って、無料であるが必修な講座を受講する
  • 講義聴講が終了すると、生徒は学科試験受験資格となるデジタル証明書を受け取る
  • 学科試験の前に交通局事務所で生体情報採取と写真撮影を行う
  • 次いで健康診断と心理テストを、資格を持つ医療者のもとで行う
  • 生徒は学科試験を受ける
  • 学科試験に合格したら、実技習得のため、これまでのように自動車学校か、認定を受けた独立インストラクターを選択できる
  • その後、実技試験を受ける。合格したら、免許を許された生徒は、自動的にアプリでデジタル運転免許証を受け取る

これからは印刷された免許証はオプショナルとなり、発行に手数料がかかるらしい。
デジタル免許証が原本となり、これはアプリを使い無料でアクセスでき、警察に見せたり証明に使ったりできる。

2025年12月3日

ブラジルでは夫婦別姓は普通に多い

夫婦別姓が日本で検討されているようだが、ブラジルの状況はどうか。
結婚して苗字が変わる方法は、日本と変わりない、こともない。

説明しよう。
私たち夫婦の場合どうなったかというと、あまり深く考えることなくごく一般的な方法を取った。

それは、妻の旧姓を取り除くことなく、夫の苗字を追加して、〈名前〉〈妻姓〉〈夫姓〉となるケースである。
私の妻の氏名は、その語順の3語から成るシンプルな形である。
引用記事の表題の中の、"acrescentar sobrenome do marido"とは、そういう意味である。
その場合当然、妻の姓は夫のものより長くなる。

ブラジル人の名前によくあることだが、〈名前〉の部分が複数の単語で構成される名前がある。
ジョゼ・アントニオとか、アナ・ルシアといった名前である。
また、苗字が一語だけでなく、de や dos などが付いて、デ・シルバとかドス・サントスのように二語になるものがある。
〈名前〉〈名前〉〈妻姓〉〈夫姓〉〈夫姓〉とか、5語で構成される氏名まで見たことがある。
インタビューされた女性の氏名は、Elisângela Santos Parreiras Souza,〈名前〉〈姓〉〈姓〉〈姓〉である。
苗字が3つあるのだが、どこからどこまでが夫の姓かはわからない。
王侯貴族のような歴史的人物には、もっとやたら長いのがあるようである。
2語の苗字を持つ男女が結婚したときに、どの姓を選択するか想像するのだが、きっと双方から一つずつ選ぶのだろう。

今思うと、子供の氏名を出生登記するとき、妻の姓と夫の姓をを両者並べて2語の苗字としても良かったのではないかと思う。
ブラジル国内のブラジル人同士の婚姻であっても、苗字が変わる場合には、登記所で選択した苗字で婚姻登記をして、それに基づいて身分証明書や免許証のような、個人に属する書類を変更しなければならない。
その手続が面倒だから、結婚しても両者氏名を一切変更しないという選択は多いようだ。

ここからは統計である。
正式に結婚してから苗字が変わった女性の割合は、
2003年 49.41%
2024年 39.64%

へと低下した。
それでも2003年時点ですら、苗字を変えない選択をした女性が約半分もあったのがかなり意外ではないか。

ミナス・ジェライス州は、ブラジルの中では例外的といわれる。
苗字が変わったものは、
2003年 16.16%
2024年 33.84%

へと増加した。
記事ではその理由をミナス・ジェライス州では伝統的に教会婚が多く、いわゆる昔風の、女性は結婚してから婚家に入るという社会の慣習が強いからだとしている。
それでいながら、どうしてブラジル全体と比較して、苗字が変わる女性が少ないのか、特に伝統的であるこの地で2003年の数字が極めて低い理由は、この記事内で明らかにされなかった。
データ元:ミナス・ジェライス州民事登記公証人組合 Sindicato dos Oficiais de Registro Civil de Minas Gerais

2025年2月14日

ブラジル闇バイト老人の生体情報貸し

Operação da PF investiga suspeitos de conseguir ilegalmente benefícios e empréstimos consignados para idosos

日本でもマイナンバーカードの偽造集団があるそうであるが、ブラジルで最近生活保護と、先に書いた委託融資の詐取を行っている詐欺団が摘発された。

詐欺団はわかった分で2300万レアルを詐取した。
発覚した生体情報貸し老人は21名であるが、300人分の登録がなされていた。
闇バイトするのが若者でなく老人であるのは、BPCの対象になるのが障害者でないならば、65歳以上の高齢者であるため、少なくともそのような外見の人でなければならなく、若い人ではできないからだ。
一人で30人に化けたものもいた。
日本の生活保護と同じように、毎月の掛金(保険分担金)を支払うことなくもらえるBPC(継続支給恩典)の金額は、1か月あたり最低給料(1,518レアル)にはるかに及ばない600レアルであるから、1回分の金額は少ないが、うまくいけば毎月必ず入金があるから、後には時々要求される受給資格適合確認をうまく騙せばよい。

日本の例に当てはめて簡単に説明すると、闇バイト老人の生体情報を利用して架空の貧困老人を作り上げて、生活保護を不正に受け取るようなものだ。
以下犯罪の手順が説明されているが、本人出頭が必要な場面では、30の架空登録をした闇バイト老人は、異なる30か所で手続きをしたのだろうか。
闇バイト老人は詐欺団から報酬として、詐取した不正受取金の一部を受け取っていた。
バイト内容を知らずに騙されたのではなく、悪事を働いている自覚がなければできない仕事である。

  1. 闇バイト老人は生体情報、つまり指紋と顔写真を提供する
  2. それを元に偽造グループは、Certidão de Nascimento 出生証明書、CPF 自然人登記番号、Carteira de Identidade 身分証明書、Título de Eleitor 選挙人証を偽造する
  3. 偽造書類を使い、銀行口座を開設して、さらに国の CadÚnico つまり低所得者対象の福祉単一登記に登録する
  4. INSS 社会保険院からBPC(継続支給恩典―日本で言えば生活保護のようなもの)を受け取る、また empréstimo consignado 委託融資を契約して融資金を受け取る

1人分の生体情報を使って複数の架空人登録をするためには、当人の悪意がないと不可能であろう。
それが可能であるということは、ブラジルの個人登録管理制度のもとでは、一人の生体情報を使って何人もの架空の個人登録をすることが、システム的に可能であるということである。

日本の統一登録であるマイナンバー、そのカードの作成には生体情報が入ると思うが、誰かが新規登録するときにその生体情報と、すでに登録されている生体情報を照合して、同じ生体情報を使いまわしすることがないようになっているのだろうか。
最近は現場へ行かずに家からオンラインで登録や認証する場面が多いのだが、AIの力を借りて顔写真と指紋を新たに生成して、自分・他人の生体情報を使いまわしすることなく、全く新しい架空の個人を創作して登録をすることは不可能なようにシステムはできているのだろうか。
考え始めるとなかなか厄介な問題だと思う。

2025年2月13日

年金生活者を借金漬けにするブラジル

empréstimo consignado 委託融資

INSS: 全受給者の約40%が委託融資を借りている
INSS: quase 40% dos beneficiários têm algum empréstimo consignado ativo

前回は学校で学ぶ児童・生徒の給食の話から加工食品の話が始まった。
今回は年金をもらう高齢者の話をしよう。
融資の仕組みについてである。

empréstimo consignado と名付けられた融資である。
委託融資―ちょっと訳しにくいのだが、つまり年金受給者や公務員や民間のサラリーマンのように、毎月の収入受取が確実な人に銀行が融資して、返済は年金や給料の支給にかかわる役所が支給金から天引きして銀行に渡す仕組みの融資である。
委託とは、銀行が取り立てを給与支払者に委託するという意味なのだろう。
貸す側にとっては貸し倒れの心配が非常に低く、そのため利率も他の融資と比較して低い。

Instituto Nacional de Seguro Social (INSS) 国立社会保険院は、2025年1月に4千万人以上の恩典受給者を数える。
全くの余談だが、前回のブラジルの高等教育を除く公立学校で学ぶ学童・生徒の総数が、偶然同じ4千万人であった。
そのうちの70%は最低給料(2025年は1,518レアル、1レアル約26円として大体39,500円)を受け取る受給者である。
INSSは老齢年金、被扶養者の遺族年金、日本で言えば生活保護に当たると思われる Benefícios de Prestação Continuada (BPC) 継続給付恩典を支払っている。

そして4千万人のうちの38.6%にあたる1,545万人の受給者が、2025年2月6日時点まで有効な委託融資契約を少なくとも1つ結んでいる。
つまり銀行から金を借りている。

借金をしている受給者の割合が4割近いというのは、各人がどんな意識を持って借りているのかわからないが、随分多くないか?

委託融資の最大返済期限が84か月(7年)から96か月(8年)に伸ばされた。
返済期限が伸ばされても借り入れ利息は変わらないのであれば、支払う利息総額は大きくなるはずである。
でも一月あたり支払金額は小さくなるから、借り手にとっては気が楽になるはずだ。
そして借金を乗り換えながら、決して完済することなく借金漬け生活を続けて、銀行だけが儲けることになるのだろう。

どこかで歯止めをかけるように、年金や給料など収入額と融資金額の比率や、最高金利は決められている。

2024年の平均年利は次の通り

  • INSS受給者の委託融資 21.9%
  • 公務員の委託融資 23.8%
  • 民間の正社員の委託融資 40.8%
ちなみにブラジルの基準金利は年利13.25%
日本の常識から見ると一桁違っているのではないかと感じられるかもしれないが、間違いなくこれで合っている。

2025年2月9日

加工食品と超加工食品

Comida processada 加工食品
Comida ultraprocessada 超加工食品

Governo reduz o emprego de processados e ultraprocessados na merenda das escolas públicas
Por Jornal Nacional
04/02/2025 21h30

ブラジルでは4千万人の児童・生徒が15万の公立学校で学ぶ。
確か初等中等教育期間は11年だったと思うので、ざっと割り算してみると1学年につき360万人となる。
日本の年間出生数とか共通テストの受験者数などから見ると大した数だと思う。
この数字の外に私立学校で学ぶ子どもたちも加わるのである。

さて連邦政府は、州政府や市政府が公立学校で供される給食の食品について次のように決めた。
加工食品と超加工食品の学校給食での購入金額にして、2025年の目標は材料費全体の15%、2026年には10%までとすることを目標とする。
現行は20%までとなっている。

これから書くのは、ブラジルで言う加工食品と超加工食品の違いは何かということだ。
当記事内に説明がある。
原典 Guia Alimentar para a População Brasileira da Ministério da Saúde 保健省のブラジル国民のための食品ガイドから記事に引用された。

  • Comida processada 加工食品
    自然の食品に砂糖、塩あるいは調理に使われるその他の材料を加えたもの

    • legumes na salmoura 野菜の塩漬け
    • extrato de tomate トマトエキス
    • carne seca 乾燥肉
    • peixes enlatados 缶詰の魚
  • Comida ultraprocessada 超加工食品
    加工食品よりさらに加工工程が増し、砂糖、塩、油脂以外の材料を必要とする

    • achocolatado ココア飲料
    • biscoitos ビスケット
    • barras de cereal シリアルバー
    • macarrão instantâneo 即席麺
    • salgadinhos スナック菓子
    • refrigerantes 清涼飲料水

わかったようなわからないような区別だ。
でも超加工食品は甘すぎ、塩辛過ぎでいかにも体に悪そうな気がする。
加工食品の範疇は、日本で言えば和食の漬物やツナ缶に見るように、かなり身近なものである。
保存のために加える砂糖、塩、油脂などの量が生食に比べて過剰になることは想像できる。

少し意外だったが、少なくともここで引用した加工食品、超加工食品の定義に、食品添加物の有無は全く関係していない。
超加工食品だからといって、添加物ドバドバ使われているというわけではない。

2025年1月31日

2025年のキリスト教移動祝日

米国のカーニバルで有名なニューオーリンズのサイトがあって、2061年までのMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。
Mardi Grasとはフランス語で「肥えた火曜日」と言う意味というが、ブラジルでは普通にTerça-feira de Carnaval「カーニバルの火曜日」と呼ぶ日である。
カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけは教会に従っている。
有り体に言えば、謝肉祭というくらいだから、カーニバルで現世の喜びを十分に満悦してから、心置きなく襟を正して四旬節の節制に臨む、という意味をつけられる。
とにかく、キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。

年の後半にある、キリスト教関係で一番有名な日であるクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これはハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)と続く一連であるが、前の2つは祝日ではない―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。
そのためにクリスマスと並び大切な日と考えられる復活祭については、決まった日付がないため、3月ころとか4月ころとか言うだけで、毎年調べて意識しないと特定できない。
ただしその日付の決め方から、毎年月日は変わっても、当然曜日は変わらない。

2025年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2025年ならば4月20日日曜日が、一連の移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2024年より20日も遅くなる。

復活祭の日付の決定方法について過去の記事に説明した。

待降節(Advento)は、クリスマスに備える期間であるが、その第一日は日曜日に決まっていて、11月30日の「聖アンデレ(Santo André)の日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。
アドベント期間には必ず4つの日曜日が含まれる。
2025年は、11月30日、12月7日、14日、21日の4つの日曜日の後、25日クリスマスは木曜日に当たる。
このように、天体の月の動きによって大幅に日付が前後する、年の前半の移動祝日とは、その決め方が全く異なる。

行事日の決まり方2025年休日種類
カーニバル
Carnaval
週末から灰の
水曜日前日4日間
3月3日,3月4日
月火曜日
PF
灰の水曜日
Quarta-feira de Cinzas
復活祭46日前の水曜日3月5日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日
Domingo de Ramos
復活祭7日前の日曜日4月13日日曜日週末
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日
Paixão de Cristo
復活祭の2日前の金曜日4月18日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の
満月の次の日曜日
4月20日日曜日週末
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日6月8日日曜日週末
キリスト聖体の日
Corpus Christi
復活祭の60日後の木曜日6月19日木曜日PF
ぽつんと年末に孤立、月日の決め方も異なる
待降節初日
Início do Advento
11月30日に最も近い日曜日11月30日日曜日週末

ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 上表ではFN)、任意出勤(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意出勤というのは、条例や労使協定によって、地方自治体、職種組合や職場ごとに、休日とするか勤労日とするか決められる。
大部分の勤め人にとっては、普通の休日となることが多いが、商店は営業するところと休むところがある。