2013年1月6日

これがホントの白猫宅急便

宅急便とはヤマト運輸の登録商標だから、使って良いのだろうかと思ったが、猫だからここで使ってみた。

伝書鳩は信書を運ぶ。
飛脚も信書を運ぶ。
犬は犬ぞりをひく。
馬は人を乗せ、馬車は大量のものを運ぶ。
牛だって牛車がある。
国によってはゾウが物を運んだりしている。
猫にできないはずがない。

先の2012年12月30日のことだった。
アラゴアス州アラピラカ(Arapiraca - Alagoas)で、荷物を一杯背負った、というか、粘着テープで体にグルグル巻き付けられた、まあまるで映画マトリックスの、キアヌ・リーブスのマント?コート?状態のネコが刑務所に入ろうとしているところを看守に捕獲された。

ネコが隠し持っていたというか、隠せないので見つかったわけだが、運んでいた物品のリストだ。
ノコギリ刃、キリ先、ヘッドホン、メモリーカード(携帯simカードのことか?)、携帯電話、バッテリと充電器だ。

看守が調査したところによると、ネコは囚人が隠れて飼っていたものであり、家族との面会時に家族に手渡され、刑務所外へ持ちだされたものという。

「囚人のあみ出した新手に驚いた。」
刑務所長は言う。
看守たちには、くれぐれもこのような奇抜な状況にも備えるよう指示した。

物品は没収され、ネコはアラピラカ市の動物課へ引き渡された。

(http://www.ibahia.com/detalhe/noticia/alagoas-gato-e-apreendido-entrando-em-presidio-com-serra-e-celular/を参考、サイトに画像あり)

疑問が残るのだが、なぜ看守はいったん捕獲したネコを解放して、どの囚房へ入っていくのか観察して、首謀者を割り出さなかったのだろうか。
だからブラジルでは、施政者側より悪人のほうが知恵が回るなんて言われるのだ。

さて、アラゴアス州の属するブラジル北東部は、ヨーロッパから距離が近いので、移民が始まった最初の地域である。
ポルトガル人によるブラジルの発見は現在のバイア州、ブラジル最初の首都はバイア州のサルバドル(Salvador - Bahia)であるくらいだ。
それだけに農村部では、豪族が領地のすべてを仕切ったという昔の風習を引きずっているところもあり、大農場主と使用人の対立や、土地なし民の土地よこせ運動、というか土地侵入や、逃亡黒人奴隷の作った集落(キロンボ quilombo)とかがたくさんあり、いざこざは法ではなく、慣習と力によって解決、という荒っぽい面も残されているのではないかと思う。

アラゴアス州は、ブラジルでも殺人事件発生率の一番高い州である。
人口10万人当たりの年間殺人数は60を超す。
ブラジル全国の2009年人口10万人当たりの年間殺人数は、22.7であった。
日本は0.5である。
ブラジルは日本の45倍、アラゴアス州は120倍殺人が多いのだ。

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