2015年12月31日

ブラジルの年越しそばパン

大晦日に食べるものといえば年越しそばである。
といってもブラジルにいると、本格的なそばを食べることはできない。
今日スーパーマーケットのパン売り場で、いつも何気なく見ているものが目に入った。

pão sovado、読み方はポン・ソヴァードという。
sovar ソヴァルという動詞の過去分詞・形容詞形である。
「ソバったパン」という意味だ。
ということは、こいつは年越しそばの代わりにならないか?

ポルトガル語辞典でsovarを見ると、他動詞[パンなどを]こねる、と書いてある。
ちょっと待った、パンを作るときにはどんなパンでもこねるのではないか?
手ごろで便利なWikipediaをみると、フランスのプロヴァンス風パンのことを意味すると書いてある。
何でもプロヴァンス風パンを作るときには、普通のパンよりしっかりこねるために、この名前が付いている。
本当かどうかすぐに判断付かないが、そういうことか。

うどんはこねるが蕎麦は打つ、といったイメージが頭にあるのだが、本当にそうだろうか。
手打ちうどんというものがあるが、それはおいておく。
蕎麦を作るときは、念を入れてこねるかどうかわからないが、この言い方を真似ると、soba sovada ソバ・ソヴァーダとなるはずだ。

年越しそばはどうして蕎麦なのか、うどんではいけないのか?
誰でも一度は疑問に思う問題を検索してみた。
いろいろあるが、
1. 蕎麦は細長い -> 長寿を祈る
2. 蕎麦はブツブツ切れる -> 一年の苦労や借金を切り捨て翌年に持ち越さない
という理由付けがある。
1と2がクロスしてしまったらどうするのか、命がブツブツ切れて、苦労や借金が長続きするぞ、と言いたくなるがまあ良い。

1に関して言えば、うどんも細長いぞ、と反論できるが、2については、うどんには当てはまらない。
なるほど、だから年越し蕎麦なのか。
と思ったら、年越し蕎麦の次に出てきたのが、「年明けうどん」である。
さぬきうどん振興協議会が提唱しているというから、節分の恵方巻きと同じ匂いがする。

google.com.brでpão sovadoを検索すると、すぐに写真が出てくるのでどんなパンかわかる。
googleでは味までわからないから、一言説明すると、割と緻密で少し甘い味のついたパンである。
全然年越しそばと似通ったところはない。
ブラジルの年越しそばパンは、絵に描いた餅であった。
そういうものがあるのかいと思ってこの駄文を読んでくれた方、時間を無駄にしてごめんなさい。

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