2020年2月4日

45日季節先取り東洋人

1年に4つの季節があるのは、少なくとも言語の世界ではどこも共通であると思われる。
日本語でも、英語でも、ポルトガル語でも、春夏秋冬にあたる単語が存在する。
赤道直下であって実際の季節変化が従わなくても、言語上は1年は4つの季節があり4分割される。
アマゾン地方では雨の少ない乾季を冬と呼ぶので、実は冬は夏より暑い、と聞いている。

そして北半球では、というより東洋では、2月4日は立春である。
しかしブラジルでは何のこともない普通の日である。
南半球に投影すると立春は立秋に対応するのであるが、この日に秋が立つ(始まる)などど誰も言わない。
「夏の真ん中の日」とか言われたり、ましてや祝ったりなどされない。

ブラジルの季節の始まりと終わりは、暦から極めて明確に決められる。
秋が始まるのは立秋ではなく、秋分点、つまり2020年なら3月20日0時49分である。
春は(南半球の)春分(Vernal Equinox)から始まる約90日
夏は(南半球の)夏至(Summer Solstice)から始まる約90日
秋は(南半球の)秋分(Autumnal Equinox)から始まる約90日
冬は(南半球の)冬至(Winter Solstice)から始まる約90日
各季節の一日目は、東洋ではその季節の真ん中の日に当たる。
「東洋(あるいは東方)」とは漠然としているが、下の参照リンクで中国語名、朝鮮語名、ベトナム語名、日本語名があるのでこう呼んでおく。

面倒なので1年を、商が整数となるように360日とする。
そうすると太陽が天球をめぐる黄道の1度が1日に対応する。

東洋の暦で節分をもって季節を区切る考え方は、1年を8分割する。
春 立春から45日、春分から45日
夏 立夏から45日、夏至から45日
秋 立秋から45日、秋分から45日
冬 立冬から45日、冬至から45日

そして
分点 = equinox (en.) = equinócio (po.)
至点 = solstice (en.) = solstício (po.)

については英語もポルトガル語も対応する単語があるのだが、節分、立春、立夏、立秋、立冬に対応する単語はみつからない。
ましてやより細かい二十四節気に対応するような単語は存在しない。
"Solar term"をみると英語訳と言うか、意味の説明がある。

そんなわけで、南北半球の180日の反対の季節を調整しても、東洋人は45日先取りして次の季節を待ちわびるような、繊細な気候の捉え方を持ち合わせる。

もちろん実際の気温と合わないので、例えば立春は「暦の上では今日から春」というような決まり文句がつくのであるが、区別がつきにくくはっきりしないブラジルの四季推移と比べると、日本は自然現象に変化が多くて美しく趣があるものだ。
代償として夏暑く冬寒いのは仕方がない。
日本に住む人よ、90日経てば次の季節が巡ってくるのだから、感謝しながら我慢しよう。