2021年1月27日

2021年のキリスト教移動祝日

 ブラジル各地の2021年のカーニバルは軒並み中止になってしまったが、当然暦の上では例年のようにカーニバルは存在する。

米国のカーニバルで有名なニューオーリンズのサイトがあって、2056年までのMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。
Mardi Grasとはフランス語で確か「肥えた火曜日」と言う意味だったと思うが、ブラジルでは普通にTerça-feira de Carnaval「カーニバルの火曜日」と呼ぶ日である。

世界2大コロナ猖獗国である米国とブラジルである。
ニューオーリンズのマルディ・グラのパレードも中止となってしまった。
暦のけじめがつかないではないか、憎きコロナよ。

カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけは教会に従っている。
有り体に言えば、謝肉祭というくらいだから、カーニバルで現世の喜びを十分に満悦してから、心置きなく襟を正して四旬節の節制に臨む、という意味をつけられる。
とにかく、キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。

年の後半にある、知らない人はいないクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これはハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)と続く―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。

2021年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2021年ならば4月4日日曜日が、一連の移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2020年より8日早い。

復活祭の日付の決定方法について過去の記事に説明した。

待降節(Advento)は、クリスマスに備える期間であるが、その第一日は日曜日に決まっていて、11月30日の「聖アンデレ(Santo André)の日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。
アドベント期間には必ず4つの日曜日が含まれる。
つまり年の前半の移動祝日とは、その決め方が全く異なる。

行事日の決まり方2021年休日種類
カーニバル
Carnaval
週末から灰の
水曜日前日4日間
2月15-16日
月火曜日
PF
灰の水曜日
Quarta-feira de Cinzas
復活祭46日前の水曜日2月17日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日
Domingo de Ramos
復活祭7日前の日曜日3月28日日曜日
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日
Paixão de Cristo
復活祭の2日前の金曜日4月2日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の
満月の次の日曜日
4月4日日曜日
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日5月23日日曜日
キリスト聖体の日
Corpus Christi
復活祭の60日後の木曜日6月3日木曜日PF
ぽつんと年末に孤立
待降節初日
Início do Advento
11月30日に最も近い日曜日11月28日日曜日


ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 上表ではFN)、任意出勤(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意出勤というのは、条例や労使協定によって、地方自治体、職種組合や職場ごとに、休日とするか勤労日とするか決められる。
大部分の勤め人にとっては、普通の休日となることが多いが、商店は営業するところと休むところがある。

2021年1月25日

2021年のブラジルの祝祭日

ブラジルの2020年の暦は、カーニバルが終わるまでは、コロナなどよその惑星のできごとであるかのような能天気だったが、患者第1号が出てからはもう有無を言わさずコロナ対応に引き込まれた。
そのため、花火打ち上げやクラブの年越しパーティーのような年末年始行事だけでなく、来月2月のカーニバルはおろか、それを7月に延期した時期外れカーニバルも、開催時期未定のまま再延期になったりして、いささか暦感覚がない2021年になろうとしている。
そんなわけで毎年年末の、来る年の祝日チェックを放ってしまっていた。
コロナ疲れの一種である。
でも来月は何も公式行事がなくても、カーニバルはやってくる。
そこで政府による祝日関係の発表を検索した。

連邦政府の経済省は、2021年の祝日と任意出勤についての通達PORTARIA Nº 430, DE 30 DE DEZEMBRO DE 2020を2020年12月30日付官報に掲載した。
下の表はこれに準ずる。
条文に断っているように、本来の目的は連邦行政官庁や国営企業の休日を定めたものである。

一連のキリスト教関連の移動休日は、2020年より8日早くなる。
たとえば2020年のキリスト受難金曜日は4月10日、2021年は4月2日である。

1 1月1日 Confraternização Universal 世界友好の日 FN
2,3 2月15-16日 月火 Carnaval カーニバル PF
4 2月17日 quarta-feira de cinzas 灰の水曜日 14時までPF
5 4月2日 Paixão de Cristo キリスト受難の日 FN
6 4月21日 Tiradentes チラデンチス FN
7 5月1日 Dia Mundial do Trabalho 世界労働の日 FN
8 6月3日 Corpus Christi キリスト聖体の日 PF
9 9月7日 Independência do Brasil ブラジル独立の日 FN
10 10月12日 Nossa Senhora Aparecida アパレシーダ聖母の日 FN
11 11月1日 Dia do Servidor Público 公務員の日 PF
12 11月2日 Finados 死者の日 FN
13 11月15日 Proclamação da República 共和制宣言の日 FN
14 12月24日 véspera de natal クリスマスイブ 14時以降PF
15 12月25日 Natal クリスマス FN
16 12月31日 véspera de ano novo 大晦日 14時以降PF

注:FN = Feriado Nacional 国定祝日、PF = Ponto Facultativo 任意出勤
任意出勤とは、職種や企業や自治体によって働くか休むかが決められる日である。
各人が勝手に自分の都合で出勤したり欠勤したりして良いという意味ではない。

11月1日(月)は10月28日(木)の「公務員の日」(Dia do Servidor Público)の振替であり、民間は通常日であるが、(連邦の)官庁は任意出勤となる。
2019年のこの日には、市の消費者保護機関は通常通りに仕事をしていたが、州の裁判所は閉まっていた。
国営銀行とみなされるブラジル銀行(Banco do Brasil)と連邦貯蓄銀行(Caixa Econônica Federal)について、この日に営業するかは確実でなく、注意する必要がある。
当表の連邦政府が定める全国一円の休日のほかに、各地で市、地方あるいは州の記念日が数日定められていることが多い。

次のサイトで、任意の過去・将来年の、任意の国の休日が入った月齢付きカレンダーを閲覧・印刷できる(英語・ドイツ語・当国語-ブラジルならポルトガル語)。
このリンクはブラジルの2021年