2021年5月24日
珍風景、アマゾンの水中都市
完全に水に浸かったアマゾナス州アナマンは、小舟の航行のために橋の建設要らず
Totalmente inundada, Anamã (AM) dispensa construção de pontes para liberar trânsito de canoas
動画2m33s 最初に宣伝あり
0:07 宝くじ売場前の混雑
0:21 警察と留置所
1:15 携帯電話アクセサリー店
1:51 モト・タクシーは乗り物を取り替えて水上タクシー
2:31 夕日の光景は美しい
水に浸かったアマゾナス州アナマン (Anamã)は、同様に水に浸かった他の町と異なり、板で作った橋と足場を町中にめぐらせる方法でなく、船を自由に航行させる方法を選んだ。
この町の人口は約1万4千人である。
町全体の建物の床面が、増水した川の水位より低いので、板で作った上げ床の上で生活が営まれている。
当然天井が低くなる。
アナマンを含めてアマゾナス全州の62の内58の市が、川の増水の影響を受けて、全州で41万4千人が被害を被っている。
ただしこのアナマンという町はかなり変わっていて、1年の半分近い増水期には、水没して船で行き来する生活を「自らの意思で」選んでいると、別ソースには書かれている。
最初から高床式とか2階建ての建物にすればよいかとも思うのだが、そういった機能第一の問題ではないらしい。
どうも川の水位の増減という季節の移り変わりに対応する中で、わざわざ面倒な方法にしていながら、風情を楽しんでいるように見受けられる。
潔癖症の人にとっては、なかなか住みにくい環境のようだ。
あれだけ周りに大量の水があるのに、一年中泥臭く濁り鉄分が多く、乾季に汚物抗に溜まった汚物は水没期になると水に浮かびだすし、増水期に水没しない場所を求めて蛇やサソリが家に入ってくるし、庭にはワニがやってくる。
リンクしたビデオでも男の人が、通りに面した縁台で鍋などを目の前の濁った水で洗っている。
飲料水は共同の掘り抜き井戸へ、水汲みに行っているらしい。
マナウスを観光旅行で訪れた人は、観光船でネグロ川とソリモンエス川の合流点へ行って、前者の黒いけれど透明な水と、後者の粘土が豊富で泥水そのものの水質の違いのため、数キロメートルに渡って水が混じり合わずに、境目を保ちながら並んで流れていく不思議な光景を見たことがあるだろう。
アナマンの町を覆う水はソリモンエス水系であるから、もともと泥でにごっているのは、汚いからではなく普通の姿なのである。
「アマゾンのベネチア」と自称?するこの町へ行ってみたいと思った奇特な人のためにアドバイスである。
Google Mapsで"Anamã AM"を検索ボックスにコピべして検索してほしい。
陸の孤島である。
アマゾナス州の州都マナウスから、あるいは途中にある、マナウスから道路が通じているマナカプルから川船の旅である。
Google Mapsでは、Rio Solimõesではなく、Rio Amazonasとなっているから、ソリモンエス川はアマゾン川の本流であり、ネグロ川が支流なのだろう。
ついでに調べたアマゾナス州の巨大さ
面積 1,559,147平方kmは、日本 377,975平方kmの4.1倍
州内の市の総数62で割った平均面積 25,148平方kmは、日本最大面積の高山市 2,178平方kmの11.5倍
人口密度は2.7人/平方km
2021年5月23日
がっかり日本、予防接種
新型コロナ感染症(COVID-19)の予防接種について、日本とブラジルのそれぞれの進捗に注目しているのだが、日本の予防接種が遅々として進まないのは全く驚異である。
オリンピック東京大会が開催されると大勢の外国人が訪日するから、日本政府は当然大会前に日本国民の大半に2回接種を済ますようなスケジュールを立てて、予防接種をてきぱきと手際よく進めるだろうと、確信に近い予想をしていたのであるが、全く裏切られてしまった。
ブラジルで少なくとも1回接種済みとなった人の、総人口に対する割合は、昨日の時点で約20%、2回の接種が完了した人は、総人口の約10%となっている。
日本は少なくとも1回の接種済みの人が、5%前後に留まっているという。
いまブラジルで1日約70万人に接種、調子のいい日には100万人に達するのだが、きょうのオリンピック関連のニュースで、日本の1日接種人数は約8万人と言っていた。
ブラジルの九分の一である。
両国の人口を考慮して単位人口あたりにしても、九分の二である。
日本のように組織がしっかりしているはずの国で、なぜそんな残念な結果になるのだろうか。
ポータルサイトを見ると、日本では郵便で接種券が送れられてきてから、電話、インターネットサイト、あるいは市役所で対面で予約をするという形になっているようである。
電話は通話殺到のためずっと話し中、インターネットはやり方がよくわからない、そういった人がみな集まって密になるから対面対応は取りやめにするとか、なかなかうまく機能していない。
日本は何かと郵便で通知することが多いようである。
もちろんブラジルでも裁判所とか税務署などの通知は、受け取り証明付きの郵便で行われるが、最近はインターネットを使うことが多くなってきている。
特に情報のやり取りが迅速であることが必要な、今回の非常事態のような場合には、郵便は遅すぎる。
ブラジルの2020年の緊急援助金の支給のために、連邦政府はどういうやり方をしたか。
これまで自行他行に銀行口座が有る無しに関わらず、連邦貯蓄銀行は一律に各受取人名義のデジタル口座を開き振り込み、出金つまり支払い・振り込みと現金引き出しの操作を行えるのは、スマホのアプリのみとする単純な方法をとった。
現金引き出しに必要なコードをアプリで生成して、ATMや宝くじ売場で引き出すようになっているらしい。
一律に新規に口座を作るのだから、いろいろな個別的なチェックなど一切必要なく、迅速に行う目的にはかなっていた。
しかし受取人の便利などは全く考えていない。
アクセスが集中すると、何時間も何日も根気が必要な時期があった。
スマホがない人やガラケーの人は買え、買えなかったら家族や知人から借りろ、操作がわからなかったらデジタルに詳しい子供に手伝ってもらえ、といった突き放した冷たい対応で、どうにもならなかった人たちは、行くなと言われても構わず、銀行支店に密な大行列を作っていた。
今回の予防接種もわが市の場合、最初に市役所のインターネットサイトで登録しなければならず、そのときにパソコンかスマホが必須である。
ワクチンの供給が極めて不定期なため、私達の場合には接種日時場所を受け取ったのは接種日前日の午後であって、日時にしても場所にしても、こちらの希望など全く聞いてくれない。
「xx月xx日(明日)のxx時xx分にどこそこに指定」という強制的呼び出しの通知が送られるのは、携帯電話のショートメッセージサービスであるから、ガラケーでも受け取ることができる。
理屈ではもちろん、パソコンも携帯も持っていないという人でも、毎日ランハウス(LAN house)つまりインターネットカフェ様の施設へ行って、料金を払って市役所のサイトにアクセスして、自分の順番が来ているかチェックすることはできるが、これはめんどくさい。
基礎疾患を持つ人の区分ではさらにハードルが上がる。
市役所サイトから診断書定形フォームをダウンロードして印刷、普段かかっている医師に診察して記入してもらってから、その写真を撮って登録時にアップロードを行う。
市役所はその画像で可否判定を行う。
接種可となった人は接種指定日に原本を持参して、会場の受付でシステム内の画像と照合するだけにしておく。
日本政府は、高齢者はスマホが使えないとか持っていないとか、至れり尽くせりの気配りをしているのだが、もっと突っ放しても構わないのではないか。
日本はヨーロッパやアメリカ大陸諸国と比べてコロナ流行が抑えられているから、普通の年だったのならば、ゆっくり予防接種しても構わなかっただろう。
しかしオリンピック大会に間に合わせるためには、もう2ヶ月しかなく、予防接種はスピードが命である。
残った僅かな時間にスケジュール遅れを一気に挽回するためには、どうしたら良いだろうか。
- 連絡は郵便ではなく、画像のやり取りも含めてインターネット(携帯電話、パソコン、タブレット等)で行う
- そのために居住市町村で携帯番号と電子メールアドレスを登録させて、住民登録のある市町村で接種する
- ワクチン輸送や保管を容易に、無駄を減少するため、市町村で体育館やスタジアムのような少数の大規模接種会場を用意
- 接種日時や場所は住民が予約するのでなく、例えば高齢者を優先して接種する場合には、生年月日が早い住民から、順番を機械的に割り振る
- 場所も同一市町村内なら遠近に関わらず割り振り、住民に選択などさせない
- 密な行列ができないように指定時刻を細かく区切って設定する
- 指定日時場所に行けない場合や遅刻などは、個別に対応するのではなく、何日か後に後回しにする
- 企業に対して、従業員が予防接種のため指定日に半日あるいは全日欠勤をすることを認め、これを有給とするよう法令で保証する(ブラジルではそこまではしていない)
こうしてみると、ブラジルの私が住む市の予防接種の段取りは悪くない。
ただしわが市はうまくやっているが、住民を行列させて密状態を作ってしまう、段取りが悪い市も少なくない。
単純機能のアプリを手早く作って、機械的に人々をさばいて、速い流れにのせることができた都市が、うまくできていると言って良さそうである。
日本では住民の知恵と努力にもっと寄りかかっても良いから、とにかく速くできる方法を取ることだ。
個人個人の都合など慮る必要など一切ない。
マイナンバーが言われだしてから、もう十年近く経ったのではないか。
息子が日本に留学した2015年に、マイナンバーカードを作成してきた。
それから6年経つのに、どうしてこれが未だに普及して使用されていないのか全く不思議である。
米国とかブラジルでは、いわゆる納税者番号が遠い昔から使用されていて、予防接種の接種希望者登録のようないろいろな場面で、個人識別番号として役立っている。
2021年5月9日
簡単にオリンピックをつぶす方法
毎日ブラジルだけでなく、日本の新型コロナ感染症による死亡数、正確に言うと、死亡数の7日間移動平均の変化も記録している。
これから見ると、日本は第3波が収まりそうになったのだが、その前に第4波に入ってしまったのでないか。
詳しく見ると、2021年2月6日に死亡数7日間移動平均の第3波ピーク100人に達してから、4月8日に20人まで降下したのであるが、一転して増加して、今は60を超えてしまった。
つまり、現在死者数は増加している。
最近の何日か前のニュースで、ブラジルも他所の国で発生している変異株の侵入を防ぐための方策をすべきでないかと言っていた。
その中で、日本在住の日系ブラジル人がブラジルへ入国するためには、72時間前以内のPCR検査が陰性であることを求められるだけであるのに対して、ブラジルから日本へ入国する場合には、3日の指定場所での隔離、ついで11日の自宅での隔離が必要だと言っていた。
当然の事実であるが、病気が未だ猖獗を極めない日本のような国は、病原体の侵入に対して神経質に備えるのが普通だろうが、反対にブラジルのように既に病気が蔓延している国は、入国者に対していろいろな面倒な制限を課すまでもなく、あえて入国したい観光客がほとんどいないということである。
今インドを放浪旅行したいという人もまずいないだろうし、いても周りが全力で止めるに決まっている。
あと2ヶ月後に、東京オリンピックは開催されるのだろうか?
2021年の初め、各国で新型コロナ予防接種が始まった頃、オリンピックのために外国から大勢訪日するのだから、日本政府の方針は、それに備えて日本国民の大半に予防接種を済ませてコロナ対策を万全にしてからオリンピックを迎えることになるだろう、と私は楽観的な予想をしていた。
ところが実際は、5月になったのだが、高齢者はおろか、医療従事者にも予防接種が行き渡っているとは言い難い状況のようなのだ。
ブラジルのように先進国とみなされることがない国でも、国民全体に対する予防接種を少なくとも1回受けた人の割合がようやく17%、2回完了が8%に達したブラジルと比較しても、日本は非常に遅れていると、これで大丈夫なのかと心配せざるを得ない。
それでいながら、オリンピックは何が何でも開催すると言っているから、まあ向こう見ずなことだ。
オリンピック関係者(選手と役員?)が来日する場合には、予防接種の有無を問わないとか、14日の隔離を免除するとか、日本に住む人が不安になるようなゆるゆるの規則を定めているようだ。
それだけでなく医療従事者や病床などの国民にとって大切な医療資源を、オリンピック専用に割り当てろと、できそうもない相談を持ちかけている。
日本に住む人達がこんな無理やりなオリンピック開催について、どのようにとらえているかは、もちろん肌で感じることはできないが、こんな状況の中で強行するだけの価値があるものと思っている人は、それほどいないようである。
こんなに歓迎されないオリンピック大会が、かって存在しただろうか。
歴史にたらればはないだろうが、もし2020年ないし2021年のオリンピックが東京でなく、時間が5年ずれて、リオデジャネイロで開催されることになっていたとしたらどうだろうか?
ブラジルの状況をざっと眺めてみる。
ようやく今になって、一日死亡数7日間移動平均が2,200程度に落ちてきているが、4月上旬にやってきた第2波のピークでは、これが3,100を超していた。
現在インドで新型コロナ感染症の流行が目も当てられない状況になっているが、ブラジルもわずか1ヶ月前には同様な惨状であった。
そして、単位人口あたりの死亡数を揃えようとすると、インドの人口がブラジルの6.5倍あることを考慮すると、人口2億1千万のブラジルの死亡数3千は、インドで19,500人死亡することに等しい。
ニュースでは、インドの1日死亡数が4千を超えたと言っている。
ブラジル国内の多くの地方で、インドで今起こっている酸素不足が1ヶ月前には頻発していた。
インドで火葬場が足りなくなっている代わりに、ブラジルでは墓地の墓穴掘りが追いつかず、墓地で霊柩車が列をなしていたところが続発していた。
実はブラジルの様子を観察すると、日本のようにコロナが蔓延していないのに医療が逼迫するという事態は全く理解できない。
ブラジルでは既に、コロナ以外の患者にとっては迷惑であろうが、緊急にしなくて良い手術などは延期して、コロナ患者を優先するするような措置が取られている。
病床占有率が常に90%を超えているのが常態になっているが、これは必要に応じて通常病床をコロナ病床へ切り替えたり、その逆を頻繁に行っているからである。
このような操作を指して、ブラジルでは医療崩壊とか呼ばないが、日本では少しでも日常と同じ治療ができないとなると、即医療崩壊とみなされるのだろう。
それでも病床占有率が100%になると、十分な治療を受けられずに死亡する人も少なくない。
集中治療病床に入っても、半分くらいは死亡しているようである。
人工呼吸器挿管の薬品が不足したり、医療スタッフがコロナに罹って人員補充ができず、治療ができなくなってやむなく病床を減少した病院もあった。
ここまで来るとさすがに医療崩壊状態と言えるだろう。
だから、今の日本で言う日本の医療崩壊状態は、ブラジルの見方では、まだまだ十分に余力を持っていて、とても崩壊からは程遠い、健全に近い状態であると言って良さそうである。
そんな医療状況のブラジルで、いくらブラジルのオリンピック委員会が大様(おおよう)に絶対大丈夫だからと、全世界へ呼びかけたところで、どの国が安心して選手団や応援客を送り出したいと思うだろうか。
実はここに解決法があって、東京オリンピックを忌避するためには、日本人は新型コロナへのガードを少しばかり緩めればよいのだ。
効果が出ているのかよくわからない営業時間制限を全部やめてみる。
緊急事態制限下でも歩き回りたい人がいくらでもいるのだから、放っておいても病気は広まってくれる。
何も別に現在のインドやブラジルと同じ、あるいはかってのイタリアのように病床占有率100%といった状況まで持っていかなくても良い。
医療が逼迫して、使い古された呼びかけだけでなく本当の緊急事態なんだ、国民や政府がオリンピックまで面倒見きれない、強行しようとしたら暴動が起きるぞという空気が醸成されて、大会のためにこのような国へ危険を冒してまで行きたくないという声が、多数の国から上がるようになれば十分だろう。
来日する選手や役員にワクチンを供給するとか言い出した。
ワクチンを受けるのは選手や役員なんかではなく、日本の住民が先だろう。
日本では多分2%くらいしか予防接種済みの人がいないだろう。
コロナに打ち勝った勝利のしるしのオリンピックなどと、無理な意地を張らずに、たわけたことを唱えるのはやめることだ。
コロナを流行らせてオリンピックを中止するという考えは本当に荒唐無稽だろうか?
絶対にそんなことはない。
本記事のタイトルのように簡単にできるかもしれないが、ある程度犠牲も出る辛い方法ではある。
でも無理してオリンピックを開催しても、準備不足のアスリートは万全のパフォーマンスを披露するのは無理な話で、けが続出、記録低迷の不完全燃焼オリンピックとなることが予想される。
競い合うのは各地から集った変異株で、残るレガシーは、オリンピック大会発の凶悪変異株の世界への蔓延という結果になるだろう。
どうせオリンピック後の変異株蔓延から逃れられないというのなら、日本が体を張ってオリンピックを中止したほうが、絶対人類のためになる。
オリンピックに関しては、開催都市がキャンセルを決定した場合には膨大な賠償金が発生するとか言われているが、本当だろうか。
疫病の蔓延という非常事態の考慮はされないのだろうか。
最近追い風が吹いているようだ。
米国のメディアが金権IOCを強烈に批判している。
開催都市から絞れるだけ絞るが、自身は絶対損しない組織である。
オリンピック大会の意義を思い出して初心に帰り、笑うのはずさんな運営で不正マージンを手にする開催国の一部の権力者とIOC役員だけの、現在の金権オリンピック方法を見直す良い機会になる。
ブラジルはリオデジャネイロ・オリンピック大会で、もう懲りたことと思う。