2025年12月3日

ブラジルでは夫婦別姓は普通に多い

夫婦別姓が日本で検討されているようだが、ブラジルの状況はどうか。
結婚して苗字が変わる方法は、日本と変わりない、こともない。

説明しよう。
私たち夫婦の場合どうなったかというと、あまり深く考えることなくごく一般的な方法を取った。

それは、妻の旧姓を取り除くことなく、夫の苗字を追加して、〈名前〉〈妻姓〉〈夫姓〉となるケースである。
私の妻の氏名は、その語順の3語から成るシンプルな形である。
引用記事の表題の中の、"acrescentar sobrenome do marido"とは、そういう意味である。
その場合当然、妻の姓は夫のものより長くなる。

ブラジル人の名前によくあることだが、〈名前〉の部分が複数の単語で構成される名前がある。
ジョゼ・アントニオとか、アナ・ルシアといった名前である。
また、苗字が一語だけでなく、de や dos などが付いて、デ・シルバとかドス・サントスのように二語になるものがある。
〈名前〉〈名前〉〈妻姓〉〈夫姓〉〈夫姓〉とか、5語で構成される氏名まで見たことがある。
インタビューされた女性の氏名は、Elisângela Santos Parreiras Souza,〈名前〉〈姓〉〈姓〉〈姓〉である。
苗字が3つあるのだが、どこからどこまでが夫の姓かはわからない。
王侯貴族のような歴史的人物には、もっとやたら長いのがあるようである。
2語の苗字を持つ男女が結婚したときに、どの姓を選択するか想像するのだが、きっと双方から一つずつ選ぶのだろう。

今思うと、子供の氏名を出生登記するとき、妻の姓と夫の姓をを両者並べて2語の苗字としても良かったのではないかと思う。
ブラジル国内のブラジル人同士の婚姻であっても、苗字が変わる場合には、登記所で選択した苗字で婚姻登記をして、それに基づいて身分証明書や免許証のような、個人に属する書類を変更しなければならない。
その手続が面倒だから、結婚しても両者氏名を一切変更しないという選択は多いようだ。

ここからは統計である。
正式に結婚してから苗字が変わった女性の割合は、
2003年 49.41%
2024年 39.64%

へと低下した。
それでも2003年時点ですら、苗字を変えない選択をした女性が約半分もあったのがかなり意外ではないか。

ミナス・ジェライス州は、ブラジルの中では例外的といわれる。
苗字が変わったものは、
2003年 16.16%
2024年 33.84%

へと増加した。
記事ではその理由をミナス・ジェライス州では伝統的に教会婚が多く、いわゆる昔風の、女性は結婚してから婚家に入るという社会の慣習が強いからだとしている。
それでいながら、どうしてブラジル全体と比較して、苗字が変わる女性が少ないのか、特に伝統的であるこの地で2003年の数字が極めて低い理由は、この記事内で明らかにされなかった。
データ元:ミナス・ジェライス州民事登記公証人組合 Sindicato dos Oficiais de Registro Civil de Minas Gerais

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