放送されてから少し時間がたってしまったが、ワールドカップ2014ブラジル大会に興味津々の人がいるだろうし、かなりおもしろい話だからここに書いてみよう。
今年のコンフェデレーションズカップの直前にも、ブラジリアのホテル宿泊料金が高騰したというニュースをのせたが、今回は航空運賃だ。
「ワールドカップ時期に航空運賃は高騰」
Preço de passagens aéreas dispara para o período da Copa do Mundo
http://g1.globo.com/jornal-hoje/noticia/2013/10/preco-de-passagens-aereas-dispara-para-o-periodo-da-copa-do-mundo.html
2014年のワールドカップを観戦したい人は、いまからサイフを大いに強化しなければならない。
ワールドカップ時期は航空運賃が高騰するからだ。
企業オーナーRenato Bahia氏は、過去4大会のワールドカップに応援参加した。
ブラジルで開催される今回も同様に参戦するために、観戦チケットの抽選に応募して、航空運賃の見積もりをしている。
「ブラジルの初戦からワールドカップの最終戦まで全部見ようとなると、ナタル(Natal)から出発する航空券を今日買ったとして、1万レアルほどかかるだろう。
サンパウロでの第1戦のための、ナタルからサンパウロ直通往復航空運賃は、1,570~2,173レアルだ。
フォルタレザ(Fortaleza)での第2戦には、ナタルから往復990~1,700レアルかかる。
ナタル発ブラジリア往復は、1,498~2,109レアルの出費だ。
4大会応援参戦制覇の彼の結論は次の通り、2010年に南アフリカで支払った額よりブラジルでの出費が多い。
「南アフリカは距離の利があった。
試合と試合の間は車で移動していた。
航空運賃の出費はなかった。
レンタカー料金とガソリン代を、友人3人と割り勘した。」
ブラジル大会は、広大な国土に開催都市が分散しているから移動は大問題だ。
国立民生航空庁(Anac - Agência Nacional de Aviação Civil)は、航空運賃については注視していくが、上限を設けることはできない。
航空運賃市場は自由価格制度をとるからだ。
国立民生航空庁は、12月の組み合わせ抽選の後、航空券の需給関係が変化すると予測している。
さて一方で、航空運賃高騰の現実に積極的に対抗していこうとするファンもいる。
エスピリト・サント(Espírito Santo)州の、熱狂的セレソン応援グループはその一つだ。
ひねり出したアイデアとは、バス一台を購入することだった。
この10人グループは、コンフェデレーションズカップ・ブラジル大会ではブラジル戦全てを応援した。
もちろんワールドカップも逃すはずがない。
「仲間と集まって相談して、3つの問題点があることがわかった。
入場料、宿泊料、運賃だ。
このエンジン付きハウスで問題点のうち、宿泊と移動の二つは解決だ。」
会社オーナーMárcio Castelo氏は語る。
「航空会社へ支払う運賃、ホテルへ支払う宿泊料を合算して、ワールドカップ期間の30日間で平均して、我々の出費と比べてみれば、間違いなく我々のほうが安くつく。」
会社オーナーGustavo Amorim氏は保証する。
彼らチームは、バスの改造には金を惜しまなかった。
シートのほとんどを取り外し、12人分のベッドを備え付け、キッチン、オーブン、冷蔵庫、バス・トイレを取り付けた。
「最高の出来で、わが家と呼べるものになったんだ。
ただのバスと呼んで侮るなよ。
だから、ここで至極快適に過ごし、ゆっくり休養して、ブラジル応援に備えるのさ。」
Gustavo氏は語る。
リンクのビデオ(ポルトガル語)では派手に塗装した豪華改造バスに注目してほしい。
アナウンサーの記事後のコメントがよい。
「バス、いや失礼、この車輪上の家は、皆さんご覧のように安いものではありませんが、後で売ることができるという利点がありますね。」
しかし、ブラジルの観客のうち5千人がこれを真似て10人グループを作り、改造バスでブラジルチームの後を追いかけたらどうなるか想像してみよう。
5千人の観客のために、スタジアム近辺に5百台の改造バスが駐車することになる。
壮観な眺めだろうがこれは大変だ。
幸い、改造バスはだれでも真似のできる解決法ではない。
ナタル-サンパウロ往復運賃を例にあげて、ワールドカップ2ヶ月前の同ルート運賃は上記のワールドカップ期間中運賃の3分の1という。
国立民生航空庁は、航空会社が需要に応じて臨時便を出せるよう助力していく、と表明している。
実際に大会が間際になったときに、運賃その他がどうなるのか注目していこう。
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