2014年1月15日

断熱シートの想定外な使用法

空き巣や窃盗や押し入り強盗から、商店・事務所や一般市民が自衛する手段の一つに、窓や扉の開閉センサーや室内の赤外線センサーが異常を察知すると、サイレンを鳴らしたり警備会社への連絡を自動的に行う警備システムがある。

うちにも赤外線センサーはある。
動作の仕組みはセンサーの外見からはわからないが、設置した警備会社の説明では、infravermelhoといっていたから、赤外線センサーなのだ。
センサーの前で動くと、赤ランプが点灯して、正常に動きを感知していることがわかる。

昨日のニュースで、ある事務所内部の防犯カメラ画像が流れた。
これによると、侵入者は体に断熱シートを巻き、というか、映画で見る(北)アメリカ・インディアンのテントのような円すい形にしてその中に入り、ソロソロと室内を移動していた。

manta térmica 「熱のシート」とニュースでは言っていた断熱シートであるが、実際にどんなものかはわからない。
画像検索したら、屋根瓦の下に敷く断熱シート、多少怪しげな体脂肪燃焼電熱シート、要は電熱腹巻きであったり、これにくるまると発汗を刺激して体重を落とせる寝袋のようなシートの画像がでてきた。
建築用のはロール巻きになっている銀色のシートである。
とにかく、これを体に巻くことにより、体温を遮断して、赤外線センサーが反応しなくなるというのだ。

うちには断熱シートなどないが、簡単な実験をしてみた。
赤外線センサーは部屋の隅、ドア枠の上方、2メートル以上の高さに取り付けられている。

  • 赤外線センサーの正面、約5メートル地点に、40センチメートル四方の正方形のクッションを、胸を隠すように持って正対する。
    胸がセンサーにあらわになるようにクッションを前方に倒したり、元のように立てたりする。
    => センサーは反応する。
  • クッションはセンサー正面の位置にしたまま、体だけずらして赤外線センサーの正面軸から外し、腕だけでクッションを立てたり倒したりする。
    => センサーは反応しない。

この実験からわかることは、赤外線センサーは、
  • 人体など熱を持つものが運動しなくても、その表面積の変化に応じて反応するが、
  • クッションやバケツのような非発熱体の運動には反応しない。

警備関係の専門家は、新型のセンサーは赤外線だけでなく超音波(ultrassônico)センサーもついているから、体温を遮断してもセンサーをだますことはできない、と言っていた。

うちにはわざわざ新型のセンサーに取り替える必要も資金もないから、このような新手をあみ出した泥棒には、来ないでくださいねと祈るしかない。

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