São Paulo completa neste sábado (25) 460 anos
http://g1.globo.com/jornal-hoje/noticia/2014/01/contrastes-marcam-460-anos-de-sp.html
というわけで、昨日土曜日(2014年1月25日)サンパウロ市が創立460年を迎えた。
ニュース番組で「サンパウロの橫顏」的な話題を取り上げていた。
一つは、「独り者の首都」capital da solidãoという顔である。
少し前までのブラジルは、どの家庭も子だくさんの大家族であったのだが、現在は都市部を中心に、世界的傾向から外れず、家族構成が小さくなっている。
約1千2百万人の住むサンパウロ市で、一人暮らしは約50万人いる。
70歳代、80歳代のお年寄りの一人住まいも、地区によっては目立っている。
次の話題は引っ張る。
サンパウロはレストランが多い街である。
元々移民から構成されるブラジル全体がそうであるが、特にサンパウロのような食い扶持を求めて人が集中するような大都市は、出身地の料理を提供するレストランで起業する人が多かったのだろう。
そのトップ3の結果に驚く。
第一位は、pizzarias ピザリアで、6千軒くらいある。
第二位は、churrascarias シュラスコ(焼肉)を提供するシュラスカリアで、500軒ある。
第三位は、フレンチでもイタリアンでも中華でもなく、restaurantes japoneses 日本食レストランで、250軒ある。
このサンパウロ市内のレストラン数であるが、どういうデータの取り方、カテゴリーの分け方、各カテゴリーの計数の仕方(例えば一つのレストランが複数のカテゴリーに属するか)をしているのかわからないが、日本の東京と比べると、ピザはともかく、他ジャンルの数字自体がとても少ないように感じるが、どうだろうか。
iタウンページ
http://itp.ne.jp
で、
東京都 和食で検索した結果 5500件 (当然東京の勝ち)
東京都 寿司で検索した結果 4569件
東京都 中華料理で検索した結果 4042件
東京都 ラーメンで検索した結果 3525件
東京都 そばで検索した結果 3472件
東京都 うどんで検索した結果 3051件
東京都 イタリア料理で検索した結果 2598件
東京都 焼肉で検索した結果 2305件 (東京の勝ち)
東京都 フランス料理で検索した結果 1663件
東京都 ピザで検索した結果 588件(サンパウロ面目保つ)
和食、寿司、そば、うどんの検索結果は、中華料理とラーメン(ラーメンは日本料理であるという意見は置いといて)の検索結果と同様、重複が多く含まれていると思われる。
東京はレストランや食堂が極めて多い。
酔っ払って毎晩徘徊しても身の危険を感じない街である。
そして夜の飲食が仕事の延長として認められる(た)社会である。
飲食店はサンパウロやニューヨークより多いだろう。
こうやっていろいろ遊んでいると、時間を忘れそうになってしまうが、東京で意外なものもある。
東京都 パンで検索した結果 7101件
これはパンを売っている所はコンビニから何から全部含んでいるのだろう。
なぜなら
東京都 パン店で検索した結果 1129件
であるからだ。
サンパウロ市内のパン店の数は3千である。
日本人はそれほどパン好きだったのか。
知らなかった。
ブラジルの話に戻る。
昔、中華料理店はあっても、日本料理店がない田舎町はいくらでもあった。
中国人、つまり華僑(中国国籍)や華人(他国国籍)は、どんな国にも住んでいて、中華料理店はかなりの僻地にもみられるものだった。
サンパウロ市には、移民一世からブラジル国籍を持つ子孫世代まで、世界各地を源とする多数の民族が住んでいて、当然中国人や中華料理店も多いはずだ。
ただどういう経緯があったのかは分からないが、中華料理店でも(どちらかというと)日本風な焼きそばがあって、ポルトガル語表記に従ってyakissobaといわれ、スーパーにはlamen instantâneo(インスタントラーメン)が売られている。
春巻はハルマキ、spring roll、rolinho primavera、訳せばみな直訳で同じ意味であるが、いろいろな呼び方がある。
中華料理店のお客の大半は、日本人あるいは日系ブラジル人だったのだろう。
こんにちsushi, sashimi, shoyu, shiitake, tofu, saquê(=sake)などは、ポルトガル語に訳されずにそのまま使われている。
日本語の「天ぷら」は、ポルトガル語のtempero(調味料)から来ている、と聞いたことがあるが、tempuraは再上陸なのか。
かように、日本料理と中華料理を比較して、一般ブラジル人の認知度という点では圧倒的に日本料理である。
日本料理は健康的だ、ダイエットに効果あり、知的な人の食べ物だ、スマートだ、愛好する人は格好良くみえる、という、世界的と言ってもよい、ステレオタイプとも言えなくもない認識は、ブラジルでも同様にとらえられていると思う。
日本料理は外食するととても高くつく、という認識もある点は特筆しておく。
高くてうまいのなら当然だ。
まずいくせに、値段だけ高いのに当たったら最悪だ。
残念ながら、そういった経験をすることは少なくなかった。
ブラジルのテレビドラマは、あっさり(まれ)も、どろどろ(たくさん)もある、ありていに言えば愛憎ドラマが多いが、novelaとよばれる。
novelaと言うと「小説、フィクション」であるが、「テレビ(ラジオ)ドラマ」という訳は、この単語のブラジル用法と、辞書に書いてある。
スペイン語でtelenovelaというものだ。
テレビ局Globoの、9時20分ころから始まるAmor à Vidaというのが、あと一週間5回のエピソードを残して大詰めに盛り上がっている。
このドラマの特徴は、ゲイが3人で三角関係を繰り広げているのだが、そのうちの一人は、サンパウロの高級日本料理レストラン「祇園」のシェフ兼オーナーの設定で、他の二人が入れ代わり立ち代わり通い詰めるので、寿司の舟盛りが毎回のようにテレビ画面に出る。
「祇園」の、板前と言うかシェフだけでなく、料理を食べに来ている客がみな日本人顔でなく、日本料理が完全に非日系ブラジル人の親しむ対象になっている。
大きなスーパーマーケットでは寿司や刺し身がパックで売られている。
一食数十から百レアルを超える、ノヴェラの「祇園」のような日本食レストランでなく、ファストフード化・ブラジル化した日本食軽食レストランも増えてきている。
勤労所得が増えて、中流階級が形成されるようになった現在ブラジルで、日本食を試して好きになった中流ブラジル人は多い。
近所の住宅街の宅配主体のピザ屋が閉店して、同じ場所にテイクアウト寿司レストランができたのは象徴的だ。
ノヴェラの登場人物の着ている服やアクセサリーが、コピーされて拡散するブラジルである。
強力な援軍を得て、これからも日本食の大衆化は続いていくであろう。
その段階で純粋な和食が、ブラジル化して擬似日本食になって、日本人に好まれる伝統的和食から乖離することは避けられないだろう。
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