公園の駐車場でドローンを上げている人がいた。
夕暮れから夜に入る時間だったので、飛行機のように両翼に、と言ってもドローンは4つローターがあるので、どこが両端かは判然としないのだが、緑色と赤色の照明を点灯して空中でホバリングしていた。
ごく最近見たドローン関連の記事見出しを2つ載せる。
スイス国営郵便、ドローン郵便配達の飛行試験を開始
http://japan.cnet.com/news/service/35067164/?tag=nl
Líder do grupo Estado Islâmico é morto em ataque de drone americano
イスラム国のリーダー、米国のドローン攻撃で死亡
http://www.msn.com/pt-br/noticias/mundo/l%C3%ADder-do-grupo-estado-isl%C3%A2mico-%C3%A9-morto-em-ataque-de-drone-americano/ar-AAcRzdw?ocid=mailsignoutmd
災害救助にも戦争にも使える道具なのだ。
ドローンというとラジコンヘリコプターと似ているがどこか違う。
ラジコンヘリ=メカ好き、操縦好きの立派なホビー、金がかかりそう、
ドローン=胡散臭いオタクが何か良からぬことを企んでいる、
全く偏見だろうがそんな気がするのだ。
ドローンの正当な愛好者よ、ごめんなさい。
広い公共の場所で飛んでいるのなら良いのだが、住宅地の上空をこういったものがたくさん飛び交うようになったらどうなるのだろうか。
不謹慎で人間性を疑われるのを承知で言うが、盗撮、つまり覗き撮影に最適なのではないかと思ったのが、ドローンが身近に飛んでいるのを見た第一印象である。
多分私の手元にドローンがあったならばこれをしてみたい、という願望かもしれない。
何のことはない、胡散臭いオタクとは私のことだったのか。
ブラジルの住宅地は一般的には日本よりは広く、防犯のためだろうか、塀がかなり高い。
塀の上に鉄条網とか電気ショックワイヤーなど張ってあるのは、醜いブラジルの風景である。
そして夏が長いブラジルである。
高級住宅街はもちろん、かなり大衆的な住宅地でも、高めの塀に囲まれた敷地にプール付きの庭がよく見られる。
わが家の庭を覗き込める隣家はない。
塀の上に見えるのは隣の軒と隣の敷地のマンゴーの木だけである。
屋根の上で工事などしていなければ、覗きこむのは翼のある鳥と軒を歩く猫だけである。
話をややこしくしないために、飛行機やはるか高高度の人工衛星などは一応除いておく。
ブールがなくても、庭にチェアをおいたりタオルを敷いた上で日光浴などする人は多いだろう。
ただでさえ肉体のフォームを非常に気にするブラジル女性である。
他人の視線が全くない、完全なプライバシーが保てる、ということで、女性だけでないだろうがビキニラインをつけたくない人などフィオ・デンタルどころか全裸で寝そべっているかもしれない。
プール完備必須の高級住宅街で夏の暑い季節に、自動撮影カメラを搭載したドローンを100軒くらいの上空を飛ばせば、1軒くらいそういった場面を撮影できるのではないか。
覗き撮影が趣味の一つなら、射撃が趣味だという人もいるだろう。
合法銃器も非合法銃器もあふれているブラジルのことだ。
庭に歓迎しない盗撮物体が現れたらためらいもなく撃ち落としてやるぞと、いつ現るとも知らぬドローンを待ち受けて銃に弾を込めて手ぐすね引いて息巻くガンマニアもいるのではないか。
リオデジャネイロのファベラ(スラム街)で警察と犯罪組織の銃撃戦があったとき、上空を飛ぶ警察のヘリコプターを地上から狙撃する事件が起きたから、そのミニチュア版だ。
先住民(インジオ)だったら弓矢で射落とすだろう。
銃や弓矢がなくても、不埒な侵入飛行物体にパチンコやダーツや投網や投槍や石ころや水鉄砲など何でも手元のものを投げつけたくなるかもしれない。
手頃な標的、といった感じなのだ。
"殺人凧 vs ドローン" 安っぽい映画のタイトルのようであるが、ブラジルの冬の風物詩というか、困りものの、ガラス粉を糸に着けて武装した凧とドローンの手に汗握る空中戦もきっと楽しめることだろう。
塀の中にいる連中が禁止されている物を持ち込むのに伝書鳩とか猫とかいろいろ悪知恵を働かせるのだが、ドローンは便利な運び屋になりそうである。
ドローンを使って爆薬を運ぶ銀行強盗なんかも誰かが考えつくかもしれない。
いろいろな趣味や犯罪の対象になりそうなブラジルのドローンである。
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