2020年9月27日

チーズと味噌醤油の東西対決

モッツァレラ = it. mozzarella = po. mozarela / muçarela / mussarela もちろん原語はイタリア語であり、ポルトガルでは一番目の綴りが使われるようだが、ブラジルでは表記のゆらぎが多い。 ボッコンチーニ = it. bocconcini この単語を今まで知らなかった。 ブラジルではあまり使われないような気がする。 それとも私がイタリアの食物に疎いのか。 インターネットラジオOTTAVAのプレゼンター島田優理子(Yuriko Shimada)さんはチーズが大好きということである。 一体どのくらい好きなのか。 歌の勉強のためイタリアに滞在したときの、ホテルの朝食について話してくれた。 テーブルに「水槽みたいなの」が置いてあって、「白い濁った水」で「なにこれ」と最初は気味悪かった。 中に丸い小粒のモッツァレラ(ボッコンチーニ)が沈んでいることがすぐに判明してからは、穴の空いたお玉一杯にすくって、イタリア人も呆れるほど大量を大皿に入れて毎日食べまくったそうである。 確かにブラジルの店やスーパーでも、高級品である水牛の乳から作ったモッツァレラが、白っぽい液体に漬かった瓶入りやパック詰めで売られている。 最近行ってないがクラブの食堂では、液体漬けではなく、生やドライトマトと一緒にバジルとオリーブオイルで和えた一品がよく出ていた。 日本だったら星の数ほどもあるスナック菓子やせんべい・あられ類、水気が多い塩味ならば塩辛とか色々種類が多いが、こちらで手軽な酒のつまみといったら、というか、いつも家の冷蔵庫に入っているものといえば、チーズとオリーブの実がすぐに思い浮かぶ。 最近うちでは、買い物時にかさばるだけでなく、指に付く油のためPCやスマホと非常に相性が悪いポテトチップスのような塩味揚げ物は一切なくしてしまい、地元産のナチュラルチーズ、ケイジョ・ミナス(queijo minas)をまな板に置いて、ナイフで削ってつまみ食い風に食べることが多い。 オリーブも良いのだが、塩が効きすぎているように思う。 最近はサラミも家の冷蔵庫からは消えている。 ケイジョ・ミナスは土曜の市に行って、毎週1個の半分ごと買っている。 ナチュラルだけあって、一つ一つ大きさが微妙に違うから、量り売りである。 買うたびに塩加減や硬さ、つまり熟成加減も微妙に違うので、極端ではないが時々当たり外れがあったりするのも面白いところではある。 だから2人家族で1月で2個、1人1月(4週間)あたりならば、ちょうど1個を食べることになる。 ケイジョ・ミナスを作るためには直径約20cmの平たい円柱形、いわゆるチーズ形の型枠があって、1個はだいたい1.3kgである。 つまり私達の1年1人あたりチーズ消費量は15.6kgである。 1kgのチーズを作るのにおおよそ10リットルの生乳を必要とするそうだ。 だからこれだけのチーズを食べると、牛乳量で一日443mlつまりコップ2杯を飲むことに相当するだろう。 この量は世界的にみて、どのくらいの位置にあるのだろうか。 少し古いが2011年の国際酪農連合などのデータからトリップ・アドバイザーが作成したグラフで見ると、世界上位20位は、15位イスラエルと19位アメリカ合衆国を除いた残りは、すべてヨーロッパの国々である。 わが家の15.6kgは、17位リトアニア16.1kgと18位ベルギー15.3kgの間になる。 ちなみに日本は同資料によると2.2kgとなっている。 塩味のチーズをたくさん食べるとなると、気になるのは何といっても食塩摂取量である。 チーズの種類によって食塩含有量に差はあるが、ここでは3%とすると、1ヶ月あたり39g、1日あたりでは1.3gの食塩をチーズから摂取している計算になる。 他の食べ物の食塩量を減らせば良いか。。。 塩味の発酵食品の東西対決をしたくなった。 以下味噌と醤油の話は日本のものである。 味噌消費量の全国2014年~2018年の平均値は、5,339グラム。 味噌100g中食塩相当量は12.4gであるから、一日あたり食塩摂取量は1.8グラムとなる。 もう一つの液体塩味調味料である醤油はもっとすごい。 ある醸造所のサイトによると、年間一人あたり醤油消費量は7リットルである。 醤油100gの食塩相当量は14.5gであるから、醤油による一日あたり食塩摂取量は2.8グラムとなる。 さて味噌と醤油はおかずを作るときの調味料であり、それだけを食べたり飲んだりするわけではないが、チーズとなると調味料として使うこともあるが、それ単体を食べることが多いわけで、おかずの調理時には塩や塩ベースの調味料を別途使うことになる。 わが家では味噌も醤油も一回買うと、何年も冷蔵庫に埋もれている。 結局チーズと味噌醤油の対決は、どちらが勝つのかはよくわからなかった。 よく聞く話であるが、食塩摂取量を減らすためには、塩分たっぷりの加工食品を避けた上で、普段の調味になるべく塩を使わないようにすることだろう。 自分で塩分を調整することが難しい外食は、とっくの昔から縁がない。 後にオリーブの実について調べた。 通常よく食べるのはグリーンオリーブの塩漬けである。 廃棄率が25%、これはもちろん種である。 食塩相当量は可食部の3.6%というから、思ったより高くない。 脂質が15%というのは、アボカドの18.7%には及ばないが、やはり高いだろう。

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