2024年2月6日

2024年のキリスト教移動祝日

米国のカーニバルで有名なニューオーリンズのサイトがあって、2060年までのMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。
Mardi Grasとはフランス語で確か「肥えた火曜日」と言う意味だったと思うが、ブラジルでは普通にTerça-feira de Carnaval「カーニバルの火曜日」と呼ぶ日である。
カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけは教会に従っている。
有り体に言えば、謝肉祭というくらいだから、カーニバルで現世の喜びを十分に満悦してから、心置きなく襟を正して四旬節の節制に臨む、という意味をつけられる。
とにかく、キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。

年の後半にある、キリスト教関係で一番有名な日であるクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これはハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)と続く一連であるが、前の2つは祝日ではない―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。
ついでに言うと、ブラジルではハロウィンは子供の学校行事で楽しむくらいで、同じキリスト教といっても外国の行事のようなものである。
もっともインスタ映えや商業主義のために、近い将来どうなっていくかは予想できない。

2024年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2024年ならば3月31日日曜日が、一連の移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2023年より9日早い。
2016年から8年ぶりに復活祭が3月中の、早い日付になる。

復活祭の日付の決定方法について過去の記事に説明した。

待降節(Advento)は、クリスマスに備える期間であるが、その第一日は日曜日に決まっていて、11月30日の「聖アンデレ(Santo André)の日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。
アドベント期間には必ず4つの日曜日が含まれる。
2024年は、12月1日、12月8日、15日、22日の4つの日曜日の後、25日クリスマスは水曜日に当たる。
このように、天体の月の動きによって大幅に日付が前後する、年の前半の移動祝日とは、その決め方が全く異なる。

行事日の決まり方2024年休日種類
カーニバル
Carnaval
週末から灰の
水曜日前日4日間
2月12日,2月13日
月火曜日
PF
灰の水曜日
Quarta-feira de Cinzas
復活祭46日前の水曜日2月14日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日
Domingo de Ramos
復活祭7日前の日曜日3月24日日曜日
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日
Paixão de Cristo
復活祭の2日前の金曜日3月29日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の
満月の次の日曜日
3月31日日曜日
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日5月19日日曜日
キリスト聖体の日
Corpus Christi
復活祭の60日後の木曜日5月30日木曜日PF
ぽつんと年末に孤立
待降節初日
Início do Advento
11月30日に最も近い日曜日12月1日日曜日

ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 上表ではFN)、任意出勤(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意出勤というのは、条例や労使協定によって、地方自治体、職種組合や職場ごとに、休日とするか勤労日とするか決められる。
大部分の勤め人にとっては、普通の休日となることが多いが、商店は営業するところと休むところがある。

2024年2月5日

2024年のブラジルの祝祭日

今週末は早カーニバルなのだが、祝祭日を調べるのにやはりこれを作っておかないと不便だ。
本当は下のリンクをブックマークしておくだけで十分なのであるが。

左派労働者党ルラ政府になったら、省庁の数がかなり増えて30以上あるのだが、そんなにあると中には聞き慣れない名前の省があったりする。
もう大臣ポストを作りたくてどうしょうもないのが見え見えなのだが、ともかくそれは置いておく。

連邦政府の公共サービス運営・革新省(Ministério da Gestão e da Inovação em Serviços Públicos)は、2024年の祝日と任意出勤についての通達PORTARIA MGI Nº 8.617, DE 26 DE DEZEMBRO DE 2023を2023年12月28日付官報に掲載した。
下の表はその中身である。
条文に断っているように、本来の目的は連邦行政官庁や国営企業の休日を定めたものである。

一連のキリスト教関連の移動休日は、2023年より9日早くなる。
たとえば2023年のキリスト受難金曜日は4月7日であったが、2024年は3月29日である。

11月1日Confraternização Universal世界友好の日FN
2,32月12日,13日月火CarnavalカーニバルPF
42月14日Quarta-Feira de Cinzas灰の水曜日14時までPF
53月29日Paixão de Cristoキリスト受難の日FN
64月21日TiradentesチラデンチスFN
75月1日Dia Mundial do Trabalho世界労働の日FN
85月30日Corpus Christiキリスト聖体の日PF
95月31日PF
109月7日Independência do Brasilブラジル独立の日FN
1110月12日Nossa Senhora Aparecidaアパレシーダ聖母の日FN
1210月28日Dia do Servidor Público federal連邦公務員の日PF
1311月2日Finados死者の日FN
1411月15日Proclamação da República共和制宣言の日FN
1511月20日Dia Nacional de Zumbi e da Consciência Negraズンビと黒人自覚の国定日FN
1612月24日Véspera do Natalクリスマスイブ14時からPF
1712月25日NatalクリスマスFN
1812月31日Véspera do Ano Novo大晦日14時からPF
注:FN = Feriado Nacional 国定祝日、PF = Ponto Facultativo 任意出勤
任意出勤とは、職種や企業や自治体によって働くか休むかが決められる日である。
各人が勝手に自分の都合で出勤したり欠勤したりして良いという意味ではない。

さて昨年の連邦政府による祝日一覧と比較して、かなり増えていることがわかる。
16番と18番のクリスマスイブと大晦日の任意出勤は、前年まで表に載っていなかったものの、民間も含めてかなり習慣化されていたものであるが、今回明文化された。

15番のズンビと黒人自覚の国定日は、これまでは州や市によっては祝日であったのだが(例えばサンパウロ)、これからは正式な国定祝日となった。
ズンビとは、語感がゾンビに似ていると思われるかもしれないが全く関係なく、黒人解放運動の英雄の名である。
ルラ政府によるカレンダーの一番の目玉であろう。

意味不明なのが9番である。
官報には何の説明もなく突然、日付と ponto facultativo と書いてあるだけなのだ。
木曜日の祭日と週末の土曜日の狭間を連結して連休を作る意図なのだろうが、全く記述がない。
謎だ。

12番の10月28日(土)は「公務員の日」(Dia do Servidor Público Federal)で、民間は通常日であるが、連邦の官庁は任意出勤(PF)となる。
前年までは存在しなかった「連邦」という単語が加えられた。
州や市の公務員のことなどどうでも良いのだろう。
偉そうにしているのだろうか。
俗語で「すごい」「ひどい」ことを federal と言ったりするのは、この傲慢さのせいなのかと思ったりする。

以上連邦政府が定める当表に載っている全国一円の休日のほかに、各地で市、地方あるいは州の記念日が数日定められていることが多い。

次のサイトで、任意の過去・将来年の、任意の国の休日が入った月齢付きカレンダーを閲覧・印刷できる(英語・ドイツ語・当国語-ブラジルならポルトガル語)。
このリンクはブラジルの2024年