格闘技の話ではない。
ましてやベネズエラ国民やベネズエラの国家が、ブラジルに攻撃を仕掛けたわけではない。
ベネズエラに由来する、ある物体がブラジルを攻撃しているのだ。
8月終わりからブラジル北東部海岸へ原油が漂着するようになって、もう少しで3ヶ月になろうとしている。
最初報道で見たときは浮遊原油による巨大な汚染海域は見られなかったので、すぐに終わるものだろうと思っていた。
しかし一度汚染除去された海岸に再び油が漂着するだけでなく、汚染海岸は範囲を増しながら、このニュースは毎日繰り返されてきた。
しばらく作文を放って置いてから書き足している。
ブラジル北東地方の9州は、海岸線の長短に差があるものの、すべて海岸を持っているが、軒並み原油が到来した。
そして南側の原油汚染到達最遠部は、ブラジル南東地方に入り、エスピリト・サント州を越えて、リオ・デ・ジャネイロ州北部まで届いたと先ほどのニュースは言っていた。
結局11州の160以上の郡市にまたがる720地点以上が汚染地点となった。
11月下旬になって、時々以前の場所への汚染の戻りがあるものの、海流のため汚染原油の到達地はより遠くに、また広域に拡散されたため一つの地点での汚染量は少なくなっている。
11月22日のニュースでは、手のひらにのせた豆粒大の原油塊を7~8個見せてくれた。
ブラジルを襲った原油汚染の様相について考える。
水や海水に油を落とすところを想像してみよう。
普通、水面に薄く広がる油膜を思い浮かべる。
しかし最近ブラジル北東部海岸に漂着した油は、オリーブオイルのようなさらりとしたものではなく、原油、それも超重質である。
これを形容するのにどういう喩えを使ったら良いのかわからず、少し調べた。
コールタールはその英語綴り(coal tar)を見たらわかるように、石炭からできるものである。
私の記憶では、粘度は高いがどちらかというと液体であって、刷毛で物の表面に塗ることができるだろう。
もしかしたらクレオソートと混同しているかもしれない。
一方、道路を舗装するアスファルト(asphalt)は、コールタールと似ているが、石油からできるもので、道路が液体だったら困るから、灼熱の日でなければ、常温で固体のはずである。
ブラジルを困らせているのは、粘度が両者の中間的に見える。
原油塊を手で掴んで海岸を清掃するボランティアの作業動画をみると、粘体の水飴のような硬さである。
液体より固体に近い。
なおこの粘体に直接触れると毒性があることがわかってきてからは、手袋・マスクなどを着用するよう注意が出された。
事態を重く見た連邦政府は軍隊を動員して汚染原油除去を行い、海軍の艦船や航空機は沖から汚染監視を行うようになった。
ベネズエラの超重質原油は、その国土を流れる南アメリカの大河、原油を産出するオリノコ川の名をとって、オリノコ・ウルトラヘビーとか言うらしい。
強そうな名前だ。
このウルトラヘビーがどれだけ重いかというと、蒸留するときに軽質油を加えて流動性を高める必要があるくらいである。
重質原油しか生産しない国は、精製のために軽質油を輸入しなければならないし、そもそもアスファルトのような重い成分が余るのに対して、沸点の低い揮発性の高いガソリンとかケロシンとかの、商品価値の高い成分が足りないと輸入の必要性は高まる。
海洋の海面近くの海水温は、当然気温に近い。
熱帯の海水温は高いので、その密度は小さい。
一方海洋の深海の水温は、日光の熱がほとんど届かない場所だから、どこの気候帯でも総じて低く、密度は高いはずである。
海流や風の影響で、海水中に水温の異なる層がはっきり分かれることがあるらしい。
熱帯の海洋の垂直温度分布を模した、密度が完全に異なって混じり合わない2つの液体層からなるビーカーに問題の原油を入れてやると、どろりとした原油は浮くでもなく沈むでもなく、2つの層の境界に浮かぶように留まるのだ。
飛行機などで上空から、深度の深い沖合を観測したときに原油塊を確認できないのに、岸に接近すると海水層の厚さが減るので、明るい海底の色とのコントラストが真っ黒な原油を浮かび上がらせることになる。
それがゲリラ的に原油塊が突然出現する理由と思われる。
原油塊が水面に浮かばない間は、浮かぶ油層を取り囲み拡散を防ぐオイルフェンスも使えないので、沖合で汚染を拡散前に一網打尽することもできない。
攻撃してくるのはベネズエラ産ウルトラヘビーなのだが、それを撒き散らした原因はいわゆるブラックシップや海賊船ではなく、ギリシャ船籍のタンカーであることが解明して国際的な調査が進行中である。
観察された原油の拡がり方から過去をシミュレートして推定した時期と海域を通過した、ベネズエラから原油を積み込んだ船を絞り込んだ結果である。
船主は自分の船であるわけがないと言って責任を逃れようとしているが、どのような成り行きになるかが注目される。
原油の国際価格の標準の一つはアラビア湾岸産の原油、アラビアン・ライト(Arabian Light Crude Oil)であると聞いたことがある。
昔の話である。
今の今まで「北海ブレンド」とは、北海産の原油をコーヒーのようにブレンド(blend)したものかと想像していたのだが、それは間違いで、(北海の)ブレント産原油(Brent Crude Oil)ということだ。
北海産のいくつかの原油をブレンドしたものというのもあって、これこそがBrent Blendとなる。
時代と共に前者から後者へ指標油種は変わった。
オリノコ・ウルトラヘビー原油(Orinoco ultra-heavy crude oil)は、名前だけは強そうだが、いや本当に環境に与えるダメージは大きいのだが、商品価値となるとこれらの油種よりかなり低そうである。
日本商品先物振興協会の原油の商品特性を見た。
原油の軽重(比重)によって、超軽質から超重質の区分がある。
原油からの製品で価値が高いのは、軽質の区分である。
硫黄・硫化水素の多少によって、サワー(すえた)原油(含有量が多い)とスイート(あまい)原油(含有量が少ない)の区別がある。
味覚の好みはもちろん人それぞれだが、原油に使われる意味では間違いなく、甘味は酸味より優れている。
2019年11月24日
2019年11月21日
フラメンギスタのリマ巡礼
11月となると、ブラジレイロン(Brasileirão)と呼ばれるフットボール(サッカー)のブラジル選手権(Campeonato Brasileiro)が終盤にかかっているが、2019年はフラメンゴ(Clube de Regatas do Flamengo)が断トツ1位を走っている。
クラブの正式名からわかるように、元々はレガッタのクラブから発したようだ。
フラメンゴはリオ市内の海岸の地名である。
燃える理由はブラジレイロンだけでなく、アルゼンチンの名門リーベル・プレート(正式名はクルブ・アトレティコ・リーベル・プレート Club Atlético River Plate)とリベルタドーレス(南米クラブ選手権)の決勝を戦う日が近づいている。
2019年11月23日、今週の土曜日である。
当初この決勝戦はチリの首都サンティアゴで行われる予定だった。
しかし、確か数円か数十銭の地下鉄運賃値上げから発して拡大暴徒化している反政府デモのために、世界環境会議開催地もこの都市からスペイン・バルセロナに変更されて、環境少女グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)が再び飛行機を使わないでどうやって大西洋を越えるか困る状況に陥ったのだった。
この子は、キロメートル・人だったか、距離と輸送重量の積の単位当たりで計算すると飛行機の燃費が非常に優れることを聞いていないのだろうか?
グレタ少女のことはともかく、同じような目にあった人が数千人いるのである。
リベルタドーレスの決勝戦がチリのサンティアゴからペルーのリマへ変更されて、航空券の変更手配や、その他、主にバスでの陸路旅行計画に右往左往するフラメンゴのサポーター、フラメンギスタ(flamenguista)である。
この有名なチームがリベルタドーレスに優勝することになったら38年ぶりだというので、連中は苦労しながらも旅行準備に嬉々としている。
スペインのサンティアゴ(Santiago de Compostela)は巡礼で有名だが、チリのサンティアゴ(Santiago de Chile)ならぬペルーのリマで願いが実現する瀬戸際なのだ。
ブラジルからサンティアゴへ応援しに行く予定だった数千人、アルゼンチンの敵チームの連中も含んだら、ことによると数万人の目的地が土壇場でリマになったのである。
記憶に間違いがなければサンパウロからサンティアゴへ国際バス定期便があったはずだか、リマへ路線バスが出ているという話は聞いたことがない。
飛行機はかなり臨時便が出ていると思うが、バスを借り切るグループも多い。
南アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が異なる点がいくつかある。
ヨーロッパ大陸のように、鉄道や道路で容易に隣国へ渡れるところばかりではない。
南アメリカ大陸は大きな盆地のようで、内陸に広大な熱帯雨林(北の方)や乾燥地帯(南の方)があり、人口密度が極めて低く、陸上交通の便が悪いし、水上(河川)交通は時間がかかりすぎる。
一つ一つの国土が欧州より大きい。
旅客列車が走れる鉄道網は皆無で、網が粗い道路網は保守が悪い。
だから南米大陸は海岸沿いで行ける縦断はともかく、横断を陸路で行うのは相当覚悟が必要だ。
ブラジルとペルーは隣国だが、道は遠い。
飛行機の直行便が取れなかった人や、貸し切りバスで移動する人のルートを南アメリカ地図上で見ると、いずれも大迂回の大旅行なのである。
陸路の最短距離を取ろうとするとボリビアを横断しなければならないが、現在大統領選挙結果が疑問視されて混乱しているこの国を避けて旅行しなければならない。
こんな目的の長距離旅行をすることは自分にはないだろうが、面白いのでニュースで紹介されたいくつかのルートを記録する。
陸路は5千キロないし6千キロの距離がある。
当然だが心の洗われる巡礼の後には、みんな帰ってこなければならない。
貸切バスの人たちは往復料金だから、余分な金を払う気がなければ、嫌になっても帰りもバス旅である。
興味のある人は次の動画を見ると良い(2019/11/18放送、ポルトガル語約3分、前に宣伝あり)
既にペルーのリマへ向かっているフラメンゴのサポーター
Torcedores do Flamengo já estão a caminho de Lima, no Peru
クラブの正式名からわかるように、元々はレガッタのクラブから発したようだ。
フラメンゴはリオ市内の海岸の地名である。
燃える理由はブラジレイロンだけでなく、アルゼンチンの名門リーベル・プレート(正式名はクルブ・アトレティコ・リーベル・プレート Club Atlético River Plate)とリベルタドーレス(南米クラブ選手権)の決勝を戦う日が近づいている。
2019年11月23日、今週の土曜日である。
当初この決勝戦はチリの首都サンティアゴで行われる予定だった。
しかし、確か数円か数十銭の地下鉄運賃値上げから発して拡大暴徒化している反政府デモのために、世界環境会議開催地もこの都市からスペイン・バルセロナに変更されて、環境少女グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)が再び飛行機を使わないでどうやって大西洋を越えるか困る状況に陥ったのだった。
この子は、キロメートル・人だったか、距離と輸送重量の積の単位当たりで計算すると飛行機の燃費が非常に優れることを聞いていないのだろうか?
グレタ少女のことはともかく、同じような目にあった人が数千人いるのである。
リベルタドーレスの決勝戦がチリのサンティアゴからペルーのリマへ変更されて、航空券の変更手配や、その他、主にバスでの陸路旅行計画に右往左往するフラメンゴのサポーター、フラメンギスタ(flamenguista)である。
この有名なチームがリベルタドーレスに優勝することになったら38年ぶりだというので、連中は苦労しながらも旅行準備に嬉々としている。
スペインのサンティアゴ(Santiago de Compostela)は巡礼で有名だが、チリのサンティアゴ(Santiago de Chile)ならぬペルーのリマで願いが実現する瀬戸際なのだ。
ブラジルからサンティアゴへ応援しに行く予定だった数千人、アルゼンチンの敵チームの連中も含んだら、ことによると数万人の目的地が土壇場でリマになったのである。
記憶に間違いがなければサンパウロからサンティアゴへ国際バス定期便があったはずだか、リマへ路線バスが出ているという話は聞いたことがない。
飛行機はかなり臨時便が出ていると思うが、バスを借り切るグループも多い。
南アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が異なる点がいくつかある。
ヨーロッパ大陸のように、鉄道や道路で容易に隣国へ渡れるところばかりではない。
南アメリカ大陸は大きな盆地のようで、内陸に広大な熱帯雨林(北の方)や乾燥地帯(南の方)があり、人口密度が極めて低く、陸上交通の便が悪いし、水上(河川)交通は時間がかかりすぎる。
一つ一つの国土が欧州より大きい。
旅客列車が走れる鉄道網は皆無で、網が粗い道路網は保守が悪い。
だから南米大陸は海岸沿いで行ける縦断はともかく、横断を陸路で行うのは相当覚悟が必要だ。
ブラジルとペルーは隣国だが、道は遠い。
飛行機の直行便が取れなかった人や、貸し切りバスで移動する人のルートを南アメリカ地図上で見ると、いずれも大迂回の大旅行なのである。
陸路の最短距離を取ろうとするとボリビアを横断しなければならないが、現在大統領選挙結果が疑問視されて混乱しているこの国を避けて旅行しなければならない。
こんな目的の長距離旅行をすることは自分にはないだろうが、面白いのでニュースで紹介されたいくつかのルートを記録する。
- 国内線2つを国境陸路越えで結ぶ
Rio de Janeiro-RJ -(飛)-> Rio Branco-AC -(チャーター車で国境越え)-> ペルーPuerto Maldonado -(飛)-> Lima
車で国境越えと簡単に言っても今見たら570キロもあるでないか、多分1日旅程 - 全行程貸切バスのボリビア南迂回ルート
Rio de Janeiro-RJ -> Foz do Iguaçu-PR -> アルゼンチン国土通過 -> チリ国土通過 -> ペルー入国 -> Lima
一番道路状況が良さそうな陸路
でも月曜日出発でリマ到着は金曜日予定、つまり5日の旅 - 全行程空路
ペルーに比較的近い内陸部に住んでいるから、航空運賃が多少安くなるのではないかと思うと裏切られる
直行ルートがないので地図を見るとぐるっと半回転して距離を稼いでいる
Palmas-TO -> São Paulo-SP -> Foz do Iguaçu-PR -> Lima
- 全行程貸切バスのボリビア北迂回ルート
Rio de Janeiro-RJ -> São Paulo-SP -> Campo Grande-MS -> Cuiabá-MT -(やっとこの辺りが旅程の中間)-> Porto Velho-RO -> Rio Branco-AC -(ブラジル・ペルー国境)-> Puerto Maldonado -> Cusco -> Nazca -> Lima
悪路に立ち向かうこのグループは既に昨土曜日にリオを発っているから、7日がかりの楽しいバスの旅である
陸路は5千キロないし6千キロの距離がある。
当然だが心の洗われる巡礼の後には、みんな帰ってこなければならない。
貸切バスの人たちは往復料金だから、余分な金を払う気がなければ、嫌になっても帰りもバス旅である。
興味のある人は次の動画を見ると良い(2019/11/18放送、ポルトガル語約3分、前に宣伝あり)
既にペルーのリマへ向かっているフラメンゴのサポーター
Torcedores do Flamengo já estão a caminho de Lima, no Peru
2019年10月26日
酒場テロと放射能雑貨
こんなものを見つけた。
時々通う道筋にある看板を、走るバスの中から撮ったので、写真は斜めになったり残念な出来だが、見れば何かわかる。

このビン・ラディンはもちろん、あの人の名前である。
しかしこの看板は一杯飲み屋、こちらでバール(bar)と呼ばれる、多くの人が大好きな、楽しい場所のはずである。
アルカイダの活動が激しかったあの頃につけられた名前であろうか。
でもこの看板は最近までここになかったから、どこかから引っ越してきたのかもしれない。
「飢餓に対抗する恐怖」と、下に書いてある。
飢餓にとっての恐怖、飢餓をやっつける恐怖、ということか。
横の方に「冷えたビール」、「つまみ一品」とか書いてある。
このようなところでは、料理に店名にちなんだ名前を付ける例があるから、品書きを見てみたいものである。
昔住んでいたところには、Chernobyl「チェルノブイリ」という名前の雑貨屋があった。
放射線処理した品物を売っているのかと思ったりしたが、当然そんなはずはなく、単にニュースで有名になった、当時ソビエト連邦にあった地名が気に入ったので命名したものだろう。
ポルトガル語ではChernobilと綴るのだが、上にように英語綴りでiの代わりにyとなっていたので、そのエキゾチック趣味がうかがわれる。
人々の記憶に残るこれらの事件について、発生した日付を書いておこう。
チェルノブイリ原子力発電所事故 1986年4月26日
アメリカ同時多発テロ事件 2001年9月11日
ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害 2011年5月2日
時々通う道筋にある看板を、走るバスの中から撮ったので、写真は斜めになったり残念な出来だが、見れば何かわかる。

このビン・ラディンはもちろん、あの人の名前である。
しかしこの看板は一杯飲み屋、こちらでバール(bar)と呼ばれる、多くの人が大好きな、楽しい場所のはずである。
アルカイダの活動が激しかったあの頃につけられた名前であろうか。
でもこの看板は最近までここになかったから、どこかから引っ越してきたのかもしれない。
「飢餓に対抗する恐怖」と、下に書いてある。
飢餓にとっての恐怖、飢餓をやっつける恐怖、ということか。
横の方に「冷えたビール」、「つまみ一品」とか書いてある。
このようなところでは、料理に店名にちなんだ名前を付ける例があるから、品書きを見てみたいものである。
昔住んでいたところには、Chernobyl「チェルノブイリ」という名前の雑貨屋があった。
放射線処理した品物を売っているのかと思ったりしたが、当然そんなはずはなく、単にニュースで有名になった、当時ソビエト連邦にあった地名が気に入ったので命名したものだろう。
ポルトガル語ではChernobilと綴るのだが、上にように英語綴りでiの代わりにyとなっていたので、そのエキゾチック趣味がうかがわれる。
人々の記憶に残るこれらの事件について、発生した日付を書いておこう。
チェルノブイリ原子力発電所事故 1986年4月26日
アメリカ同時多発テロ事件 2001年9月11日
ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害 2011年5月2日
2019年10月20日
今年も馬鹿なままのAndroid
毎年この時期にはブラジルの夏時間入りについて書くのが定例となっていたのだが、今年はそれはない。
今年の4月に出た政令(大統領令)によって廃止されたからである。
政令の骨子、というかほとんど全体であるが、ここに書いておく。
2019年4月25日政令9772号
なぜブラジル(中西部・南東部・南部の3つの地方)で夏時間は廃止されたのか。
夏時間の目的であった電力節約を、時代とともに変わってきたブラジル人の生活様式、一つ例をあげれば家庭でのエアコン使用の普及によって、達成することができなくなったからである。
また別の大統領が夏時間復活させる可能性はゼロではないが、目的達成ができないのなら利点ゼロに対して、わざわざ反対意見の多い夏時間を復活させる意味は全く無いだろう。
ブラジルの他の2つの地方、北部と北東部は、低緯度のため、もともと夏時間は存在しない。
そんなわけで、今年は10月の第三土曜日の翌日の日曜日に、ネットワークにつながっていない家中の時計、カメラ、電話を1時間早める恒例儀式がなくて楽々だ、と思ったのだがそうではなかった。
Windowsより馬鹿なAndroidというテーマで書いたのは1年前だったが、実は今年になってもWindowsは、上に引用した今年4月、つまり6ヶ月前に発効した政令を賢く覚えていたのに、Androidは馬鹿なまんま、昨年と全く同じように勝手に要らぬ知ったかぶりおせっかいをして、10月の第三土曜日から日曜日に変わる瞬間に機器の時計を1時間進めてしまったのだ。
スマートフォンの設定をいろいろいじってみて、結局スマホの位置情報を使うと思われるタイムゾーン自動設定をオフにして、手動でUTC-3地帯の都市を選択した。
インターネットで検索したら、Googleが先週金曜日10月18日に、スマホの時刻自動設定を切るようにユーザーに勧める内容のブログを発表したそうである。
そんなもの誰が見るのか?
いや見る人は当ブログよりずっとずっと多いだろうが、アンドロイド・スマートフォンを使う人はそれ以上に多いから、今朝になってあたふたした人も、わが家の2人だけはないはずである。
結論:アンドロイドとその開発者Googleは、前年の不具合の経験を生かしきらず、今年になっても馬鹿なままである。
今年の4月に出た政令(大統領令)によって廃止されたからである。
政令の骨子、というかほとんど全体であるが、ここに書いておく。
2019年4月25日政令9772号
- 第1条 国家の領土で夏時間は終了される。
- 第2条 以下は廃止される:(以前の25の政令リストが続く)
- 第3条 本政令は公布の日から効力を発する。
なぜブラジル(中西部・南東部・南部の3つの地方)で夏時間は廃止されたのか。
夏時間の目的であった電力節約を、時代とともに変わってきたブラジル人の生活様式、一つ例をあげれば家庭でのエアコン使用の普及によって、達成することができなくなったからである。
また別の大統領が夏時間復活させる可能性はゼロではないが、目的達成ができないのなら利点ゼロに対して、わざわざ反対意見の多い夏時間を復活させる意味は全く無いだろう。
ブラジルの他の2つの地方、北部と北東部は、低緯度のため、もともと夏時間は存在しない。
そんなわけで、今年は10月の第三土曜日の翌日の日曜日に、ネットワークにつながっていない家中の時計、カメラ、電話を1時間早める恒例儀式がなくて楽々だ、と思ったのだがそうではなかった。
Windowsより馬鹿なAndroidというテーマで書いたのは1年前だったが、実は今年になってもWindowsは、上に引用した今年4月、つまり6ヶ月前に発効した政令を賢く覚えていたのに、Androidは馬鹿なまんま、昨年と全く同じように勝手に要らぬ知ったかぶりおせっかいをして、10月の第三土曜日から日曜日に変わる瞬間に機器の時計を1時間進めてしまったのだ。
スマートフォンの設定をいろいろいじってみて、結局スマホの位置情報を使うと思われるタイムゾーン自動設定をオフにして、手動でUTC-3地帯の都市を選択した。
インターネットで検索したら、Googleが先週金曜日10月18日に、スマホの時刻自動設定を切るようにユーザーに勧める内容のブログを発表したそうである。
そんなもの誰が見るのか?
いや見る人は当ブログよりずっとずっと多いだろうが、アンドロイド・スマートフォンを使う人はそれ以上に多いから、今朝になってあたふたした人も、わが家の2人だけはないはずである。
結論:アンドロイドとその開発者Googleは、前年の不具合の経験を生かしきらず、今年になっても馬鹿なままである。
2019年10月15日
ブラジルは53カ国で一番の公務員天国
調査によると、公務員は民間企業の労働者の2倍の給料をもらう
Servidores públicos recebem o dobro do que trabalhadores de empresas privadas, diz estudo
2019/10/09 G1 Jornal Nacional
今日は「公務員は楽なのに稼げる」という、どこででも聞けそうな話である。
仕事が楽かどうかはなんとも言えないが、稼げるというのは本当である。
ただしブラジルの話である。
世界銀行が53カ国で調査した結果である。
ブラジルは国内総生産の10%を連邦、州、市の公務員給料に費やしている。
そして連邦の行政府の公務員の人件費は2008年から2018年の10年間でインフレ率より25.9%も増加した。
他の国も同様に公務員にはカネがかかるものだというのならまだ許せよう。
しかし、連邦公務員は民間部門の約2倍(+96%)稼いでおり、この差は調査した53カ国の中で最大であるという結果は、我慢ならない不公平さである。
ブラジルでは公務員の44%が1万レアル以上、22%が1万5千レアル以上、11%が2万レアル以上の月給をもらっている。
ちなみに現在の国定の最低給料(月給)は998レアルである。
世界銀行はこの解決策として、まあ誰でも思いつく策ではあるが、近年に給料調整を受けた公務員の給料金額の一時的凍結、キャリア初めの新任公務員の給料額削減、及び職務の整理をあげている。
ブラジル公務員連盟長という、ブラジル公務員の労組の親方みたいな立場の人が、この処方に関する意見を聞かれて、「もしも給料額凍結をするのなら公共サービスの質は落ちて、もし解雇するならば公共サービスの数量が減ることになる」と、仕事の効率化のような努力改善要因を全く無視した、内容が馬鹿なだけでなく、国民への脅しとも取れるような腹の立つ回答をしていた。
そこで左派の政府であったならまずやらないだろうと思われる行政改革を、現在の右派の連邦政府の財務省は、公務員の身分保障と新公務員の契約形態を民間と似た形に変更する計画を携えて臨んでいる。
「他の国と比較してブラジルは相対的に高い人件費を費やしているのに、社会にとって基本的な分野での結果が伴わない。この認識を変えなければならない」と、財務省の脱官僚化局長は、自分も役人ではあるがそのように説明する。
最大の予算を持ち責任も大きい連邦政府は、さすがに給料遅配という話は聞かないが、連邦を構成する27州のうち20州は資金不足のため州公務員の給料遅配が起きたことがあるか現在起きている。
ブラジル国民の心情としては、年金改革より先に、この行政改革がまず必要なのではないか。
Servidores públicos recebem o dobro do que trabalhadores de empresas privadas, diz estudo
2019/10/09 G1 Jornal Nacional
今日は「公務員は楽なのに稼げる」という、どこででも聞けそうな話である。
仕事が楽かどうかはなんとも言えないが、稼げるというのは本当である。
ただしブラジルの話である。
世界銀行が53カ国で調査した結果である。
ブラジルは国内総生産の10%を連邦、州、市の公務員給料に費やしている。
そして連邦の行政府の公務員の人件費は2008年から2018年の10年間でインフレ率より25.9%も増加した。
他の国も同様に公務員にはカネがかかるものだというのならまだ許せよう。
しかし、連邦公務員は民間部門の約2倍(+96%)稼いでおり、この差は調査した53カ国の中で最大であるという結果は、我慢ならない不公平さである。
ブラジルでは公務員の44%が1万レアル以上、22%が1万5千レアル以上、11%が2万レアル以上の月給をもらっている。
ちなみに現在の国定の最低給料(月給)は998レアルである。
世界銀行はこの解決策として、まあ誰でも思いつく策ではあるが、近年に給料調整を受けた公務員の給料金額の一時的凍結、キャリア初めの新任公務員の給料額削減、及び職務の整理をあげている。
ブラジル公務員連盟長という、ブラジル公務員の労組の親方みたいな立場の人が、この処方に関する意見を聞かれて、「もしも給料額凍結をするのなら公共サービスの質は落ちて、もし解雇するならば公共サービスの数量が減ることになる」と、仕事の効率化のような努力改善要因を全く無視した、内容が馬鹿なだけでなく、国民への脅しとも取れるような腹の立つ回答をしていた。
そこで左派の政府であったならまずやらないだろうと思われる行政改革を、現在の右派の連邦政府の財務省は、公務員の身分保障と新公務員の契約形態を民間と似た形に変更する計画を携えて臨んでいる。
「他の国と比較してブラジルは相対的に高い人件費を費やしているのに、社会にとって基本的な分野での結果が伴わない。この認識を変えなければならない」と、財務省の脱官僚化局長は、自分も役人ではあるがそのように説明する。
最大の予算を持ち責任も大きい連邦政府は、さすがに給料遅配という話は聞かないが、連邦を構成する27州のうち20州は資金不足のため州公務員の給料遅配が起きたことがあるか現在起きている。
ブラジル国民の心情としては、年金改革より先に、この行政改革がまず必要なのではないか。
2019年9月2日
あやふやな環境理論に翻弄されるブラジル
誰でも環境の良いところに住みたい、少なくとも自分の住んでいる土地は清浄な環境であってほしい、と願うのは当然である。
その意味では環境問題はローカルである。
今住んでいる町が下水垂れ流し、ごみ収集処理なしで不満だったら、隣町に引っ越しすれば良い。
しかし空気や水は隣町とつながっている。
国際河川だったら数カ国とつながっていることになる。
上流にある国が無責任に水資源を無駄にすると、下流にある国が困る。
中国のPM2.5は、朝鮮半島や日本列島に届くのだろうか?
今にわかに全世界が心配する格好になったブラジルのアマゾニア、あるいは南アメリカの数カ国に渡るアマゾニアが、どうして地球の肺だとか、酸素の源だとか言われるのか。
動物は呼吸によって酸素を取り込んで、生命活動に使うエネルギーを発生する過程で二酸化炭素を排出すると習った。
よろしい、一方的な酸素消費者である。
さて植物は、二酸化炭素を光合成によって炭素源としてエネルギーのもとになる物質を合成して、余剰の酸素を放出する。
しかし植物も生物であって、動物と同じように、酸素を取り入れてデンプンなどを分解してエネルギーを取り出す呼吸によって、二酸化炭素を放出する。
明るい昼間に酸素を生成しても、夜中にそれを消費するのだったら、差引勘定したら酸素量は大したことないのではないか。
もしもアマゾン地方の森林が世界の40%の酸素を供給しているというのなら、アマゾン地方の空気は、動物がたくさんいる地方、例えば大都市と比較して、酸素濃度が非常に高く、それだけ植物が繁茂しているのだったら二酸化炭素濃度などゼロに近くなって当然ではないか?
そして、アマゾン地方で生成された酸素に、例えば放射性マーカーで印をつけて追跡すると、酸素の消費地まで流れていくことが証明されてこそ、アマゾン地方は地球最大の酸素供給地であると肯定できるのではないか?
環境問題でもやもやとした疑惑が収まらないのは、地球温暖化のように過去に誰もやったことのない予測を、方法も前提条件も確立されていない仮定に基づいて積み重ねて行うので、結局時間が立ってその時が来るまで、予測が当たっているかどうかわからないことを、真実であるごとく論じているからだと思う。
そんなことを考えていて検索してみたら、
アマゾンは「地球の肺」ではない。森林火災にどう向き合うべきか
という記事で田中淳夫氏が説明している。
簡単に言えば、成熟した森林では、植物が腐食するときの菌類の活動を考慮に入れるのだから、森林を全体で見ると、酸素も二酸化炭素も出さない・吸収しないというのだ。
そうであるならば、先ごろのG7で話題になったように、諸外国がアマゾンは「地球の肺」だから、全世界が口を出す権利があるというのはおかしな話だ。
ブラジル自国の法律すら破って、自己の利益のためだけに伐採火入れを行う輩は、懲罰を受けなければならないのは自明だが、筋の通らない理屈で難癖をつけて、挙げ句の果てにブラジルのような環境破壊に熱心な国からは、肉や皮革を輸入するわけにはいかない、という制裁に脅かされるのは理不尽だとブラジルが感じるのは当然ではないだろうか。
その意味では環境問題はローカルである。
今住んでいる町が下水垂れ流し、ごみ収集処理なしで不満だったら、隣町に引っ越しすれば良い。
しかし空気や水は隣町とつながっている。
国際河川だったら数カ国とつながっていることになる。
上流にある国が無責任に水資源を無駄にすると、下流にある国が困る。
中国のPM2.5は、朝鮮半島や日本列島に届くのだろうか?
今にわかに全世界が心配する格好になったブラジルのアマゾニア、あるいは南アメリカの数カ国に渡るアマゾニアが、どうして地球の肺だとか、酸素の源だとか言われるのか。
動物は呼吸によって酸素を取り込んで、生命活動に使うエネルギーを発生する過程で二酸化炭素を排出すると習った。
よろしい、一方的な酸素消費者である。
さて植物は、二酸化炭素を光合成によって炭素源としてエネルギーのもとになる物質を合成して、余剰の酸素を放出する。
しかし植物も生物であって、動物と同じように、酸素を取り入れてデンプンなどを分解してエネルギーを取り出す呼吸によって、二酸化炭素を放出する。
明るい昼間に酸素を生成しても、夜中にそれを消費するのだったら、差引勘定したら酸素量は大したことないのではないか。
もしもアマゾン地方の森林が世界の40%の酸素を供給しているというのなら、アマゾン地方の空気は、動物がたくさんいる地方、例えば大都市と比較して、酸素濃度が非常に高く、それだけ植物が繁茂しているのだったら二酸化炭素濃度などゼロに近くなって当然ではないか?
そして、アマゾン地方で生成された酸素に、例えば放射性マーカーで印をつけて追跡すると、酸素の消費地まで流れていくことが証明されてこそ、アマゾン地方は地球最大の酸素供給地であると肯定できるのではないか?
環境問題でもやもやとした疑惑が収まらないのは、地球温暖化のように過去に誰もやったことのない予測を、方法も前提条件も確立されていない仮定に基づいて積み重ねて行うので、結局時間が立ってその時が来るまで、予測が当たっているかどうかわからないことを、真実であるごとく論じているからだと思う。
そんなことを考えていて検索してみたら、
アマゾンは「地球の肺」ではない。森林火災にどう向き合うべきか
という記事で田中淳夫氏が説明している。
簡単に言えば、成熟した森林では、植物が腐食するときの菌類の活動を考慮に入れるのだから、森林を全体で見ると、酸素も二酸化炭素も出さない・吸収しないというのだ。
そうであるならば、先ごろのG7で話題になったように、諸外国がアマゾンは「地球の肺」だから、全世界が口を出す権利があるというのはおかしな話だ。
ブラジル自国の法律すら破って、自己の利益のためだけに伐採火入れを行う輩は、懲罰を受けなければならないのは自明だが、筋の通らない理屈で難癖をつけて、挙げ句の果てにブラジルのような環境破壊に熱心な国からは、肉や皮革を輸入するわけにはいかない、という制裁に脅かされるのは理不尽だとブラジルが感じるのは当然ではないだろうか。
2019年8月31日
アマゾンが熱い
G7に取り上げられてにわかに世界の注目を浴びて、文字通り熱いアマゾンである。
アマゾンという単語であっても、いくつかの意味があるので整理する。
アマゾニア・レガル(Amazônia Legal)-多分、法定のアマゾン圏(地方)という意味だろう。
ブラジルに住んでいてもアマゾニアからは遠いので、たぶん大多数のブラジル人と同じで本当にどこで何がどれだけ燃えているのか、正直言って想像しづらいところである。
一般的な森林火災の原因を推察してみる。
2.は、特に道路沿いの枯れ草によく見られるもので、アマゾニアから遠いミナス・ジェライス州でも、乾季に車で100キロほど走ると1, 2箇所は道路沿いが燃えていて、慌ててウィンドウを閉めることになるし、濃い煙に突入すると視界がゼロなので危険である。
こういうのを普段から見ているので、ブラジル人はアマゾンが燃えていると言われても、近所の道路沿いの火のようなものかと変に安心してしまって、危機感が湧いてこない。
これがアマゾン火災に対する、ブラジル人と国際社会の感じ方の違いであるように思えるのだ。
3. 乾季になると牧草が枯れてくるのだが、枯れた葉の中にそれほど乾燥していない葉が混じっていて、私が牛であったとしても、あまり食欲がわかない。
牧草の新たな芽吹きのために、延焼を防ぐ防火帯を作って囲み、枯れた牧草に火を付ける。
牧草地は一面黒い焼け野原になるのだが、雨が降ると新葉が芽吹いて、きれいな牧草地が再生する。
だからあまり推薦されない農法なのだが、これをやりたい牧場経営者は多い。
4.が3.と違うのは、既成農牧地でなく、これまで森林だったところが農牧地に変わることであるから、環境ライセンスによってその用途のため許可される必要がある。
5.は農牧目的の利用が禁止されているのに関わらず強行するのだから。当然一番悪質である。
原生林の中に元々育っていた商品価値の高い木材で儲けてから、焼き払った広野に牧草の種を蒔いて牛を粗放的に飼育して、手をかけないで再び儲ける形である。
森林の監督であるが、昔は現場にたどり着くための道路などインフラも少なかったし、衛星によるリモートセンシングもなかった。
現在はリモートセンシング技術の発達のため、毎日測定して火災数(foco de queimada 山焼き・焼け跡の中心)の日毎の変化すら発表できるようになっている。
しかし、その火元が上にあげた考えられる原因のどれに当たるのかはリモートセンシングだけでは判別できないだろうし、どのような画像分析アルゴリズムを使うのかまで理解するのは難しいが、測定誤差がかなり大きいようである。
軍隊を消火作業に動員してからのここ数日は、火災数が昨年並みに減少してきて、一昨日は去年の数字を下回って「やればできる子」でないかと思ったのだが、昨日(約1200)は一昨日(約600)の倍に跳ね上がって、ニュースでは測定誤差がかなりあると分析したが、本当にそうだろうか。
ニュース報道のとおりだとすると、火災の原因を区別しないまま、焼失面積に触れずに火災数のみに注目しているだけでは、アマゾニアの火災・伐採について分析的意見を言うことはできないのではないか。
アマゾンという単語であっても、いくつかの意味があるので整理する。
- Rio Amazonas(読みはアマゾナス)-アマゾン川
- Estado do Amazonas-アマゾン州、doと定冠詞がつくのは、「アマゾン川」を指すからだろう
- Amazônia-アマゾン圏
アマゾニア・レガル(Amazônia Legal)-多分、法定のアマゾン圏(地方)という意味だろう。
- アマゾン盆地に属して、アマゾン植生を持つ
- ロライマ、アマパ、アマゾナス、パラ、アクレ、ロンドニア、マト・グロッソ、トカンチンス州及びマラニョン州の西経44度以西
- 約522万平方キロメートル(ブラジル全土の約61%)
- 人口約2300万人(ブラジル全人口の約12.3%)
ブラジルに住んでいてもアマゾニアからは遠いので、たぶん大多数のブラジル人と同じで本当にどこで何がどれだけ燃えているのか、正直言って想像しづらいところである。
一般的な森林火災の原因を推察してみる。
- 強風による枝同士の摩擦や、落雷による自然発火
- 行儀悪いドライバーや乗客が不用意に投げ捨てる吸い殻
- 登録された合法な既成の農牧地に農牧活動の目的で管理された火入れをする
- 登録された正式な農地用途の土地に、正規な伐採をしてから火を入れる
- 森林保護区、インディオ保護区、あるいは所属がはっきりしない土地に侵入して、不法伐採してから不法な野焼きをする
2.は、特に道路沿いの枯れ草によく見られるもので、アマゾニアから遠いミナス・ジェライス州でも、乾季に車で100キロほど走ると1, 2箇所は道路沿いが燃えていて、慌ててウィンドウを閉めることになるし、濃い煙に突入すると視界がゼロなので危険である。
こういうのを普段から見ているので、ブラジル人はアマゾンが燃えていると言われても、近所の道路沿いの火のようなものかと変に安心してしまって、危機感が湧いてこない。
これがアマゾン火災に対する、ブラジル人と国際社会の感じ方の違いであるように思えるのだ。
3. 乾季になると牧草が枯れてくるのだが、枯れた葉の中にそれほど乾燥していない葉が混じっていて、私が牛であったとしても、あまり食欲がわかない。
牧草の新たな芽吹きのために、延焼を防ぐ防火帯を作って囲み、枯れた牧草に火を付ける。
牧草地は一面黒い焼け野原になるのだが、雨が降ると新葉が芽吹いて、きれいな牧草地が再生する。
だからあまり推薦されない農法なのだが、これをやりたい牧場経営者は多い。
4.が3.と違うのは、既成農牧地でなく、これまで森林だったところが農牧地に変わることであるから、環境ライセンスによってその用途のため許可される必要がある。
5.は農牧目的の利用が禁止されているのに関わらず強行するのだから。当然一番悪質である。
原生林の中に元々育っていた商品価値の高い木材で儲けてから、焼き払った広野に牧草の種を蒔いて牛を粗放的に飼育して、手をかけないで再び儲ける形である。
森林の監督であるが、昔は現場にたどり着くための道路などインフラも少なかったし、衛星によるリモートセンシングもなかった。
現在はリモートセンシング技術の発達のため、毎日測定して火災数(foco de queimada 山焼き・焼け跡の中心)の日毎の変化すら発表できるようになっている。
しかし、その火元が上にあげた考えられる原因のどれに当たるのかはリモートセンシングだけでは判別できないだろうし、どのような画像分析アルゴリズムを使うのかまで理解するのは難しいが、測定誤差がかなり大きいようである。
軍隊を消火作業に動員してからのここ数日は、火災数が昨年並みに減少してきて、一昨日は去年の数字を下回って「やればできる子」でないかと思ったのだが、昨日(約1200)は一昨日(約600)の倍に跳ね上がって、ニュースでは測定誤差がかなりあると分析したが、本当にそうだろうか。
ニュース報道のとおりだとすると、火災の原因を区別しないまま、焼失面積に触れずに火災数のみに注目しているだけでは、アマゾニアの火災・伐採について分析的意見を言うことはできないのではないか。
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