ドラえもん、バングラで放送禁止に 「学習の妨げ」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK20006_Q3A220C1000000/
日経web版
単にドラえもんが面白すぎてテレビにかじりつき、子供が勉強しなくなるというのでない。
公用語の問題というのだ。
記事によると、番組はバングラデシュの公用語であるベンガル語でなく、ヒンディー語で放映されているから、子供がヒンディー語で会話するようになるのが社会問題になっていたという。
普通隣の国とは国境問題が起きたり、ブラジルとアルゼンチンのように他の部門、まあフットボールなのだが異常にライバル意識が高まり過ぎたりすることが往々にしてあるのだが、これはバングラデシュとインドである。
ブラジルの公用語はポルトガル語、だからバングラデシュのドラえもんは、ちょうどブラジル国内で隣国の公用語スペイン語で放映されているようなものなのだろう。
それだけで子どもたちが隣国の言葉を話すようになるとは、子供の興味の大きさ、記憶力の良さ、他の娯楽との関連など様々な要因があろうが、驚異的なものだ。
ブラジルの子どもたちが急にスペイン語で会話するようになったら、やはり親や教育者たちは、おかしい、何とかしなければ、と感じるであろう。
ブラジルでメキシコ制作のドラマが放映されていた(そう言えば最近は見なくなった)が、原作のスペイン語をポルトガル語で吹き替えてあった。
バングラデシュのドラえもんが、なぜベンガル語吹き替えをしないのかの理由は、記事では説明していない。
両言語はインド・ヨーロッパ語族のインド・イラン語派に分類されるというから、かなり似ていて、放映局は翻訳吹き替え費用をケチったのであろう。
しかし、これは名案、逆に利用しない手はない。
日本でも子供の人気番組を英語で吹き替えて放映すれば、子どもたちは英語でわけなく会話するようになるだろう。
学校で多数の先生や教材が必要になるわけでなく、対費用効果が高い方法だと思う。
2013年2月21日
2013年2月19日
スーパー店内で宴会
Carrefourはごぞんじの通り、フランス本拠のスーパーマーケットチェーンだ。
日本にも一時進出したことがあったと思うが、日本語ではカルフールと書かれる。
ブラジルでは強引にポルトガル語読みをするので、「カヘフォウル」と言っている。
フランス語でどう読むかは知らない。
店内を歩いていて、酒類売り場でみつけたのが次の写真だ。
なんかおかしい。

拡大写真だ。

スーパー店内で饗宴?
もちろん、従業員の懇親会などではない。
ビール小瓶2本が空になっており、その横にツナ缶詰の食べかけが置いてある。
普通店内には無数の防犯カメラが設置されているが、犯人が制止されたかどうかはわからない。
万引きなどは普通ニュースにもならないが、防犯カメラがあるので万引きが減ったという話は聞かない。
しかしこれは何というか、万引きなのか無銭飲食なのか分類に困るものである。
まあ饗宴というには慎ましすぎるが、場所が場所である。
ブラジルのスーパーマーケットでの行儀作法の上をいっている。
日本にも一時進出したことがあったと思うが、日本語ではカルフールと書かれる。
ブラジルでは強引にポルトガル語読みをするので、「カヘフォウル」と言っている。
フランス語でどう読むかは知らない。
店内を歩いていて、酒類売り場でみつけたのが次の写真だ。
なんかおかしい。
拡大写真だ。
スーパー店内で饗宴?
もちろん、従業員の懇親会などではない。
ビール小瓶2本が空になっており、その横にツナ缶詰の食べかけが置いてある。
普通店内には無数の防犯カメラが設置されているが、犯人が制止されたかどうかはわからない。
万引きなどは普通ニュースにもならないが、防犯カメラがあるので万引きが減ったという話は聞かない。
しかしこれは何というか、万引きなのか無銭飲食なのか分類に困るものである。
まあ饗宴というには慎ましすぎるが、場所が場所である。
ブラジルのスーパーマーケットでの行儀作法の上をいっている。
2013年2月15日
ブラジルで入院したら同室者はワケあり
親戚の者が、事故で入院した。
救急車(ブラジルの救急電話番号は192)は、連邦大学附属病院の救急科(pronto socorro)へ彼を運んだ。
連邦大学付属病院は、Hospital de Clinicasという名で、地域の中心的病院となっている。
主体が連邦政府のために、ブラジルの公的医療保険、スス(SUS - Sistema Único de Saúde 健康統一システム)に対応している。
ブラジルの医療制度は、日本の医療制度と、話に聞く米国の医療制度と比べたら、どちらかと言うと米国のに近いのではないだろうか。
公的保険は原則無料(薬代は病気や薬によって異なるが、無料のものも、保険がきかないものもあるようだ)、だから、無料のものにありがちな、長い待ち時間と僅かな診療時間、古い病院設備、劣悪な環境と言った形容詞がつきがちである。
よくニュースでは、病室が足りなくて、廊下に雑然と置かれたベッドや担架に病人が横たわっている画像が流れる。
報道のたびに批判が起きることによって、状況が少しでも改善していると信じたいものだ。
Hospital de Clinicasは、地域の中心的・代表的(referencial)病院ということで、ススの診療所でふるい分けされた重症者が送られてくる。
救急車は、彼を重傷とみなし、直接大学病院へ運び込んだ。
さて、応急処置が終わっていったん入院したものだが、ここから思案が始まった。
大学病院で入院を続けるか、毎月掛け金を払っている私的(任意)医療保険契約病院へ転院するかだ。
私的医療保険は、当然掛け金額の違いで待遇差が出てくる。
簡単な例は、入院の病室が個室か相部屋かである。
個室だと、けっこう自由に多数の面会客や付添人をつけることができる。
付添人用ソファベッドがあったりする。
相部屋だとこういうわけにはいかない。
件の大学病院はどうか。
廊下がベッドや担架で埋まっている、医療後進地域的状況ではなくて、まずはひと安心した。
病室は3名相部屋、付添人は各人に一名が許され、ベッドの横にリクライニング椅子がある。
部屋にはテレビ一台、冷蔵庫一台があった。
部屋は備品でいっぱいだから、面会は一時に一人だけ、交代で入ることになる。
保険のジレンマというのを聞いたことがある。
保険とは、いざというときに高額な医療費を払えるように、普段から備えるために入るものだ。
健康な人は、医療の必要性が少ないから保険に入る動機が小さい。
病気がちな人は、医療が必要だから、ぜひ保険に入りたい。
だから、保険は病気がちな人が多く加入することになる。
当然保険金は高くなるので、本当に保険を必要とする人、つまりよほどの病気持ちの人しか入らなくなる。
というものだったと思う。
病室についてである。
けがや一過性の病気で、数日とかで確実に退院できるのだったら、少しくらい居心地が悪くてもがまんできるだろう。
保険は安いやつで良い。
しかし、数ヶ月も入院することになったらどうだろうか。
赤の他人との相部屋は、耐えられないと感じる人は多いと思う。
個室に入院する保険プランだと、掛け金は高くなる。
そういう人は公共病院から、金はかかるが居心地が良い私立病院へ転院したくなろう。
待遇の良い医療を得るには莫大な個人負担金がかかる、その意味で、ブラジルの医療制度が米国に近いと思ったわけだ。
さて、私の親戚だ。
家族の者がいろいろ情報を聞きまわった結果、医療の質に関してはどちらも問題なく、というか、さすがに大学病院なので質的に優れるだろう、居心地はまあ期待しないでも良いか、という結論になった。
何よりも知り合いの医師、女性だが、私だったら迷いなく(想定転院先の)私立病院でなく大学病院を選ぶわ、という意見が強く後押しをした。
3人病室の収容患者は、全員男性のけが人である。
ここまでは良い、日本でもよくあることだろう。
しかしここはブラジルだ。
けがの原因を聞くとぶっとぶ。
ひとりはピストルか何かの火器で被弾、もう一人はナイフによる刺傷と、ふたりとも犯罪の被害者だった。
病室には、冷房も扇風機も備え付けがなかった。
暑い日で、私が扇風機を持っていったら、親戚の者だけでなく、ピストルで撃たれた男も喜んでくれた。
ナイフで刺された男は、胸から腹にかけ縦に長く二刺しの重傷で、わずかな訪問時間中、目を開けることはなかった。
救急車(ブラジルの救急電話番号は192)は、連邦大学附属病院の救急科(pronto socorro)へ彼を運んだ。
連邦大学付属病院は、Hospital de Clinicasという名で、地域の中心的病院となっている。
主体が連邦政府のために、ブラジルの公的医療保険、スス(SUS - Sistema Único de Saúde 健康統一システム)に対応している。
ブラジルの医療制度は、日本の医療制度と、話に聞く米国の医療制度と比べたら、どちらかと言うと米国のに近いのではないだろうか。
公的保険は原則無料(薬代は病気や薬によって異なるが、無料のものも、保険がきかないものもあるようだ)、だから、無料のものにありがちな、長い待ち時間と僅かな診療時間、古い病院設備、劣悪な環境と言った形容詞がつきがちである。
よくニュースでは、病室が足りなくて、廊下に雑然と置かれたベッドや担架に病人が横たわっている画像が流れる。
報道のたびに批判が起きることによって、状況が少しでも改善していると信じたいものだ。
Hospital de Clinicasは、地域の中心的・代表的(referencial)病院ということで、ススの診療所でふるい分けされた重症者が送られてくる。
救急車は、彼を重傷とみなし、直接大学病院へ運び込んだ。
さて、応急処置が終わっていったん入院したものだが、ここから思案が始まった。
大学病院で入院を続けるか、毎月掛け金を払っている私的(任意)医療保険契約病院へ転院するかだ。
私的医療保険は、当然掛け金額の違いで待遇差が出てくる。
簡単な例は、入院の病室が個室か相部屋かである。
個室だと、けっこう自由に多数の面会客や付添人をつけることができる。
付添人用ソファベッドがあったりする。
相部屋だとこういうわけにはいかない。
件の大学病院はどうか。
廊下がベッドや担架で埋まっている、医療後進地域的状況ではなくて、まずはひと安心した。
病室は3名相部屋、付添人は各人に一名が許され、ベッドの横にリクライニング椅子がある。
部屋にはテレビ一台、冷蔵庫一台があった。
部屋は備品でいっぱいだから、面会は一時に一人だけ、交代で入ることになる。
保険のジレンマというのを聞いたことがある。
保険とは、いざというときに高額な医療費を払えるように、普段から備えるために入るものだ。
健康な人は、医療の必要性が少ないから保険に入る動機が小さい。
病気がちな人は、医療が必要だから、ぜひ保険に入りたい。
だから、保険は病気がちな人が多く加入することになる。
当然保険金は高くなるので、本当に保険を必要とする人、つまりよほどの病気持ちの人しか入らなくなる。
というものだったと思う。
病室についてである。
けがや一過性の病気で、数日とかで確実に退院できるのだったら、少しくらい居心地が悪くてもがまんできるだろう。
保険は安いやつで良い。
しかし、数ヶ月も入院することになったらどうだろうか。
赤の他人との相部屋は、耐えられないと感じる人は多いと思う。
個室に入院する保険プランだと、掛け金は高くなる。
そういう人は公共病院から、金はかかるが居心地が良い私立病院へ転院したくなろう。
待遇の良い医療を得るには莫大な個人負担金がかかる、その意味で、ブラジルの医療制度が米国に近いと思ったわけだ。
さて、私の親戚だ。
家族の者がいろいろ情報を聞きまわった結果、医療の質に関してはどちらも問題なく、というか、さすがに大学病院なので質的に優れるだろう、居心地はまあ期待しないでも良いか、という結論になった。
何よりも知り合いの医師、女性だが、私だったら迷いなく(想定転院先の)私立病院でなく大学病院を選ぶわ、という意見が強く後押しをした。
3人病室の収容患者は、全員男性のけが人である。
ここまでは良い、日本でもよくあることだろう。
しかしここはブラジルだ。
けがの原因を聞くとぶっとぶ。
ひとりはピストルか何かの火器で被弾、もう一人はナイフによる刺傷と、ふたりとも犯罪の被害者だった。
病室には、冷房も扇風機も備え付けがなかった。
暑い日で、私が扇風機を持っていったら、親戚の者だけでなく、ピストルで撃たれた男も喜んでくれた。
ナイフで刺された男は、胸から腹にかけ縦に長く二刺しの重傷で、わずかな訪問時間中、目を開けることはなかった。
2013年1月28日
ブラジルの集客施設での心がけ
2013年1月27日日曜日の未明、ブラジル最南端州リオ・グランデ・ド・スル州のサンタ・マリア(Santa Maria - Rio Grande do Sul、座標は29°41'11.47"S 53°49'4.80"W)のボアッチ(boate - 英語メディアではnightclubと訳されている)"Kiss"で起きた火災は、死者231名を数える大惨事となってしまった。
報道を見ると、400名くらいが定員のナイトクラブに、1000名ほどの客が入っていたという。
演奏していたバンドが演出に使った信号灯(sinalizador)の火花が、防音材に燃え移り、火災が発生した。
火事に気付いた客が出入口へ向かって避難したが、保安員は最初、勘定の踏み倒しと思ったのだろうか、客に先に勘定を払うように命じて、出入口の解放をしなかった。
出入口のセキュリティ要員は、やがて実際に煙を見て、出入口を解放したが、逃げきれなかった多数の被害者が出た。
非常口と勘違いして、お手洗いに客が殺到したとか、フリーザーに隠れた人がいる、というような証言があった。
死者の死因であるが、防音材の燃焼で発生した有毒性のガスのための死亡が大多数という。
直接火傷によるものや、群衆に踏まれた圧死もあるようであるが、詳しいことはわからない。
州都ポルト・アレグレの大病院の移植用皮膚の在庫ほとんどを、この火災の負傷者のために確保したとか、隣国アルゼンチンが、移植用皮膚を提供する申し出をしたというから、重傷の火傷を負った者が相当数いるのだろう。
サンタ・マリアは菱型をしたリオ・グランデ・ド・スル州の中心にあり、沿岸部、正確には潟湖(せきこ)であるLagoa dos Patos岸の州都ポルト・アレグレ(Porto Alegre - RS)から西方290kmにある。
人口は約27万人(2006)、州中央部の中心都市である。
国境州の中心にあることから、ブラジル帝国時代より軍事・交通の要所であり、そのため公共部門や商業サービス部門が中心となっている。
サンタ・マリア連邦大学をはじめ大学を多数擁し、3万5千(最近)の学生人口を持つ学園都市でもある。
そのためにボアッチの客は、学生や若者が多かった。
http://www.ufsm.br/によると、少なくとも101人の犠牲者がサンタ・マリア連邦大学(Universidade Federal de Santa Maria)の学生だった。
この火災の要因を振り返ってみる。
まず第一に、屋内の閉じられた狭い空間で信号灯を安全に使うことができるのだろうか。
このバンドの売り物の一つが、火を使った派手なショーであった。
これは、pirotecnia「花火製造・打ち上げ術」と辞書に書いてあるが、当然厳格な規則があるという。
第二、ステージで火を使うならば、建築内装は不燃でなければならないはずだ。
もしもこの防音材が不燃性であったら、火災にはつながらなかったであろう。
第三、これだけ多人数が集まることが日常化している場所ならば、多数の非常口があるはずではなかろうか。
報道では、逃避路は一つきりだったようである。
第四、セキュリティ要員の行動である。
喧嘩のような小競り合いが起きると、必ずどさくさに紛れて勘定を踏み倒してしまおうと考える輩がいるのだろう。
保安員は、「火事だ」という叫びを聞いても、誰かが騒ぎに便乗して出口を開けさせようとしているのだと想像して、取り合わなかったのかもしれない。
「火事だ」と騒ぐ客は毎日のようにいるのかもしれない。
実際に火をステージ上で使うバンドがいるならなおさらだ。
ポルトガル語で「火事だ」というとき、わざわざincêndio(火事)と言わずに、単にfogo(火)と言うだろう。
花火はfogo de artifícioあるいはfogo artificialだ。
さすがに、花火も火事も同じ単語を使うから混乱、ということはないだろう。
第五、その他の保安設備だ。
火を使った張本人だったバンドメンバーは、引火を見て、消火器で火を消そうとしたが働かなかった、と証言した。
非常アラームのような保安設備も、酒と踊りと大騒ぎをする場所であるボアッチのことだから、景気をつけようとする軽薄者にいたずらされそうである。
アラームがなっても、「またいつもの空騒ぎ、偽報だよ」と、だれも気にしないことが多いのではなかろうか。
勝手な想像だが、あまり役に立ちそうもない。
大火災や大震災に苦しめられ、もまれてきた日本の建築・施設は災害に対して強固なはずだ。
ブラジルに来た人には、街のあちこちにある建築現場を見てほしい。
もし日本だったら、ごく軽い地震でも崩れ落ちそうだ、と感じるであろう。
実際は軽い地震の起きる地方はあるが、一般的には地震のないブラジルでは、建築基準が当然日本と全く異なる。
当然だが、起きるはずのない地震に備えて、不必要まで太い鉄筋や柱を使って、可用スペースを削って建築コストを上げるはずはない。
リオデジャネイロで突然起きたビルの崩落事故で見られるように、古い建物はそれだけで危ないと思われるのに、店子が勝手に無茶苦茶な改造をして、重要な構造部や保安施設を損ない補修は行わない、というような犯罪的行為もあるだろう。
日本でも「ここまでやっているから絶対安心」の結果が、福島第一であったのだ。
人が集まる施設の保安施設認可は消防署の役割になっているのだが、非常口の設置と案内表示、非常時照明、防災アラーム、消火装置、非常時の連絡周知体制などの根拠となる、法律や条例の技術的基準については、全国的に見なおしして、ブラジル国民に「これなら劇場・映画館やスタジアムやボアッチに行っても大丈夫だ」との安心感を与えてほしいものである。
同様に、歴史的災害からつい最近の大震災まで、大火災や大震災を経験した日本の保安員や客自身は、ブラジル人と比較して格段に防災意識が高い。
一方、ブラジル人は火を焚くのが好きなようである。
今回の火災報道では、ポルトガル語でsinalizador(信号灯)といわれるが、画面をみると花火そのものである。
昨年末のクラブ・ワールドカップで、警備が厳重であろうと思われる日本の横浜スタジアムで、コリンチャンスの応援団が発煙筒を焚いているのを見てかなりびっくりしたのだが、考えてみれば、普通の日本人はスタジアムで発煙筒や花火をつけるなど思いつきもしないだろうから、警備側もそんなことまで気にせず、普段の警備は多少甘くても大丈夫であろう。
スタジアムの発煙筒や花火をみても、「派手で元気があってよろしい」と考える日本人は少数で、大多数は「こんなことして大丈夫だろうか、周りの人が火の粉をかぶるのでないか」と考える。
そうではないのがブラジルだから、心配な人は自衛を考えなければいけない。
といっても、何も難しいことはないと思う。
突然ビルが崩れるようなことはまず起きないと観念して、あとは飛行機の旅行でいつも説明されることを思い浮かべればよいのだ。
飛行機の場合はCAや乗組員の指示に従えばよいのだから、非常事態の重大さはともかく、取りうる行為は限定されるからある意味簡単だが、ひとりあるいは家族や仲間で行動して、人の密集する施設に入る、そうでなくても街を歩くときには、少し考えてみよう。
「非常口はどこにあるか」
誰でもコンサートや映画館では、席に座ったら非常口はどの方向か、表示を確認するだろう。
慎重な人は、実際に開演前に非常口まで歩いてみるだろう。
表示があっても本当に開くのか確かめるのが、より慎重だといえる。
複数の退避路を確認すれば完璧だ。
日本の雑居ビルでも、非常口に物が置かれていて、実際通行不能という事件があったように、ブラジルでもその点は似たり寄ったりだ。
「非常時に酸素マスクが降りたり、不時着時には非常着陸姿勢をとる」
不慮の事故が起きたらどう反応するか、頭のなかで想像してみる。
火災の他にも、停電、スリ、強盗、客や通行人の喧嘩、交通機関の場合は事故・故障などがあるだろうか。
排水施設が貧弱な都市では、にわか雨での道路の冠水なども忘れてはいけない。
単なる停電だったら慌てることはないが、停電が火災によるものだったら大変だ。
そのへんの見極めが実は大変なのだろうが、冷静に行動したい。
レストランでの停電では、闇に乗じて食い逃げしようとする奴がきっと出るから、店員や保安員にそういった連中と間違われないようにしたい。
レストランや銀行などでは、身の回り品のスリや置き引きの他に、強盗が入ってきた場合の対応まで想像しておいたほうが良いだろう。
警察は生命第一、強盗に逆らうな、と喧伝する。
特にボアッチのような酒の入る場合は、客同士の喧嘩もあるが、ブラジルでは火器を使うことがあるから、正義感や男気など出さず、仲裁は保安員に任せたほうが良いだろう。
1月28日昼時点で、バンドメンバー2名とボアッチのオーナー1名が逮捕されて取り調べを受けている。
犠牲者の冥福をお祈りすると共に、事実解明をして将来の安全につなげてほしい。
報道を見ると、400名くらいが定員のナイトクラブに、1000名ほどの客が入っていたという。
演奏していたバンドが演出に使った信号灯(sinalizador)の火花が、防音材に燃え移り、火災が発生した。
火事に気付いた客が出入口へ向かって避難したが、保安員は最初、勘定の踏み倒しと思ったのだろうか、客に先に勘定を払うように命じて、出入口の解放をしなかった。
出入口のセキュリティ要員は、やがて実際に煙を見て、出入口を解放したが、逃げきれなかった多数の被害者が出た。
非常口と勘違いして、お手洗いに客が殺到したとか、フリーザーに隠れた人がいる、というような証言があった。
死者の死因であるが、防音材の燃焼で発生した有毒性のガスのための死亡が大多数という。
直接火傷によるものや、群衆に踏まれた圧死もあるようであるが、詳しいことはわからない。
州都ポルト・アレグレの大病院の移植用皮膚の在庫ほとんどを、この火災の負傷者のために確保したとか、隣国アルゼンチンが、移植用皮膚を提供する申し出をしたというから、重傷の火傷を負った者が相当数いるのだろう。
サンタ・マリアは菱型をしたリオ・グランデ・ド・スル州の中心にあり、沿岸部、正確には潟湖(せきこ)であるLagoa dos Patos岸の州都ポルト・アレグレ(Porto Alegre - RS)から西方290kmにある。
人口は約27万人(2006)、州中央部の中心都市である。
国境州の中心にあることから、ブラジル帝国時代より軍事・交通の要所であり、そのため公共部門や商業サービス部門が中心となっている。
サンタ・マリア連邦大学をはじめ大学を多数擁し、3万5千(最近)の学生人口を持つ学園都市でもある。
そのためにボアッチの客は、学生や若者が多かった。
http://www.ufsm.br/によると、少なくとも101人の犠牲者がサンタ・マリア連邦大学(Universidade Federal de Santa Maria)の学生だった。
この火災の要因を振り返ってみる。
まず第一に、屋内の閉じられた狭い空間で信号灯を安全に使うことができるのだろうか。
このバンドの売り物の一つが、火を使った派手なショーであった。
これは、pirotecnia「花火製造・打ち上げ術」と辞書に書いてあるが、当然厳格な規則があるという。
第二、ステージで火を使うならば、建築内装は不燃でなければならないはずだ。
もしもこの防音材が不燃性であったら、火災にはつながらなかったであろう。
第三、これだけ多人数が集まることが日常化している場所ならば、多数の非常口があるはずではなかろうか。
報道では、逃避路は一つきりだったようである。
第四、セキュリティ要員の行動である。
喧嘩のような小競り合いが起きると、必ずどさくさに紛れて勘定を踏み倒してしまおうと考える輩がいるのだろう。
保安員は、「火事だ」という叫びを聞いても、誰かが騒ぎに便乗して出口を開けさせようとしているのだと想像して、取り合わなかったのかもしれない。
「火事だ」と騒ぐ客は毎日のようにいるのかもしれない。
実際に火をステージ上で使うバンドがいるならなおさらだ。
ポルトガル語で「火事だ」というとき、わざわざincêndio(火事)と言わずに、単にfogo(火)と言うだろう。
花火はfogo de artifícioあるいはfogo artificialだ。
さすがに、花火も火事も同じ単語を使うから混乱、ということはないだろう。
第五、その他の保安設備だ。
火を使った張本人だったバンドメンバーは、引火を見て、消火器で火を消そうとしたが働かなかった、と証言した。
非常アラームのような保安設備も、酒と踊りと大騒ぎをする場所であるボアッチのことだから、景気をつけようとする軽薄者にいたずらされそうである。
アラームがなっても、「またいつもの空騒ぎ、偽報だよ」と、だれも気にしないことが多いのではなかろうか。
勝手な想像だが、あまり役に立ちそうもない。
大火災や大震災に苦しめられ、もまれてきた日本の建築・施設は災害に対して強固なはずだ。
ブラジルに来た人には、街のあちこちにある建築現場を見てほしい。
もし日本だったら、ごく軽い地震でも崩れ落ちそうだ、と感じるであろう。
実際は軽い地震の起きる地方はあるが、一般的には地震のないブラジルでは、建築基準が当然日本と全く異なる。
当然だが、起きるはずのない地震に備えて、不必要まで太い鉄筋や柱を使って、可用スペースを削って建築コストを上げるはずはない。
リオデジャネイロで突然起きたビルの崩落事故で見られるように、古い建物はそれだけで危ないと思われるのに、店子が勝手に無茶苦茶な改造をして、重要な構造部や保安施設を損ない補修は行わない、というような犯罪的行為もあるだろう。
日本でも「ここまでやっているから絶対安心」の結果が、福島第一であったのだ。
人が集まる施設の保安施設認可は消防署の役割になっているのだが、非常口の設置と案内表示、非常時照明、防災アラーム、消火装置、非常時の連絡周知体制などの根拠となる、法律や条例の技術的基準については、全国的に見なおしして、ブラジル国民に「これなら劇場・映画館やスタジアムやボアッチに行っても大丈夫だ」との安心感を与えてほしいものである。
同様に、歴史的災害からつい最近の大震災まで、大火災や大震災を経験した日本の保安員や客自身は、ブラジル人と比較して格段に防災意識が高い。
一方、ブラジル人は火を焚くのが好きなようである。
今回の火災報道では、ポルトガル語でsinalizador(信号灯)といわれるが、画面をみると花火そのものである。
昨年末のクラブ・ワールドカップで、警備が厳重であろうと思われる日本の横浜スタジアムで、コリンチャンスの応援団が発煙筒を焚いているのを見てかなりびっくりしたのだが、考えてみれば、普通の日本人はスタジアムで発煙筒や花火をつけるなど思いつきもしないだろうから、警備側もそんなことまで気にせず、普段の警備は多少甘くても大丈夫であろう。
スタジアムの発煙筒や花火をみても、「派手で元気があってよろしい」と考える日本人は少数で、大多数は「こんなことして大丈夫だろうか、周りの人が火の粉をかぶるのでないか」と考える。
そうではないのがブラジルだから、心配な人は自衛を考えなければいけない。
といっても、何も難しいことはないと思う。
突然ビルが崩れるようなことはまず起きないと観念して、あとは飛行機の旅行でいつも説明されることを思い浮かべればよいのだ。
飛行機の場合はCAや乗組員の指示に従えばよいのだから、非常事態の重大さはともかく、取りうる行為は限定されるからある意味簡単だが、ひとりあるいは家族や仲間で行動して、人の密集する施設に入る、そうでなくても街を歩くときには、少し考えてみよう。
「非常口はどこにあるか」
誰でもコンサートや映画館では、席に座ったら非常口はどの方向か、表示を確認するだろう。
慎重な人は、実際に開演前に非常口まで歩いてみるだろう。
表示があっても本当に開くのか確かめるのが、より慎重だといえる。
複数の退避路を確認すれば完璧だ。
日本の雑居ビルでも、非常口に物が置かれていて、実際通行不能という事件があったように、ブラジルでもその点は似たり寄ったりだ。
「非常時に酸素マスクが降りたり、不時着時には非常着陸姿勢をとる」
不慮の事故が起きたらどう反応するか、頭のなかで想像してみる。
火災の他にも、停電、スリ、強盗、客や通行人の喧嘩、交通機関の場合は事故・故障などがあるだろうか。
排水施設が貧弱な都市では、にわか雨での道路の冠水なども忘れてはいけない。
単なる停電だったら慌てることはないが、停電が火災によるものだったら大変だ。
そのへんの見極めが実は大変なのだろうが、冷静に行動したい。
レストランでの停電では、闇に乗じて食い逃げしようとする奴がきっと出るから、店員や保安員にそういった連中と間違われないようにしたい。
レストランや銀行などでは、身の回り品のスリや置き引きの他に、強盗が入ってきた場合の対応まで想像しておいたほうが良いだろう。
警察は生命第一、強盗に逆らうな、と喧伝する。
特にボアッチのような酒の入る場合は、客同士の喧嘩もあるが、ブラジルでは火器を使うことがあるから、正義感や男気など出さず、仲裁は保安員に任せたほうが良いだろう。
1月28日昼時点で、バンドメンバー2名とボアッチのオーナー1名が逮捕されて取り調べを受けている。
犠牲者の冥福をお祈りすると共に、事実解明をして将来の安全につなげてほしい。
2013年1月23日
生体認証と未来の犯罪
「生体認証が世界に広がる 」
(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121227/447065/?ml)
をみた。
「日本では静脈認証ATMが広がったが、海外の生体認証ATMの大半は、より安価な指紋認証を採用する」とある。
Googleで生体認証を検索して上位に出てくる日本の銀行の生体認証方法は、
指静脈認証 - 三井住友銀行・みずほ銀行・スルガ銀行・ゆうちょ銀行・京都銀行・りそな銀行・京葉銀行・伊予銀行・山形銀行
手のひら静脈認証 - 大垣共立銀行・三菱東京UFJ銀行
ということで、いずれも静脈認証である。
ブラジルはどうか。
ブラデスコ銀行では、「年金受給のための生存確認の手段として」、ATMによる静脈認証を活用している、と記事に紹介されている。
手のひら静脈認証は、血管に血流がないと認証ができないというのは初めて知った。
なるほど、だから生存の証明になるのだ。
手相占いでいう、手のひらのなんとか線というのを使っているのではないようだ。
ブラデスコ銀行員は、「手のひら認証は3D読み取りだから、手のひらを紙にコピーして機械に当ててもだめだよ」などと言っていたので、本当かしら、と疑問が残っていたのである。
血流の有無を機械が認識するということは、3D読み取りというのもあながちホラとはいえないだろう。
つい最近、ブラデスコ銀行の最寄り支店で手のひらパターンを登録したので、ここに書いてみよう。
手のひらパターンを登録する以前は、ATM操作時に、銀行のICカードとchave de segurança(安全キー)とよばれる乱数表が必須だった。
つまり、カードを読み取りスロットに入れてから、各取引の前に乱数表の指定ポジションにある3桁数字のキーを入力して、取引の最後に来る確認段階で数字6桁の暗証番号を入力する必要があった。
一回のセッションで多数の取引をする場合には、暗証番号入力は最初の1回、乱数入力は各取引のたびに異なるポジションを尋ねられる。
早く言えば、かなり面倒だった。
本人確認手段の要素をあげてみよう。
ブラデスコの生体認証のアピールは、カード無しで残高照会と現金引出し、つまりカードレス取引ができるという。
これは普段だけでなく、特に災害でカードを失った場合に貴重だ。
そこで試してみた。
まず現金引出しだ。
カード無し取引のポタンを押した。
すると、支店番号と口座番号の入力を求められる。
もし口座名義人のICカードを読み取りスロットに入れていたら、この情報を手入力する必要はないのだが、カードレス取引をするためには、記憶しておく、あるいはメモしておく必要がある。
支店番号と口座番号の入力が終わると、スキャナーに手を置くように指示される。
手のひらパターンを照合したら、そのあとで暗証番号の入力を求められた。
それから金額入力の段階に入る。
2, 3, 5の要素を使っている。
カードレスであるために、暗証番号確認という要素が加わっている。
現金引出しの後に、残高照会をしてみた。
今度は最初にICカードをスロットに入れた。
取引選択画面が出て、残高照会を選ぶと、そこで手のひらをスキャナーに当てるように指示された。
暗証番号も乱数表も必要なかった。
1と5の要素を使っている。
ICカードと生体認証の2つが、確認要素として十分とみられているわけだ。
ICカードなしで取引ができるということは、生体認証情報はICカード内でなく、銀行のサーバーに保管されているということだ。
銀行は、サーバー内の情報の機密保全には絶対の信任を負い、責任は重大である。
記事に触れられているように、暗号保護されていない生体認証データが漏出すると、これから一切その生体認証方法は使えなくなるからだ。
さて、銀行取引というと、忘れていけないのが犯罪対策である。
生体認証を導入することにより、銀行の偽造カード対策はすすむ。
銀行が窓口対応のみから脱して、ATMを導入した当初は、磁気ストライプカードと4桁の暗証番号だけが認証方法であったと思う。
ATMに細工をして、本来のカード読み取り装置の代わりに、あるいはその前面にカード情報を盗み取る読み取り装置をこっそり取り付ける。
この違法読み取り装置は、俗称で、ヤギの生き血を吸う怪物の名前をとり、シュパカブラ(chupa-cabra)と呼ばれている。
同様に入力キーと操作者の手元を撮影する小型カメラをATMや付近の構造体に取り付ける。
このカメラは暗証番号のキーストロークを盗撮して犯罪者へ送る。
懲りた銀行は、銀行カードをIC化して、さらに認証方法を一つの暗証番号だけに頼るのでなく、さらに要素を加えるようにした。
そのために、暗証番号入力に物理キーボードを使わず、タッチスクリーンでそのたびに数字の配置が変わる動的キーボードを使ったり、従来の暗証番号の他に、もう一つのパスワードの入力を求める方法、乱数表やトークンによるワンタイムパスワードを使い、認証要素を複数化してきた。
生体認証は、カード情報や暗証番号の窃盗に対しては有効だろう。
生きている手のひらがないと認証が成功しないからだ。
手のひら静脈認証の装置を犯罪者がこっそりATMに取り付けて静脈パターンを盗みとり、3Dプリンターを使い、赤インクの静脈パターン入りのシリコンの手のひらを作り上げて、ATMを不法操作するという犯罪例はまだ聞いたことはない。
かなりハードルは高そうだが、いつの日か実現することがあるのだろうか。
しかし現在でも、ATMを使用するときの注意として、ATMに見慣れない装置がついていないか、キーボードが視界に入る場所に穴が開けられていないかなど、普段と様子が違っていないかを観察することを忘れてはならない。
次は強盗対策だ。
カードレス取引ができるということは、強盗にあったときにカードを持っていなくても、理論的には被害に遭う可能性があるということだ。
カードレス取引をしているところを強盗に観察されて顔を覚えられたら、後日銀行から離れた所で、「顔見知りの」強盗に思い出されて、「お前はブラデスコでカード無しで金を引き出していただろう」と難癖付けられる可能性がありそうだ。
以前のカードと乱数表による取引だったら、それらを持っていなければ現金引出しはできずに、銀行から出てきたところでなければ被害に遭うこともなかっただろうに、「この人はカードレス取引をしていた」という事実を知られたばかりに、被害者になることも予想しなければならない。
これでは「銀行出口強盗」どころではない、「どこでも強盗」ではないか。
カードレス取引や手のひら認証をしている場面を、暗証番号入力と同様、できるだけ人に見られないようにすることが必要だろう。
まあこれからは手のひらを登録した銀行顧客が大多数になるだろうから、そんな心配は無用かもしれないが。
でも、普段から用心、これまで通り、「機械に覆いかぶさるようにして」できるだけ周りの視線を遮断して、ATMを操作するよう心がけよう。
安全な時間と場所を選ぶことも大事だ。
そして、銀行の出入り、ATMの使用時に、辺りに不審者がいないか気をつけることは、従来と同様、十分に注意しなければならない。
本人確認が便利で安全というので安心してはいけない。
未来的テクノロジーによる便利性も、決して安心を与えてくれるものではないのだ。
(http://exame.abril.com.br/tecnologia/noticias/bradesco-comeca-a-abolir-cartoes-em-caixas-eletronicos)
(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121227/447065/?ml)
をみた。
「日本では静脈認証ATMが広がったが、海外の生体認証ATMの大半は、より安価な指紋認証を採用する」とある。
Googleで生体認証を検索して上位に出てくる日本の銀行の生体認証方法は、
指静脈認証 - 三井住友銀行・みずほ銀行・スルガ銀行・ゆうちょ銀行・京都銀行・りそな銀行・京葉銀行・伊予銀行・山形銀行
手のひら静脈認証 - 大垣共立銀行・三菱東京UFJ銀行
ということで、いずれも静脈認証である。
ブラジルはどうか。
ブラデスコ銀行では、「年金受給のための生存確認の手段として」、ATMによる静脈認証を活用している、と記事に紹介されている。
手のひら静脈認証は、血管に血流がないと認証ができないというのは初めて知った。
なるほど、だから生存の証明になるのだ。
手相占いでいう、手のひらのなんとか線というのを使っているのではないようだ。
ブラデスコ銀行員は、「手のひら認証は3D読み取りだから、手のひらを紙にコピーして機械に当ててもだめだよ」などと言っていたので、本当かしら、と疑問が残っていたのである。
血流の有無を機械が認識するということは、3D読み取りというのもあながちホラとはいえないだろう。
つい最近、ブラデスコ銀行の最寄り支店で手のひらパターンを登録したので、ここに書いてみよう。
手のひらパターンを登録する以前は、ATM操作時に、銀行のICカードとchave de segurança(安全キー)とよばれる乱数表が必須だった。
つまり、カードを読み取りスロットに入れてから、各取引の前に乱数表の指定ポジションにある3桁数字のキーを入力して、取引の最後に来る確認段階で数字6桁の暗証番号を入力する必要があった。
一回のセッションで多数の取引をする場合には、暗証番号入力は最初の1回、乱数入力は各取引のたびに異なるポジションを尋ねられる。
早く言えば、かなり面倒だった。
本人確認手段の要素をあげてみよう。
- 口座名義人のICカードを所持している
- 支店口座番号を知っている
- 暗証番号を知っている
- 乱数表を持っていて正しいキーを入力できる
- 本人の手のひらパターンを持っている
ブラデスコの生体認証のアピールは、カード無しで残高照会と現金引出し、つまりカードレス取引ができるという。
これは普段だけでなく、特に災害でカードを失った場合に貴重だ。
そこで試してみた。
まず現金引出しだ。
カード無し取引のポタンを押した。
すると、支店番号と口座番号の入力を求められる。
もし口座名義人のICカードを読み取りスロットに入れていたら、この情報を手入力する必要はないのだが、カードレス取引をするためには、記憶しておく、あるいはメモしておく必要がある。
支店番号と口座番号の入力が終わると、スキャナーに手を置くように指示される。
手のひらパターンを照合したら、そのあとで暗証番号の入力を求められた。
それから金額入力の段階に入る。
2, 3, 5の要素を使っている。
カードレスであるために、暗証番号確認という要素が加わっている。
現金引出しの後に、残高照会をしてみた。
今度は最初にICカードをスロットに入れた。
取引選択画面が出て、残高照会を選ぶと、そこで手のひらをスキャナーに当てるように指示された。
暗証番号も乱数表も必要なかった。
1と5の要素を使っている。
ICカードと生体認証の2つが、確認要素として十分とみられているわけだ。
ICカードなしで取引ができるということは、生体認証情報はICカード内でなく、銀行のサーバーに保管されているということだ。
銀行は、サーバー内の情報の機密保全には絶対の信任を負い、責任は重大である。
記事に触れられているように、暗号保護されていない生体認証データが漏出すると、これから一切その生体認証方法は使えなくなるからだ。
さて、銀行取引というと、忘れていけないのが犯罪対策である。
生体認証を導入することにより、銀行の偽造カード対策はすすむ。
銀行が窓口対応のみから脱して、ATMを導入した当初は、磁気ストライプカードと4桁の暗証番号だけが認証方法であったと思う。
ATMに細工をして、本来のカード読み取り装置の代わりに、あるいはその前面にカード情報を盗み取る読み取り装置をこっそり取り付ける。
この違法読み取り装置は、俗称で、ヤギの生き血を吸う怪物の名前をとり、シュパカブラ(chupa-cabra)と呼ばれている。
同様に入力キーと操作者の手元を撮影する小型カメラをATMや付近の構造体に取り付ける。
このカメラは暗証番号のキーストロークを盗撮して犯罪者へ送る。
懲りた銀行は、銀行カードをIC化して、さらに認証方法を一つの暗証番号だけに頼るのでなく、さらに要素を加えるようにした。
そのために、暗証番号入力に物理キーボードを使わず、タッチスクリーンでそのたびに数字の配置が変わる動的キーボードを使ったり、従来の暗証番号の他に、もう一つのパスワードの入力を求める方法、乱数表やトークンによるワンタイムパスワードを使い、認証要素を複数化してきた。
生体認証は、カード情報や暗証番号の窃盗に対しては有効だろう。
生きている手のひらがないと認証が成功しないからだ。
手のひら静脈認証の装置を犯罪者がこっそりATMに取り付けて静脈パターンを盗みとり、3Dプリンターを使い、赤インクの静脈パターン入りのシリコンの手のひらを作り上げて、ATMを不法操作するという犯罪例はまだ聞いたことはない。
かなりハードルは高そうだが、いつの日か実現することがあるのだろうか。
しかし現在でも、ATMを使用するときの注意として、ATMに見慣れない装置がついていないか、キーボードが視界に入る場所に穴が開けられていないかなど、普段と様子が違っていないかを観察することを忘れてはならない。
次は強盗対策だ。
カードレス取引ができるということは、強盗にあったときにカードを持っていなくても、理論的には被害に遭う可能性があるということだ。
カードレス取引をしているところを強盗に観察されて顔を覚えられたら、後日銀行から離れた所で、「顔見知りの」強盗に思い出されて、「お前はブラデスコでカード無しで金を引き出していただろう」と難癖付けられる可能性がありそうだ。
以前のカードと乱数表による取引だったら、それらを持っていなければ現金引出しはできずに、銀行から出てきたところでなければ被害に遭うこともなかっただろうに、「この人はカードレス取引をしていた」という事実を知られたばかりに、被害者になることも予想しなければならない。
これでは「銀行出口強盗」どころではない、「どこでも強盗」ではないか。
カードレス取引や手のひら認証をしている場面を、暗証番号入力と同様、できるだけ人に見られないようにすることが必要だろう。
まあこれからは手のひらを登録した銀行顧客が大多数になるだろうから、そんな心配は無用かもしれないが。
でも、普段から用心、これまで通り、「機械に覆いかぶさるようにして」できるだけ周りの視線を遮断して、ATMを操作するよう心がけよう。
安全な時間と場所を選ぶことも大事だ。
そして、銀行の出入り、ATMの使用時に、辺りに不審者がいないか気をつけることは、従来と同様、十分に注意しなければならない。
本人確認が便利で安全というので安心してはいけない。
未来的テクノロジーによる便利性も、決して安心を与えてくれるものではないのだ。
(http://exame.abril.com.br/tecnologia/noticias/bradesco-comeca-a-abolir-cartoes-em-caixas-eletronicos)
2013年1月20日
ブラジルのプリペイド携帯で安いのはこれ
最初に書いておくと、看板に偽りありである。
というのも、携帯電話のプラン選びは、万人に有効という究極の選択はありえないからだ。
電話をかけまくるか、もっぱら受信か。
掛けるといっても、少数の相手と長時間話すのか、多数の人と短時間の会話をするのか。
相手は市内(地域内)か、市外さらには州外か。
ブラジルならではの事情と思うが、かける相手はどのキャリアの番号を持っているか。
俗に、ブラジルの携帯電話は、同じキャリアに掛けると通話料は世界一安いが、異なるキャリアへかけると世界一高いなどといわれるからだ。
自分の携帯電話使用プロフィールをよく分析して、正しい選択をしよう。
妻と2人で1台のプリペイド携帯、まあひとり1台以上普及した現在からみれば、前世紀の使い方であるといえようが、まだクレジットをいくらか残したまま、クレジットの有効期限が切れてしまった。
この際だからと、かなり時間を費やしながら、ほぼ着信専用のユーザーがプリペイド携帯を維持するためにいくらかかるか調べてみた。
サイト"Quanto tempo dura cada recarga de celular pré-pago?"
http://www.pontogeek.com.br/blog/quanto-tempo-dura-cada-recarga-de-celular/
に触発されたことも理由だ。
ついでだからと、現在ブラジルの各携帯電話キャリアが実施中の、プリペイド・プランの割引キャンペーン、こちら風に言えばプロモソン(promoção)を調べた。
携帯電話のプランや料金システムはブラジルでも複雑で、これが最安かどうか自信がないし、この料金がいつ変更になるかもわからないが、せっかくだから載せよう。
キャリアOiのGanhe até 30x(30倍までゲット)キャンペーンは、月額R$15以上R$50までクレジットを購入すると、購入額と同額の当日限り有効のボーナスを毎日、月末まで受け取るというものだ。
つまり月初に購入すれば、ボーナス金額はクレジット金額の30倍になるということだ。
もっとも、今日全く通話しなくてボーナスが余っても、明日に持ち越すことはできない。
そのボーナスは、全国のOiの携帯および全国のOiの固定電話との通話にのみ使用できる。
キャリアVivoのVivo Sempre(いつもVivo)キャンペーンは、登録料R$7.90があり、6ヶ月のプロモーション期間を再登録なしに維持するためには、最低月額R$12のクレジット購入が必要。
注意したいのは、R$12ではプロモーショナル通話料の有効期間は15日なので、プロモーションに登録はしているが割引通話料の有効期限切れという期間がありうる。
30日フルにプロモーショナル通話料を利用するためには、月額R$25が必要のようだ。
次は、購入するクレジット金額と、対応する有効期限の関係だ。
これをみれば、もっぱら受信のユーザーがプリペイド携帯を維持するために、一番得なオプションがわかる。
Claroのクレジット金額と有効期限 (https://www.clarorecarga.com.br/)
R$13 - 30d, R$18 - 60d, R$22 - 75d, R$30 - 90d, R$50 - 120d, R$100 - 180, R$150 - 300d
Oiのクレジット金額と有効期限 (http://www.oi.com.br/oi/oi-pra-voce/oi-movel/planos/oi-cartao)
R$1 - 1d, R$5 - 10d, R$10 - 30d, R$20 - 45d, R$30 - 90d, R$60 - 150d, R$100 - 180d
TIMのクレジット金額と有効期限 (http://www.tim.com.br/mg/para-voce/recarga/recarga-online/)
R$7 - 7d, R$13 - 30d, R$18 - 60d, R$27 - 90d, R$35 - 90d, R$50 - 180d, R$100 - 180d
Vivoのクレジット金額と有効期限 (http://www.vivo.com.br/portalweb/appmanager/env/web?_nfls=false&_nfpb=true&_pageLabel=vcRecargaBook&WT.ac=portal.movel.recarga)
R$5 - 7d, R$8 - 10d, R$13 - 30d, R$18 - 90d, R$25 - 90d, R$35 - 90d, R$60 - 120d, R$100 - 180d
Vivoクレジット金額とVivo Sempreのプロモーショナル割引通話料の有効期限 (http://www.vivo.com.br/vivosempre/)
R$3 - 1d, R$7 - 3d, R$12 - 15d, R$18 - 25d, R$25 - 30d
比較一覧表は次のワークシート、これを見れば1日単価がわかる。
表の左列は有効期限日数、中心5列はクレジット金額(レアル)右端5列は1日当たり金額(レアル)
というのも、携帯電話のプラン選びは、万人に有効という究極の選択はありえないからだ。
電話をかけまくるか、もっぱら受信か。
掛けるといっても、少数の相手と長時間話すのか、多数の人と短時間の会話をするのか。
相手は市内(地域内)か、市外さらには州外か。
ブラジルならではの事情と思うが、かける相手はどのキャリアの番号を持っているか。
俗に、ブラジルの携帯電話は、同じキャリアに掛けると通話料は世界一安いが、異なるキャリアへかけると世界一高いなどといわれるからだ。
自分の携帯電話使用プロフィールをよく分析して、正しい選択をしよう。
妻と2人で1台のプリペイド携帯、まあひとり1台以上普及した現在からみれば、前世紀の使い方であるといえようが、まだクレジットをいくらか残したまま、クレジットの有効期限が切れてしまった。
この際だからと、かなり時間を費やしながら、ほぼ着信専用のユーザーがプリペイド携帯を維持するためにいくらかかるか調べてみた。
サイト"Quanto tempo dura cada recarga de celular pré-pago?"
http://www.pontogeek.com.br/blog/quanto-tempo-dura-cada-recarga-de-celular/
に触発されたことも理由だ。
ついでだからと、現在ブラジルの各携帯電話キャリアが実施中の、プリペイド・プランの割引キャンペーン、こちら風に言えばプロモソン(promoção)を調べた。
携帯電話のプランや料金システムはブラジルでも複雑で、これが最安かどうか自信がないし、この料金がいつ変更になるかもわからないが、せっかくだから載せよう。
| 識別 | キャリア | キャンペーン | 同キャリア 携帯 | 固定電話 | 異キャリア 携帯 | 維持月額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21 | Claro | Claro Pré-Pago Ilimitado | R$0.16 /通話(全国) | R$0.50 /通話(地域内) | R$1.53 /分(地域内) | |
| 31 | Oi | Ganhe até 30x | R$1.58 /分(全国) | R$1.58 /分(地域内) | R$1.58 /分(地域内) | R$15 |
| 41 | TIM | Infinity Pré | R$0.25 /通話(全国) | R$0.50 /通話(地域内) | R$1.59 /分(地域内) | |
| 15 | Vivo | Vivo Sempre | R$0.05 /分(全国) | R$0.35 /分(地域内) | R$1.55 /分(地域内) | R$12 |
キャリアOiのGanhe até 30x(30倍までゲット)キャンペーンは、月額R$15以上R$50までクレジットを購入すると、購入額と同額の当日限り有効のボーナスを毎日、月末まで受け取るというものだ。
つまり月初に購入すれば、ボーナス金額はクレジット金額の30倍になるということだ。
もっとも、今日全く通話しなくてボーナスが余っても、明日に持ち越すことはできない。
そのボーナスは、全国のOiの携帯および全国のOiの固定電話との通話にのみ使用できる。
キャリアVivoのVivo Sempre(いつもVivo)キャンペーンは、登録料R$7.90があり、6ヶ月のプロモーション期間を再登録なしに維持するためには、最低月額R$12のクレジット購入が必要。
注意したいのは、R$12ではプロモーショナル通話料の有効期間は15日なので、プロモーションに登録はしているが割引通話料の有効期限切れという期間がありうる。
30日フルにプロモーショナル通話料を利用するためには、月額R$25が必要のようだ。
次は、購入するクレジット金額と、対応する有効期限の関係だ。
これをみれば、もっぱら受信のユーザーがプリペイド携帯を維持するために、一番得なオプションがわかる。
Claroのクレジット金額と有効期限 (https://www.clarorecarga.com.br/)
R$13 - 30d, R$18 - 60d, R$22 - 75d, R$30 - 90d, R$50 - 120d, R$100 - 180, R$150 - 300d
Oiのクレジット金額と有効期限 (http://www.oi.com.br/oi/oi-pra-voce/oi-movel/planos/oi-cartao)
R$1 - 1d, R$5 - 10d, R$10 - 30d, R$20 - 45d, R$30 - 90d, R$60 - 150d, R$100 - 180d
TIMのクレジット金額と有効期限 (http://www.tim.com.br/mg/para-voce/recarga/recarga-online/)
R$7 - 7d, R$13 - 30d, R$18 - 60d, R$27 - 90d, R$35 - 90d, R$50 - 180d, R$100 - 180d
Vivoのクレジット金額と有効期限 (http://www.vivo.com.br/portalweb/appmanager/env/web?_nfls=false&_nfpb=true&_pageLabel=vcRecargaBook&WT.ac=portal.movel.recarga)
R$5 - 7d, R$8 - 10d, R$13 - 30d, R$18 - 90d, R$25 - 90d, R$35 - 90d, R$60 - 120d, R$100 - 180d
Vivoクレジット金額とVivo Sempreのプロモーショナル割引通話料の有効期限 (http://www.vivo.com.br/vivosempre/)
R$3 - 1d, R$7 - 3d, R$12 - 15d, R$18 - 25d, R$25 - 30d
比較一覧表は次のワークシート、これを見れば1日単価がわかる。
表の左列は有効期限日数、中心5列はクレジット金額(レアル)右端5列は1日当たり金額(レアル)
2013年1月18日
ええねん、しずちゃん、大学合格!
ええねん、しずちゃんといっても、関西弁ドラえもんではない。
ブラジルの教育システムの用語である。
ブラジルの高校生の、将来を左右する可能性のある、重大な関心ごとと言ったら、やはりENEM(Exame Nacional do Ensino Médio)全国中等教育試験と、その結果を使用するSISU(Sistema de Seleção Unificada)統一選抜システムであろう。
ポルトガル語では母音あるいはnに続き母音に挟まれたsは濁るので、Sisuと書くと、シスではなく、シズとなる。
だからしずちゃんなのだ。
この読み方の規則のため、Osakaはオザカであり、盆栽はボンザイに、YamasakiさんもYamazakiさんもヤマザキさん(厳密にはsの音とzの音は異なるが)となるのだ。
今回のSisuへの応募者は1,949,958を数えた。
129,279の連邦立高等教育(=大学過程)学校の定員を争う。
今週末、日本で大学入試センター試験を受けるのは57万3千人というので、ブラジルの統一選抜はその3.4倍もの多数の受験生が参加している。
ブラジル人口190,732,694(IBGEの2010年国勢調査)は、日本128,057千人(総務省統計局2010年)の約1.5倍であることから、日本の文部科学省による2013年度国立大の入学定員96,452と比較すると、ブラジルの連邦立高等教育学校入試定員は、それほど多いとはいえない。
しかし、ブラジル最有力大学であるUSP(Universidade de São Paulo サンパウロ大学)は州立のため、この数に含まれないが、2013年入試で定員10,982もあるマンモス校であり、州立大学を足すと相当な数になりそうである。
また日本の入試はセンター試験だけでなく複線化しているので、単純比較は無理だ。
ブラジルの話に戻って、Sisuへの応募者のうち864,830人はアファーマティブ・アクションの割り当て枠に応募した。
今年のアファーマティブ・アクションの割り当て枠は全体の12.5%である。
「予想外の多数だった。
しかしまだまだ学校全体に占める公立校の割合88%からみれば微々たるものだ。」
教育相Aloizio Mercadanteは語る。
割当枠応募者86万人のうち、約52万人は、一人あたり所得が1.5最低給料以下の家庭で、その大多数が黒人か先住民(indígena)である。
その他の応募者は、所得はこの金額以上であるが、公立学校で学んだ者だ。
公立学校に学んだ者であるならば、法律は所得額による区別を設けていない。
比較的高所得者の子弟が学ぶことの多い、軍附属校や公立大学附属校も公立学校に区分される。
14日教育省による調査では、一般枠と割当枠の足切り点の差は予想ほど大きくないという。
ブラジルでも難易度最難の医学部では、一般枠787.56点に対し、割当枠761.67点、教育学では両方の差は6.5点、教員養成課程では21.06点だった。
「公立学校の優秀な生徒は私立学校の平均的生徒より成績が良い。
とくに喜ぶ結果ではないが、初回としては良かった。」
教育相は言った。
最大の問題は、割当枠が50%に達する3年後のことだ。
公立学校の優秀な生徒が公立大学に入り尽くして、中等の生徒が入ってくるようになってからだ。
公立の中くらいの生徒の成績は、私立学校と比べるとかなり低い。
「そこでこれから2、3年で公立中等教育に大きな投資をして質を高めることが急務だ。」
ここ数年の公立中等教育の基礎教育発達指数Índice de Desenvolvimento da Educação Básica (Ideb)は、向上が見られず、州によっては悪化しているところまである、との事実を心配して、教育相は言った。
(Quase metade dos inscritos no Sisu tenta vaga por cota
Agência Estado | 14/01/2013 19:50:48
http://ultimosegundo.ig.com.br/educacao/2013-01-14/quase-metade-dos-inscritos-no-sisu-tenta-vaga-por-cota.htmlを参考)
連邦立高等教育(=大学過程)学校、つまりUniversidade Federal(連邦立大学)およびInstituto Federal(連邦立高等専門学校)のアファーマティブ・アクション割り当て枠は、2013年は全定員の12.5%、2014年は25%、2015年は37.5%と増大し、2016年には50%に達する。
ブラジルの教育システムの用語である。
ブラジルの高校生の、将来を左右する可能性のある、重大な関心ごとと言ったら、やはりENEM(Exame Nacional do Ensino Médio)全国中等教育試験と、その結果を使用するSISU(Sistema de Seleção Unificada)統一選抜システムであろう。
ポルトガル語では母音あるいはnに続き母音に挟まれたsは濁るので、Sisuと書くと、シスではなく、シズとなる。
だからしずちゃんなのだ。
この読み方の規則のため、Osakaはオザカであり、盆栽はボンザイに、YamasakiさんもYamazakiさんもヤマザキさん(厳密にはsの音とzの音は異なるが)となるのだ。
今回のSisuへの応募者は1,949,958を数えた。
129,279の連邦立高等教育(=大学過程)学校の定員を争う。
今週末、日本で大学入試センター試験を受けるのは57万3千人というので、ブラジルの統一選抜はその3.4倍もの多数の受験生が参加している。
ブラジル人口190,732,694(IBGEの2010年国勢調査)は、日本128,057千人(総務省統計局2010年)の約1.5倍であることから、日本の文部科学省による2013年度国立大の入学定員96,452と比較すると、ブラジルの連邦立高等教育学校入試定員は、それほど多いとはいえない。
しかし、ブラジル最有力大学であるUSP(Universidade de São Paulo サンパウロ大学)は州立のため、この数に含まれないが、2013年入試で定員10,982もあるマンモス校であり、州立大学を足すと相当な数になりそうである。
また日本の入試はセンター試験だけでなく複線化しているので、単純比較は無理だ。
ブラジルの話に戻って、Sisuへの応募者のうち864,830人はアファーマティブ・アクションの割り当て枠に応募した。
今年のアファーマティブ・アクションの割り当て枠は全体の12.5%である。
「予想外の多数だった。
しかしまだまだ学校全体に占める公立校の割合88%からみれば微々たるものだ。」
教育相Aloizio Mercadanteは語る。
割当枠応募者86万人のうち、約52万人は、一人あたり所得が1.5最低給料以下の家庭で、その大多数が黒人か先住民(indígena)である。
その他の応募者は、所得はこの金額以上であるが、公立学校で学んだ者だ。
公立学校に学んだ者であるならば、法律は所得額による区別を設けていない。
比較的高所得者の子弟が学ぶことの多い、軍附属校や公立大学附属校も公立学校に区分される。
14日教育省による調査では、一般枠と割当枠の足切り点の差は予想ほど大きくないという。
ブラジルでも難易度最難の医学部では、一般枠787.56点に対し、割当枠761.67点、教育学では両方の差は6.5点、教員養成課程では21.06点だった。
「公立学校の優秀な生徒は私立学校の平均的生徒より成績が良い。
とくに喜ぶ結果ではないが、初回としては良かった。」
教育相は言った。
最大の問題は、割当枠が50%に達する3年後のことだ。
公立学校の優秀な生徒が公立大学に入り尽くして、中等の生徒が入ってくるようになってからだ。
公立の中くらいの生徒の成績は、私立学校と比べるとかなり低い。
「そこでこれから2、3年で公立中等教育に大きな投資をして質を高めることが急務だ。」
ここ数年の公立中等教育の基礎教育発達指数Índice de Desenvolvimento da Educação Básica (Ideb)は、向上が見られず、州によっては悪化しているところまである、との事実を心配して、教育相は言った。
(Quase metade dos inscritos no Sisu tenta vaga por cota
Agência Estado | 14/01/2013 19:50:48
http://ultimosegundo.ig.com.br/educacao/2013-01-14/quase-metade-dos-inscritos-no-sisu-tenta-vaga-por-cota.htmlを参考)
連邦立高等教育(=大学過程)学校、つまりUniversidade Federal(連邦立大学)およびInstituto Federal(連邦立高等専門学校)のアファーマティブ・アクション割り当て枠は、2013年は全定員の12.5%、2014年は25%、2015年は37.5%と増大し、2016年には50%に達する。
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