北村豊の「中国・キタムラリポート」
美容整形による容貌の破壊・変形が10年間で20万件
世界第3位の整形美容大国となった中国の悲しむべき実態
2012年3月30日(金)
というのを読んだ。
中国が世界第3位の整形美容大国なんて嘘だろ、そんなわけがない、ブラジルはどうした?というので調べてみた。
人口データは、
United Nations - Department of Economic and Social Affairs - Population Divisionによる、
http://esa.un.org/unpd/wpp/Documentation/publications.htm
にある、
http://esa.un.org/unpd/wpp/Documentation/pdf/WPP2010_Volume-I_Comprehensive-Tables.pdf (6.41MB)
を使った。
2011年の推計値である。
整形手術や手術以外の処置(procedure)のデータは、
International Society of Aesthetic Plastic Surgeryの
http://www.isaps.org/files/html-contents/ISAPS-Procedures-Study-Results-2011.pdf (162KB)
から取り出した。
2010年に実施された手術・処置数である。
手術・処置数の実数順位と、単位人口あたり手術・処置数順位の、それぞれトップテンを並べてみよう。
国 | 整形件数(千件) | 国 | 千人当たり整形件数 |
---|---|---|---|
米国 | 3,314 | 韓国 | 16.06 |
ブラジル | 2,518 | ギリシャ | 14.45 |
中国 | 1,265 | イタリア | 13.38 |
日本 | 1,183 | ブラジル | 12.78 |
インド | 1,147 | 米国 | 10.59 |
メキシコ | 917 | コロンビア | 10.49 |
イタリア | 816 | 日本 | 9.39 |
韓国 | 771 | フランス | 8.11 |
フランス | 511 | メキシコ | 7.97 |
コロンビア | 493 | カナダ | 7.53 |
注意
国際美容外科学会(ISAPS)の整形手術・処置件数は、上位25ヶ国しか発表されていないので、人口の極めて小さな国で、人口に対して手術・処置数が多いのだが、実数で25ヶ国に入らない国がランクインしていない可能性がある。
たとえば、日本人が韓国で美容整形手術を受けた場合には、韓国でカウントされると思われるので、そのようなケースが多いとデータに歪がでる可能性がある。
思った通りだ。
千人当たり美容整形件数では、中国はトップテン圏外のずっと底の方、0.94件で、インドの一つ上の第23位にすぎない。
千人当たり美容整形件数順位を見ると、なかなか面白いことが想像できる。
韓国が美容整形大国であるというのは疑いのない事実である。
ギリシャとイタリアがそれに続いているのにあえて意味を見出そうとすると、ギリシャ神話やローマ神話の神々の肉体美へのあこがれがあるのだろうか。
彫刻の神像は理想的肉体美を追求しているから、実際の肉体にも、ノミならずメスを入れたくなるのだろうか。
国庫は傾いていても、整形にかける情熱は熱いようだ。
ブラジルは4位でUSAをしのぐ美容整形好きな国民であることが証明された。
ラテン系では3位イタリア、4位ブラジル、6位コロンビア、8位フランス、9位メキシコ、11位ベネズエラ、13位スペインと、存在感は大きく、ラテン系の美にかける執念というか、ただモテたいだけかわからないが、健闘している。
日本の7位ランクインというのは、慎ましく淡白な国民性という先入観を覆し、なかなか頑張っているといえよう。
2012年4月26日追加
ISAPS International Survey on Aesthetic/Cosmetic Procedures Performed in 2010の調査方法の訳抜粋(一部省略あり)をのせる。調査の参加者は、主に2010年に実施した手術・非手術処置数を問う、英語2ページの質問票を受け取った。
ISAPSは、データベースにある約2万人の整形外科医に調査参加を依頼した。
さらに、すべての国単位の協会に対し、その会員に調査に参加してくれるよう協力を求めた。
集計時までに698票の質問票が届いた。
最終の数字は、各国の整形外科医数と回答サンプルをベースに、国際統計を反映するよう投射(project)した。
世界中の整形外科医数を推定するため、各国の協会が提供してくれた数字は、33,000とみられる整形外科医数の90%以上をカバーしている。
ある国の、協会によるその国の医師総数が得られなかった場合には、その国の人口とGDPを基に回帰方程式を使って求めた。
ある国の回答数が不十分であった場合には、投射にはその国の属する大陸の回答を参考にした。
その国の回答を強調するために、重み付けの方法を採用した。
サンプル数及びそれぞれの回答の分散に依存して、処置により、また国により信頼区間は変化するものの、95%信頼水準で、標準誤差は3.67%に収まった。
当(The International Survey on Aesthetic/Cosmetic Procedures Performed in 2010)調査は、オハイオ州Columbus所在の独立調査機関Industry Insights, Inc. (www.industryinsights.com)によって集計分析された。
調査リーダーは、15年にわたって整形外科手術のトレンド調査に従事しているScott Hackworth公認会計士であった。
0 件のコメント:
コメントを投稿