「ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級決勝で村田諒太はエスキバ・ファルカンに判定勝利」、きわどい試合で最後までどちらが勝ったかわからなかったが、村田よおめでとう。
どちらを応援したら良いかわからなかったから、レフェリーが村田の腕を上げるまで複雑な気持ちに包まれた試合だった。
しかし今日の話題は、エスキバ・ファルカンという名前についてだ。
Esquiva Falcão Florentinoと書くのだが、Esquivaという名前がおかしい、奇妙だ。
こういうブラジル人の名前があるのか、と疑問を持った。
もちろん、初めて聞く名前だ。
意味不明というのではない、その逆だ。
esquivarという動詞は、辞書を見ると、「避ける、よける」と書いてある。
その動詞の三人称単数形だから、「(彼が)よける」という意味だ。
あるいは、命令形(つまり二人称しか存在しない)単数形で「(お前)よけろ」という意味のほうがボクシングらしくてよさそうだ。
でもそれなら、「よけろ」より「倒れろ」のが、ボクシング選手の名前としてはもっと良い。
と言うことは、Caiという名前になるが、なんか頼りない感じだ。
Caioという男の名前はあるが、これだと一人称単数形だから、「(俺が)倒れる」という意味になるから、ボクサーの名前としては絶対避けなければならない。
テレビのインタビューのときに、Esquivaはあだ名ではない、本名だとわざわざ言っていたから、本当に珍しい名前なのだろうと納得した。
そんなことを考えながら調べてみたら、前日にライトヘビー級でブラジルに銅メダルをもたらした、Yamaguchi Falcão Florentinoは、Estivaの兄だとわかった。
母親はMaria Olinda Falcão、父親はAdegard Câmara Florentinoというから、両親から一つづつ苗字を受け継いでいる。
子供は15人の大家族である。
Adegardは、Touro Moreno(褐色の牡牛という意味)というリングネーム(?)のボクサーで、現在75歳、エスピリト・サント州ヴィトリア(Vitória ES)で、慎ましい暮らしをしながら、裏庭のバナナ畑で子供たちにボクシングを教えたという。
試合の最中、リングサイドからセコンドは、選手の名前を呼ぶことしかできないため、名前を呼ぶことが指導につながるというからEsquivaと名付けたという、びっくりな由来だ。
Esquiva! Esquiva! と名前を連呼して励ましながら、「(相手のパンチを)さけろ、よけろ」と指導していることになる。
長兄の名前Yamaguchiであるが、なぜその名前か、ざっと調べただけでは説明は見つからない。
Yamaguchiという日本人あるいは日系人にお世話になり、感謝の気持ちを子供の名前にした、と想像する。
わずか2日間で、兄弟から2人、Yamaguchi(ライトヘビー級銅・24歳)とEsquiva(ミドル級銀・22歳)のメダリストを出したのはすごい。
インターネットポータルUOLの記事によると、兄弟にはあと2人ボクシングをやっているのがいる。
60kg級の有望な15歳、Estivaと、リオ五輪ヘビー級の星にしたいThomas Edsonである。
Estivaは、キューバの伝説のボクサーTeófilo Stevensonから命名、トーマス・エジソンはボクサーではないが、偉い人であるのはブラジルでも常識だろう。
4人兄弟が4階級に散らばっているのも興味深い。
兄弟げんかは絶対起こらないわけだ。
日本のボクシング界では亀田三兄弟が有名だが、ブラジルではFalcão四兄弟に注目だ。
(多くのサイトの記事を参考にした)
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