2013年も12月に入り、ブラジルがワールドカップで注目される2014年はすぐ目の前にきている。
ブラジルを初めて旅行する人は、ブラジルのクレジットカード・デビットカード事情がどうなのか気になることだろう。
以前のインフレ時代のブラジルは、小切手で支払えば、小切手が自分の銀行に到着して決済されるまで1日でも2日でも運用利息が稼げるからと、たばこ一箱買うにも支払は小切手を使っていた記憶があるかも知れない。
1994年であったか、レアルプランにより、狂乱インフレが収まったのはFernando Henrique Cardoso元財務相・大統領の一番の功績である点は、現在の与党である労働者党も認めるところだと思うが、労働者党政権に代わってからの所得底上げ政策も力を加えて、ブラジル人の支払い方法には大きな変化が起きた。
小切手の使用場面はだんだん減ってきた。
景気が良くても不渡り小切手は出る。
景気が悪くなればなおさらである。
商店は小切手を嫌うようになってきた。
"Não aceitamos cheques" 「小切手受け付けません」という表示を掲げる商店やレストランが多い。
そのかわりに増えたのがカード利用である。
銀行に口座を開くと、銀行はなんとか顧客にクレジットカードを使ってもらおうとする。
クレジットカードを人生初めて使う人は多いだろうが、その中でどれだけのブラジル人がクレジットカードの仕組みを知っているだろうか。
クレジットカードは月に一回の支払日があり、多くのカードは支払日10日前に締切日がある。
だから、消費支払をクレジットカードで行うと、カード会社へ10日から40日の支払猶予ができるわけだ。
そして、分割払いやリボ払いをせずに、10日から40日後の最初の支払日に払えば利息は一切かからない。
支払期日はきちっと守らなければならない。
Bradesco Visaカードの、延滞利息は14.9%、延滞罰金は2%、利息は日割り、罰金は月ごとにかかる。
分割払いやリボ払いは、決して行ってはいけない。
クレジットカード会社による分割払い利息は4.7%、リボ払い利息は6.6%である。
この数字を見て年利と思った人は注意、全て月利である。
月利4.8%のキャッシングも避けたい。
ただひとつ行って構わないのは、クレジットカード会社によるものでなく、商店による分割払いが有利である場合だ。
多くの業種の商店は、売らんがために、例えば500レアルの商品を、50レアル10回分割にしている。
月インフレ率0.6%の仮定で、R$500を30日後一回払いで支払うということは、今日R$497支払いするのと同値である。
月インフレ率0.6%が1年続くとして、R$50を30日後から330日後まで10回分割で支払うことは、今日R$484支払いするのと同値である。
だから商店が、現金払いや一回払いで、上の金額以上の割引をしてくれないのなら、50レアル10回分割で買い物をするのが有利になる。
一括払いに割引をする店もあれば、「無利子」(sem juros)を標語に、決して割引しない店もあるので、しっかり確かめなければならない。
「無利子」が売り物でも、実際は利息分が値段に含まれているので、割引をしないと行って「無利子」であるはずはないのだが。
まあ以上冗長に述べた事項は、ブラジルのカード会社発行のクレジットカードについてのことであるから、ブラジル国外で発行されたカードをブラジルで使う際には、それぞれの国・会社の国外使用規則に従うのは当然である。
これはブラジルのフェイラ(feira)と呼ばれる露天市の野菜屋台である。
ここではしっかりクレジットカードが使える。
注目するのは足と腰回りの太さではない。
売り物と、Visaの表示板の対比である。
こちらの店では、American ExpressもDinnersも受け付けるようだ。
キロあたりR$1.99との表示があるから、野菜を取り混ぜて5キロ買った場合に10レアルの勘定になる。
カード使用の大衆化に伴い、現在のブラジルでは、このくらいの少額でも、クレジットカード・デビットカードが使える場所がどんどん増えている。
ただしブラジルに来る旅行者は、次の点に注意してほしい。
ICチップのついていない、磁気ストライプのみで承認はサインで行う、旧式のクレジットカードは使えない可能性が高い。
ICチップがついていて、支払承認を暗証番号でオンラインで行う新式のカードであっても、(ブラジルから見た)国外発行カードが、屋台で使えるかどうかは不明である。
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