2013年12月25日

メガセナ、当たったらどうしよう

最近ブラジルでも話題になったのは、アメリカ(合衆国)の賞金額史上第2位のくじだった。
あれは当選者が二人(あるいはチームで賭けていたら二組)が賞金を分ける結果であった。
アメリカのくじは、大多数の州では当選者の名前を公開する決まりになっているという。
インチキの疑いをかけられないようにするためと理由がついている。

ブラジルにもくじはある。
連邦貯蓄銀行 Caixa Econômica Federal 略してカイシャあるいはCEFが主催するくじはいろいろあるが、賞金額が大きくなリがちなのはなんといってもメガセナ Mega-senaである。

セナというと、これも事故死したから不運ともいえようが、F1ドライバー、アイルトン・セナ Ayrton Sennaが有名である。
しかし彼とは別に関係はなく、senaというと6つ組の数字のことである。
ついでに言えば、5つ組はキナ quina、4つ組はクアドラ quadra、3つ組はテルノ ternoという。
服装三つ揃いもテルノである。
どうして3つ組だけ男性名詞、他は女性名詞なのかは不明だ。
ポルトガル語の感性では、女性は多数で群れる、ということなのか?

メガセナは、1から60までの60個の数字から6個の数字が当選数字として抽選される。
くじを買う人は6個以上の数字をマークシートする。
6個の数字をマークする最低賭け金は2レアルである。
そのときの6個数字命中確率は、60から6つを取る組み合わせであるから、50,063,860分の1という、航空機事故に遭ったり雷に打たれる確率より低そうな数字である。

日本同様、ブラジルでも当選者は自分から望まなければ匿名でいられるはずである。
ところが、なかなかそうは簡単に匿名ではいられず、宝くじで高額賞金を当てた幸運者とやっかまれることがある。

ある当選者は、この際にうまくいっていない妻と別れ愛人と新生活を計画して、速攻で妻と離婚してから賞金を受け取り、愛人と逃亡したが、裁判からは逃げられなかった。
ある当選者は、しばらく豪遊してから知り合ったばかりの若い恋人と結婚したが、新妻の愛人と共謀で毒殺された。
多くの当選者がたどる運命は、にわかに親戚や友人が寄ってきて借金を迫り、誰も金を返さないので人間不信に陥る、というものらしい。

そして今回の「幸運のち凶運者」である。
左官としてごく普通の生活をしていたAさんは、メガセナで6百万レアルの賞金を当てた。

Aさんは、当選したと言って浮かれたりしないで、仕事も止めずに、地道に目立たない生活を続けていたと言う。
どこでどう誘拐犯から目をつけられたのかは、今までの報道では不明だが、Aさんは兄弟の一人とともに誘拐された。
犯罪が起きたのは、サンパウロの国際空港の名で知られる、サンパウロ大都市圏のグアルーリョス市内だ。

クリスマスイブの24日、誘拐犯グループは、別件捜査していたサンパウロ州民事警察により、被害者兄弟を監禁していた隠れ家を包囲され、銃撃戦の後、犯人1人死亡、1人逮捕、1人あるいはそれ以上?逃亡し、警察側と監禁されていた被害者兄弟は別条なかった。

警察の捜査によると、誘拐犯グループは人質から50万レアルを身代金として奪おうとしていた。
その後、テレビのニュースでは、Aさんは賞金の残りを寄付することにした、とのことだった。

ここ数年、大晦日に抽選会が中継される、Mega da Virada 年越しの大メガセナ、というのが恒例になっている。
今年の一等賞金総額は2億レアルと予想されている。
年越しだけあって?賞金繰越はなく、セナ当選者が複数だったら等分し、セナ当選者がいなかったらキナ当選者で分配することになっている。

そこで私も運試しだ。
万が一、いや五千万が一当選したらどうしようか、金の使い方を考える前に、金の隠し方、といっても、壺に入れて庭に埋める、とかいうのではなく、秘密を固く守れそうな銀行選び、身の処し方といったものであるが、ポーカーフェイスのしかた、誘惑に負けない態度、実にいろいろなことを考えておかなければならない。

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