2015年1月28日

サンパウロは週5日断水の恐れ

ブラジル国外ではあまり報道されてはいないが、BBCに記事が出た。

ブラジル人口集中地域80年来最悪の干ばつ

24 January 2015 Last updated at 15:08 GMT
Brazil's most populous region facing worst drought in 80 years
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-30962813

ブラジル環境相によると、国内3つの人口集中州は1930年来最悪の干ばつに見舞われている。
3つの州とは、Sao Paulo, Rio de Janeiro と Minas Gerais である。

単に蛇口から水が出ないだけではない。
家庭用水を優先する結果、最初に取水制限が課せられる工業・農業は、低迷する経済の足を引っ張る。
そのため電力が余るのでなかったら、水不足のため水力発電に回せる水量が減るから、電力料金は上昇して、配電制限のおそれも出てくる、泣きっ面に蜂状態になる。

サン・パウロ大都市圏最大の水源カンタレイラ(Cantareira)水系-8百万人に水を供給-の貯水量は、雨季(だいたい10月から4月)の最中というのに、たった5.2%しかない。
引用したBBC記事がさらに引用したグロボ Globo のG1サイトによると、直近1ヶ月の雨量は平年の33.5%に過ぎないという。

サンパウロ州政府は、水使用量の多い使用者へ超過料金、水を節約した使用者へ割引料金、工業・農業分野の河川からの取水制限などの対策をとってきた。
BBC記事によると専門家は、政治に根ざす政府当局の無計画が原因と批判している。
昨年10月の大統領と州知事及び連邦・州議員選挙のため、有権者の口に苦い配水制限のような不評だが先見のある政策を避けてきたツケが出ているのだ。
確かにあの頃は、ブラジル人得意の楽観からか、年末になって雨季が来れば大雨が降って問題解決と、根拠なく皆が思っていたようである。

ミナス・ジェライス州の州都ベロ・オリゾンテ大都市圏では、超過料金の可能性が発表されている。
また連邦政府に水系間連絡水路の緊急工事を訴えている。
州知事は30%の節水を州民に呼びかけ、それで不足するならrodízio(輪番)、さらにはracionamento(配給)が実施されるだろうと警告する。

リオ・デ・ジャネイロ大都市圏では現在のところ料金体系を変更する発表はない。
他の水系から引水する大工事の必要も訴えていない。
現在の段階で計画断水はささやかれていないものの、今のような天気が続き、3月までまとまった降水量がない場合は、その方策を取らざるを得ないと、市民に水節約を呼びかける。

昨年からの水不足本家本元の、サンパウロ大都市圏はどうか。
昨日のニュースではサンパウロ州水道局長(役職名はおおまか)が、現在のような雨不足が続いた場合、5日断水2日通水の極めて厳しい水道供給制限がしかれる見込があると発言した。

市民がアイデアを披露するマスコミの節水キャンペーンは賑やかであるが、前代未聞の五干二水の水道配給が実施されたらみんな笑っていられるだろうか?
ファベーラ(スラム街)は、特にリオデジャネイロのような平地が少ない場所で明らかであるが、斜面にへばりつき上へ伸びていく。
そのようなところでは水道の水圧が低そうである。
給水再開後1日かかってようやく水が戻ってきたと思ったらまた5日断水となると、住民は怒り出しそうだ。
丘の上の給水塔がファベーラと接しているようなところでは、そのようなところが実際にあるかどうかは知らないが、荒っぽい住民が勝手に水道管を改変してしまうような、盗電ならぬ盗水が起きるのではないか。
水道管を短絡して盗んだ水をタンクローリー車に積んで、水の届かない地域に出かけて行き法外な値段で水を不法販売するような輩も現れそうだ。
場所が場所だけについでに薬物がセットになったりして。

今から心配している。

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