昨日のテレビで気になるニュースがあった。
サンパウロの繁華街、衣服などが安い3月25日通り(rua 25 de março)と言ったと思う、そこで強盗団、というかひったくり団が出没している。
それだけなら大して珍しくもないが、東洋人(orientais)が被害者になっていると言ったから、これは大変だ。
このニュースで指摘したことはかなり信憑性がありそうだ。
なぜ東洋人が狙われるか。
東洋人はポケットに金を入れて歩くことが多い、と言うのだ。
だったら、西洋人というか普通のブラジル人はポケットに金を入れないのだろうか?
手提げカバンやショルダーバッグを持つのだろうか。
バックパックを背負ったり、危ないところでは腹の前に抱えるのだろうか。
そもそも現金をあまり持ち歩くことはないのだろうか。
私はよくポシェッチ(pochete)を使う。
ダサくてもこいつを腹の前につけて、しかもシャツは外出しだからシャツの下に隠す。
なおポルトガル語でいうポシェッチとは、日本語のポシェットとは異なるものを指す。
手口はこうだ。
ひったくり団は複数、テレビカメラにとらえられた画像では4人いた。
3人が羽交い締め、手足を押さえつけてから残りの一人がポケットに入れてある札入れを抜き取るという、武器は使わないもののかなり荒っぽいやり方で、犯行時間は10秒もかからない。
一人で5万レアルの被害を被った人がいると言った。
ちょっと待った。
ブラジルの最高額紙幣は100レアル札である。
5万レアルと言ったら500枚でないか。
100枚を紙帯でくくった束の厚さがどのくらいかは知らない。
1センチとしたら、5万レアルは5cmの厚さになる。
もちろん大きさは100レアル札の大きさだ。
そんなかさばる現金の束をポケットに入れて一人で歩くような、不用心な者がいるのだろうか。
その元になった記事を探してみたが、読んでみると少し違う。
テレビカメラに捉えられた4人だけでなく少なくとも15人いるという。
東洋人、と言われていたのは、記事内では「中国人の商人」と、かなり限定している。
強奪されるものは現金、携帯電話、宝飾品とされていて、ポケットの中の現金などとは書いていない。
といったようにテレビで聞いた記事と、書かれた記事とは多少異なるのだが、まあいい。
事件が起きたのはサンパウロであるが、来年リオでオリンピックもあることだし、用心に越したことはない。
「東洋人はポケットに金を入れて歩く」というような風説が広まると、ポケットに何も入れてなくても、襲われかねないからである。
「ポケットの中には札束が一杯」にしておくと、増えるどころかどつかれて一文無しになるという、「不運なポケット」となってしまうという惨めなオチである。
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