聖火台 - pira olímpica (po.)
昨日8月4日のニュースでは、聖火はブラジル国内を95日間、三百数十の町を訪れ、2万6千キロ移動したと言っていた。
昔の聖火リレーは、陸地がないところは仕方がないが、そうでなかったらずっとランナーが駅伝のように、一生懸命苦しそうな顔、少なくとも真面目な顔で大切な聖火を掲げて一目散に走っていた、という印象がある。
現在のブラジルの聖火リレーはそういった堅苦しいものではない。
ギリシャのオリンピア Olímpia で太陽光から採火されるのは昔と同じだが、途中でいろいろな乗り物に乗って担がれてきた。
- 自転車
- 車いす
- サーフィン
- パラグライダー
- インディオのカヌー
- 馬
- モーターボート
- ロープウェイ
- 船
テレビニュースで見た覚えがあるものを小さいものから順に並べてみた。
ほかにもスケートボードとか牛車とかあったような気もする。
広大な国土の都市間はランタンに入れて車や飛行機で運んでいるようだ。
一人のランナーの担当距離は200メートル、アスリートだけでなく子供から老人までいるし、完全に歩いている人もいる。
ステップを踏みながら、踊りながら走る人もいる。
ほぼお祭り行列である。
きょうはオリンピック2016リオ・デ・ジャネイロ大会の開会式がある最後の巡回なので、聖火はリオ市内の観光地を巡っている。
ロープウェイは箱内でなく、命綱で身体を確保したロープウェイ会社の人が箱の屋根!に乗って聖火を掲げて大観光地ポン・デ・アスカルの頂上に移動していた。
5月のある土曜日、聖火がすぐ近所を通るというので見に行った。
家からわずか一丁の通りを聖火が通ることになっていた。
どうせ時間通りに来ることはないからとのんびり通りで待っていたら、コカコーラの宣伝バンがやってきて近くの角のスペースに止まり、宣伝の音楽を流し始めた。
これは何かキャンペーングッズを配り始まるだろうと期待していると、思った通り何か配り始めた。
コカコーラの宣伝マスコットのシロクマ顔で、裏側にはメッセージが書いてある中に掌を入れて聖火が来たら振り回すミットのようなものである。
近くにいる人のを良く観察するとデザインとメッセージにかなりのヴァリエーションがあるようで、一体全部で何通りあるかはわからなかった。
しばらくしたら五輪特別パッケージのコカコーラ缶250mlを配り始めた。
あまり人が多くなくて、余っているようなので、いつもは飲まないコーラを3本も飲んでしまった。
時間は過ぎてすっかり暗くなってきた。
この辺りは人がいなくて、宣伝車の場所から下っている坂は下のロータリーまで100メートルくらい、本当にここに天下のオリンピックの聖火が通るのかと不審に思うほど誰もいない。
坂を最初に登ってきたのは20台くらいの自転車部隊、これがもうすぐ聖火が来ますよと告げる、露払いを演ずる先遣隊のようである。
聖火のイラストをボディに描いたマイクロバスが続いてきた。
中にはトーチを持った聖火ランナーと思われる人が何人も乗っている。
車の中だからもちろん火は点いていない。
なんだ聖火リレーって、車で運んで誰も走っていないし、火も消えているではないか?
と勘違いしそうになったが、これから走るランナーを聖火に先回りして各リレー地点に配るバスであった。
次に来るのは荷台部分にステージを飾り付けたスポンサーの飾りトラックが、音楽を流し、ダンサーを満載して賑やかに何台か登ってくる。
トラックの装飾で確認できたスポンサーは、コカコーラ、(われらが)日産、最後にはブラジルの民間銀行の雄、ブラデスコの3つの企業であった。
しばらく空白があったが、ようやく聖火がやってきた。
二十人くらいのお揃いのカーキ色のシャツを着た面々に囲まれて、聖火を掲げたランナーが坂を上ってくる。
歩道に誰もいないので50メートルくらい聖火と並走してコカコーラ宣伝バンのところまで行ったら、聖火リレーしてランナー交代である。
カーキ色シャツ軍団は交代しないで、円陣を作って聖火を囲み、不届き者から聖火を守っている。
後からニュースで知ったのは、カーキ色シャツ軍団は força nacional と紹介されていたので、そのまま訳すと国軍である。
この連中は何キロごとに交代することになっているのかはわからないが、一番体力の必要な役目である。
今までにどんなことに遭遇したか書いてみる。
- 男がバケツの水をかけて聖火を消そうとした(数回あった)
- YouTubeの人気おばさんが柄の長いほうきで聖火の火を拝借した
- 聖火セレモニーに駆り出されたジャガーが終了後に逃走しようとして射殺された
- デモのために時間が遅れたりルート変更になった(数回あった)
聖火点灯の大役を担うと言われてきた王様ペレは、手術後間もないためそれを辞退した。
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