2017年9月9日

将来はもっと増やせる公務員

私を含む、公務員でない人たちは何かというと、特に公費の無駄遣いとかの話が出てくると、「公務員が多すぎるのが悪い、とにかくもっと減らすべきだ」と結論したくなるのだが、本当にそうなのか。
調べる機会があり見つかったものがあったのでここに書いておく。

Employment in the public sector
http://www.oecd-ilibrary.org/governance/government-at-a-glance-2015/employment-in-the-public-sector_gov_glance-2015-22-en

各国の雇用全体に占める公務員の割合(パーセント)
アメリカ合衆国と中国を除く(その理由は不明)
国略号国名20092013
CZEチェコ34.0
DNKデンマーク33.634.9
NORノルウェー32.034.6
LVAラトビア31.2
SWEスウェーデン29.028.1
SVKスロバキア26.527.2
HUNハンガリー26.326.8
ESTエストニア26.626.1
LUXルクセンブルグ25.726.1
POLポーランド26.825.2
IRLアイルランド24.7
GBR連合王国24.923.5
SVNスロベニア20.922.9
GRCギリシャ22.222.6
UKRウクライナ22.421.7
BELベルギー22.921.5
OECDOECD平均21.121.3
CANカナダ20.320.4
FRAフランス20.119.8
AUSオーストラリア18.4
CHEスイス15.018.0
ZAF南アフリカ15.417.4
DEUドイツ15.4
ITAイタリア17.417.3
ESPスペイン16.217.1
PRTポルトガル16.4
TURトルコ13.912.9
NZLニュージーランド12.912.4
BRAブラジル12.1
MEXメキシコ12.511.8
CHLチリ10.010.7
JPN日本7.97.9
KOR韓国7.6
COLコロンビア4.6

これを見ると、ブラジルの公務員は予想に反してかなり少ないことがわかる。
日本に至っては、少ない国の筆頭の一つである。

さて最近紹介したブラジル最小の自治体である、Serra da Saudadeのルポがテレビで流れた。
総人口は812人である。
そして、最大産業というか最大雇用は公務員であり、180名いる。
総人口の中でどれだけ労働人口があるかは不明だが、50%と仮定すると、2*180/812 = 44.3%となる。
さすがにこれは、地方交付金で回っている自治体であることは間違いない。

町に商店はよろず屋のようなのが2軒あって町の人口を分け合い、飯屋は1軒あるが、宿屋、郵便局、宝くじ売場(連邦貯蓄銀行の代理で簡単な銀行業務を行う)、ガソリンスタンドは、地図を見ると17km離れた隣町まで行かなければならない。
最近の街の流行を持ち込んだ人がアスレチックジムを開いたのだが、ルポした時間にはトレーニングしている人は皆無、近所の人が従業員とだべっているだけで、すぐにつぶれそうであった。

ブラジルも日本も公務員が少ないことがわかった。
将来AIやロボットの発達によって、労働ポストが極端に減るような時代が本当に来るのなら、「ベーシックインカム」の代わりに、少なくなる人間の仕事を皆でシェアして「パートタイム公務員」として、ブラジルの労働組合が要求する「週30時間労働(現在法定週44時間)」どころか「週二日出勤」くらいにしてもらったら、誰もが平等に、少しだけ労働して後でゆっくり休養できる。
もちろん現在のブラジル社会に歴然と存在する公務員の特権は全部廃止して、民間と等しく扱わなければ意味がない。

ついでに現在ブラジルの大部分の犯罪の原因となっている薬物を全部解禁してしまえば、暇な時間が増えてもすることがないという人でも時間つぶしができるし、犯罪も減るし良い解決法でないか。
人民の飼い殺しだって?
そうではなく、理想的社会主義の実現に向けた壮大な社会実験である。

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