ブラジルの大衆貯金の金利計算方法が変わる
で紹介した、2012年に「低金利時代に備えて」作られた、ポウパンサ貯金金利の計算特例が久しぶりに発動されることとなった。
Por que a poupança é um investimento ainda pior a partir de hoje
今日からもまだポウパンサは最悪の投資なわけ
で説明している。
ブラジル独立(1822年9月7日)記念日の祝日の前日、2017年9月6日からSELIC金利が1ポイント引き下げられ年8.25%となった。
Taxa SELIC(SELIC金利)とは、ブラジル中央銀行のサイトによると、連邦債のSistema Especial de LIquidação e de Custódia、訳すと「決済と保管の特別システム」が算出する調整済み平均金利ということだが、詳しい定義は置いといて要するに、ブラジル経済の基本金利である。
その結果、計算特例が発動する8.5%のラインを割ることになり、ポウパンサの利息はSELICの70%プラスTRとなり、低金利条件でTRはゼロに等しくなるから、0.7 x 8.25% = 5.78%となった。
一方でCDI(銀行間預金証書)は、法則があるかどうかは不明だがSELICと同一であるか、月利にして0.01ポイント低い数字となっているので8.25%とすると、CDI100%の確定利付ファンドであったら、2年据え置けば源泉所得税15%を差し引き7.01%、6ヶ月未満で引き出しても源泉所得税22.5%を差し引き6.39%となるわけで、ポウパンサより有利となる計算である。
ちなみに参考にしたInfoMoneyサイトの記事によれば、ブラジルにすれば最近の低インフレ(年3.5%)を考慮すると、実質年利がそれぞれ2.28%、3.51%、2.85%となる。
確定利付ファンドやCDB(銀行貯金証書、定期預金に相当する)では、運用金額が小さいとCDI比率が悪くなるが、6ヶ月未満で引き出しするとしてCDI比率が何%でポウパンサと同利息になるのか計算すると、90.4%という数字が出た。
0.904 x 8.25% x (1-0.225) = 5.78% である。
当然ここは、ファンドの目論見書のCDI比率を運用金額に当てはめて何%になるか、それから運用期間によって引かれる源泉所得税を求めて、このファンドは得か損か計算することになる。
だから、「ポウパンサは最悪の投資である」という命題は、単純に信じてはいけないことがわかる。
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