2017年12月7日

上の災いは下の潤い

金持ちと貧乏、または悪徳政治家と庶民の話ではない。
ましてやエロチックな話でもない。

先週末から降っている大雨のため、ミナス・ジェライス州の一部ゾナ・ダ・マタ(Zona da Mata-森林地帯)地方に大被害が出ている。
リオ・カスカという、同名のカスカ川(Rio Casca)の辺りの町は、月曜日(2017年12月4日)には川が10メートル以上増水して、住民の90%に当たる千人以上が家屋浸水のため避難している。
ブラジルの少なくともこのあたりの家は中空床でないから、床上床下の区別はなく、水が開口部から入れば即床上浸水である。

昨日のニュースが興味深かったので考察する。

地図を見るとリオ・カスカはリオ・ドセ(Rio Doce)と合流してから東側の隣州エスピリト・サント(Espírito Santo)州に入りこれを横断して大西洋に注ぐ。
リオ・ドセ水系の西側にサン・フランシスコ(São Francisco)水系があって、その上流域でも大量の雨が降った。
サン・フランシスコ川上流はミナス・ジェライス州内であるが、降って増水した川の水は北上して北東側隣州のバイア(Bahia)州に入り、ブラジル北東地方最大のソブラジニョ貯水池(Reservatório de Sobradinho)に、15日かかって到達する。

ソブラジニョ貯水池の水位は極めて危なく、11月30日で2.62%、12月6日現在2.92%となったが、あと十数日たてばこの大水が貯水池に達することになる。
干ばつが少しは和らぐ恵みの水である。
上流であれだけ悪さをした水を待っている人がいる。

日本とブラジルの大河、信濃川とサン・フランシスコ川の比較表を作ってみた。

歩行時間は時速4キロで歩いて源流から河口まで何日かかるかである。
もちろん歩くのに標高差は考慮せず、平坦だったらの仮定である。
歩く速さで水が流れているならば何日かかるかと同じ計算である。

100m間落差は、100メートル下流は標高が何メートル低くなっているかである。
これも上流から下流まで平均した数字だから、あくまでも参考である。

項目信濃川サンフランシスコ川倍率(SF/Shinano)
長さ(km)3672,8637.80
歩行時間(日)3.829.8
標高差(m)2,4751,2000.48
100m間落差(m)0.670.040.06
流量(m3/s)5182,9435.68
流域面積(km2)11,900641,00053.87

思ったより流量の差が少ない気がする。
ついでに書いておくが、サン・フランシスコ川の流域は日本全体(37万8千km2)より広い。

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