トラック輸送が止まっているだけでなく、止まったトラックが各地で国道を封鎖している。
鉄道輸送の場面が非常に限定的であるブラジル社会の血管は道路に、血球はトラックに例えることができるだろうが、今週は血管に血球がこびりついてふさがった血栓症状態である。
始まりは2018年5月21日月曜日であった。
現時点で日常生活にどんな影響が出ているか?
- ガソリンスタンドの行列がすごい
と思っていたら売る燃料がなくなったので行列も消えた* - 市内バスの運行本数が半分に減った*
リオデジャネイロ市のBRTは6年前の開通以来初めての全休、普通のバスは23%しか動かなかった - ケロシンが空港に配達されないため、航空便がキャンセルされる*
- 卸売市場に商品が届かず*、スーパーで野菜・肉など生鮮食料品が品薄になる
- プロパンガス店の売り物のガスが無くなった*
ブラジルの家庭やレストランの厨房で使われるプロパンガスがなくなりそうになると、買いに行ったり配達を頼んだりするのだが、現物がない - 事業所や工場の原料供給が止まり、製品の発送もできず操業を停止する
- 通学バスの燃料がないので学校が休校になる
- ごみ収集が停止される
- 酪農家で牛乳があふれるので泣く泣く捨てる一方、チーズ生産者は原料不足で生産できない
- 飼料が不足したり製品を出荷できない養鶏農家が、鶏や卵をただで配る
- 薬局や病院で薬品や資材が不足するので、うかつに病気にもかかれない
- 病院などの非常電源の燃料が不足する
さてこうして並べていくと、人的物的な直接の傷害や破壊の被害はないものの、日本の震災後のような物不足の状況と非常に似ていることに気づく。
ただ不可避な自然災害ではなく、トラック輸送の麻痺という純粋に人為的な行為のみによって、わずか4、5日でこれだけの悪影響が矢継ぎ早にあらわになるブラジル社会の脆弱さが、何とも感覚的に理解し難いところがある。
日本人の災害時の助け合いや我慢強さのような特質や、普段から災害時に備えた公私共の予防や備蓄の十分さと比較してしまうからそう思える。
0 件のコメント:
コメントを投稿