2018年10月1日

東京五輪ボランティア募集につまづくか

五輪ボランティア募集ページが複雑怪奇…組織委は早急な対応を! --- 音喜多 駿
9/29(土) 17:05配信
というのが、ヤフージャパンのサイトに掲載された。
音喜多氏は、今度の2020年のオリンピック大会の主催都市、東京都の都議会議員である。
五輪大会ボランティア応募フォームの記入が難しすぎると言うのだが、どんなに複雑怪奇なのか記事を読んだ感想を書く。
最初に断っておくが、スマホでなくPCで入力する場合を想定している。

「システムを作っているのは、オリンピック公式ワールドスポンサーのATOS(仏系企業)。
それもあって、デフォルトで設定されている言語は英語です。いや、なんでだよ!!」
と音喜多氏は疑問と怒りを表明するのだが、主催者は一体どれだけ外国人のボランティアを予想しているのだろうか?

参考のためにワールドカップ2014ブラジル大会のためにFIFAが募集したボランティアについてのデータを、過去の本ブログから引用する。
投稿日: 2014年1月18日には、「FIFAの1・2次募集ボランティアの48%は開催都市外からの参加者であり、国外137カ国からの3,980人の応募者トップ10は、Colombia (1,427), USA (772), Spain (760), Mexico (742), Argentina (731), Poland (495), Peru (481), Germany (352), China (335) and Russia (314)とある。」

FIFAの1・2次募集ボランティアの総数が、本ブログの別の記事、投稿日: 2012年8月22日にある、「コンフェデレーションズカップには7,000名、ワールドカップには15,000名が募集される。」と等しいとすると、ボランティアの約半分は開催都市外からの参加者であり、4000/15000=27%、ざっと4人に1人はブラジル以外の外国から参加している勘定であった。

ということは、4人に1人は日本語以外の言語で応募すると考えてよいのではないかと思ったが、隣国が地続きでないからブラジルのワールドカップのように外国人率が高くなることはないだろう。
確かに大半は日本人向けなのであるが、デフォルト言語が英語であっても特におかしいと文句つけるほどのものだろうか。

言語選択問題である。
「言語選択が国旗マークというのも大丈夫なんでしょうか…?」と記事では問題提起をする。

ブラジルで見る多国語サイトでは、例えばポルトガル語、スペイン語、英語、フランス語の切り替えが、ホームページ上右端に並ぶそれぞれ、ブラジルまたはポルトガル、スペイン、イギリス、フランスの国旗アイコンをクリックすることによって切り替えを行うサイトがかなり多い。
国旗マークで大丈夫なのですよ。
他所の国の国旗など皆目わからんという人にとっては全く意味不明だろうが、どんな外国語のオプションがあるかクリックなどしなくても一瞥しただけでわかるから、慣れたら視認性は良い。
言語オプションが数十もあったら使える方法でないことは認める。

年月日入力問題である。
年月日入力の場面で、
「「DDMMYYYY」の意味を若者や老人がどれだけ理解しているのかね?
基本はシステムに携わってる人間じゃないとなかなか理解出来ないとおもふ」
という意見が紹介されている。

確かにシステムに年月日を表示させるフォーマットを指定するときに、このような表記法をよく使うことは認める。
ただ、ブラジルで通常に使われる年月日表記法を使って、今日の日付2018年10月1日つまり、
"01/10/2018"
を、システムに入力するときは、通常のブラジルのサイトの作り方なら、
日をhtmlのセレクトボックスで1から31の中で選択させる→
月をhtmlのセレクトボックスでjaneiroからdezembroの中で選択させる→
年をhtmlのセレクトボックスで1948から2018の中で選択させる(対象が70年以内と仮定)
とするか、唯一つのテキストボックスで、DDMMAAAAとフォーマット指示を付けて、01102018と数字列を入力させるかどちらかだろう。
DDは日(dia)、MMは月(mês)、AAAAは4桁の西暦年(ano)を意味する。

前者のフォームだったら、いちいちセレクトボックスを開いて探してクリックでも良いけれど、すばやく入力したいのなら、0-1-Tab-o-Tab-2-0-1-8とタイプするが、後者だったら0-1-1-0-2-0-1-8だけだからテンキーのみ使ってより早くタイプできて、慣れるとこっちの効率が良い。

一番頭にくるのは、次のような場面である。
長時間かけてページ全部の入力を済ませて次ページに移る進むボタンを押したら、入力データチェックが行われて、訂正の後で再送信をすると、特にパスワード入力欄はリセットされることが多くて、解読困難で強力すぎて自分でも覚えられない長大パスワードを、コピペが効かないから何度も何度も再入力を強制されることである。
また、何ページにも渡って全部の入力に数十分かかるようなときに、進捗パーセントが見えない上に、入力の途中で続きは後でするために、その時点までの入力データをセーブできないつくりの入力システムは辛い。
それほど大事な要件でなかったら、嫌気が差して諦めてしまう。

私自身が、日本から見た海外のサイトの入力インターフェースに慣れてしまったせいで、引用したサイトで酷評された東京オリンピックのボランティア応募ページに、自分で操作してはいないから確実な印象ではないものの、それほど違和感を感じないのだろうか。
でも、あえて言えば、オリンピックのボランティアをしようとする人に、最低の国際的適応性を求めることは間違っているのだろうか?

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