2019年12月15日

環境の決め手は中国とマトリックス

COP25がマドリッドで開催されているが、最終声明に手こずっている。
環境問題であるが、私たちは地球を守る必要などない。
何より地球を守るなどと大それたことなどできないし、地球は人間の営みなどで壊れることはない。
壊されるのは人間、多分その一部と、哀れにも巻き添えを食ういくらかの動植物であって、地球は壊れない。
地球は強靭で崇高なものだ。

火星や金星には、昔は空気や水があったと信じられているが、誰も悪さをしないのに、現在は呼吸できない薄い大気とか、高圧高温の有害な大気という厳しい環境になっている。
火星や金星自体は、多分外観がかなり変わっているかもしれないが、びくともしていない。
地球もそれと同じで、表面で何が起きようとも全く気にしていない。
惑星に意識があったとしての話であるが。

二酸化炭素が増加しているからと言っても、それは大昔に植物やプランクトンであった炭素が、石油や石炭のような炭化水素に形を変えたいわゆる化石燃料が、大気中に放出されているものである。
大昔の地球は、植物がおきなく吸収して繁茂できるほどの二酸化炭素の濃い大気であり、高温多湿であったであろう。
どんどん育ってから次々に倒れて地面に積もり重なり合って、腐った植物が高圧で固体になったものが石炭だと教わった。
海中にはプランクトンも大量に繁殖して、海底に積もったその死骸が地殻変動で地中に取り込まれて高圧・高温の作用で濃縮された炭化水素になったものが原油と理解している。
1億年以上に渡って地中に蓄積された炭化水素が、ここ数百年で全部放出されたらどうなるのか。
  1. 大気中の二酸化炭素濃度が増える
  2. 温室効果で気温と表層海水温が上がる
  3. 極地方の氷が溶けて海面面積が増大する
  4. 海面の蒸発量が増える
  5. 高温多湿のため巨大低気圧が陸地を襲う
  6. 豊富な二酸化炭素、水、高温多湿のため石炭紀のような植物が進化する
  7. 石炭紀の再来
というわけで、地球はちっとも困らない。

もう面倒だから何も環境対策をしないというのはどうだろう。
温暖化などがほら話だったなら万歳、不幸にも災厄が本当に起きたのなら、残念ながら人類社会の弱いところが犠牲になって人口を減らしてもらう。
人口が減って生産活動の規模が小さくなれば、環境への負荷の排出は同様に小さくなって、環境を生命維持が難しい方向へ悪化させてきた要因はなくなる。

でもそれはあまりにも無策と言われそうだから、妄想を働かしてみる。

環境が悪化していく途上で、今はかなりバラバラな科学者の意見が収斂して、全人類の賛同を集結することができて、全世界の国々の指導者が団結することに成功すれば、放っておいたら更に人類生存に不適になる環境悪化をくい止めて、その修復のために人類の全力を傾けるという、感動的な復活のシナリオが描けるだろう。

バラバラな科学者の意見を調節するためには、難しそうだが、世界に唯一の地球気候変動に責任を持つ気候変動定義学会を作って、できるだけ多くの観察・実験結果から計算に使われる多数の係数を世界一意に決定して、唯一の全地球モデルによる気候予測を算出する。
人類活動による二酸化炭素(とその他の温室効果を起こすガス)排出と気候変動の間に因果関係が存在するのならば、異論が出なくなるまで、環境悪化は容赦なく続き、データは蓄積して、因果関係存在説への賛同がどんどん増えるだろう。
検討し尽くされて誰もが納得したこの段階から先、異論やちゃぶ台返しは絶対許してはいけない。

拒否権によって何も決まらないような安全保障理事会など廃して、気候変動定義学会の成果を忠実に実現するため、絶対的な強制力を持つ地球未来総会を創設して、その指揮のもとで各国は温室効果ガス削減を指導・監視される。
そうだ、この期になってまだ権力にしがみついて、生活緊縮から逃げ切ろうとする、年金受給世代の影響力を削ぐために、前回の記事環境は年金と同じ老若対決で書いたように、年金負担世代の投票権を2倍にすることを、地球未来総会は世界中の民主主義国へ強制しなければならない。
絶対君主国や独裁国にはその強権を発揮させて、地球未来総会の決定に国を従わせる。
人類生存の危機だったらできるだろう。

理論的に言えば、国民一人当たりが大量の二酸化炭素を排出している国は、削減すべき量が大きくなるはずである。
ただ、誰でも今優雅な暮らしをしている人は贅沢を失いたくない。

現在ブラジルを含めて開発途上国が持っている不満は、先進国は環境問題などなかった時代に、時には植民地を利用して化石燃料を自由に使って豊かになることができたのに、環境政策の制約のため、途上国に豊かになる権利がないのは不公平であるというものだ。
それだったら、豊かな国、つまり国民一人あたりの温室効果ガス排出量が多い国の必要削減量の一部を、貧しい国に支払うことにすれば良い。
難民を流出させるような途上国は大部分熱帯近くにあって、当然国民一人あたりの温室効果ガス排出量は低いはずであって、温室効果ガス削減量の移転を受け取ることができる。

ただでお金がもらえるのではなく、その代償は、移転された資金を使って、絶対に難民を他国へ流出しないで暮らせるような仕組みを国内に作ることである。
祖国で十分人間的な暮らしを送れるのならば、難民として他国を目指す必要がなく、摩擦を起こす原因となりうる人間の移動を制限できるのなら、制度化された国際的なベーシックインカムであっても構わないと思う。
難民問題はこれで解決。
人類生存の危機だったらできるだろう。

温室効果ガス排出量を的確に捉えることはできるか?
産業場面では当然農業や工業の生産でも、サービス業のサービスでも、経済活動にコスト計算がされているのだから、温室効果ガス排出量はどちらかというと算出しやすい。
世界中の会計士よ、あなた達の出番だ。

問題は個人の活動である。
ブラジルのように貧富の差が世界一、二の不公平な国であったらどうするのか。
下手に平均で語っては、貧富の差による不公平は埋まらない。
どうするのか。

中国のようにキャッシュレス支払いシステムと顔認識機能つき監視カメラをめぐらして、国民の行動を全部記録するのである。
国民一人ひとりの行動を追跡して、牛肉を1キロ食べたから何グラム、飛行機で1000キロ移動したから何グラムといった標準排出量を合計すれば、その個人の一ヶ月とか一年とか単位期間当たりの温室効果ガス排出量が出せるはずである。

共産党幹部が素直に従うかは非常に疑問が残るが、全世界で実施することに全世界が同意するくらい気候悪化が切羽詰まったら、中国政府が経済分野のようにええかっこしいして、ついでに儲けを取ろうとシステムを全世界に売りまくる算段をして、結構率先してやるかもしれない。

現在の中国の技術と監視体制でも国民が、都市部だけではあろうが、何を購入して何を食べて、どこへどの交通機関を使って移動して、そこで何をしたかが、かなりわかっているのではないだろうか。
国民個人の信用力が調査されて、様々な場面で使われているらしい。

そうすれば今贅沢をしている人は排出量削減目標は大きく、美食や観光は諦めるように命令され、慎ましい暮らしの人は目標は小さく、今の暮らしとあまり変わらないことだろう。
反社会的勢力は命令から逃れようとするだろうから、本番に入る前に先進国の排出量移転の資金を利用して徹底的に潰す。
貧富の差という社会問題はこれで解決。
人類生存の危機だったらできるだろう。

行動と精神の自由を制限されてまで生きたくない?
今から全世界総力でAI技術を集結して、もうマトリックスのように何もしないでカプセルの中で培養されて、仮想現実世界で思いっきり贅沢をすればいい。
人間の精神の自由の問題はこれで解決。
人類生存の危機だったらできるだろう。

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