2019年12月14日

環境は年金と同じ老若対決

pirralho, -a 名詞 子供;小柄な人
ativista 名詞男女同形 活動家

ごく最近世界のニュースで注目されたポルトガル語の単語がある。
ブラジルのボルソナロ大統領がグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)を語るときに形容した単語、pirralhaである。

ポルトガル語の綴りと発音規則を知らないと多分どう発音するのかわからないだろう。pirralho ピラーリョ、私の地方の発音に従うとピハーリョ、「ガキ」とは書いてないが、上の訳は辞書によるものだ。
グレタは女性なのでpirralha ピラーリャである。

グレタ少女が米国の雑誌Timeの「今年の人」に選ばれて表紙に載ったことに反応したトランプ大統領であるが、自分がとってやろうと目論んでいるノーベル平和賞を、下手したらさらわれそうだという恐れから出た発言ではないかと思ったりする。
「俺より目立っているから癪だ」という理由かもしれない。

この「とんがった少女」は、もう将来の道は活動家に決まったようなもので、政治家になる可能性も高いが、世界はその一挙一動に注目しているから、予想に反して清貧であることをやめて、肉食をしたり自家用機で飛び回ったりし始めたら世間の風当たりは半端ではないだろう。

とにかく今のところ、名指しでグレタさんについてネガティブな批評をしたのはトランプ大統領とボルソナロ大統領であって、それに応ずるグレタさんのSNSへの発言には面白がって、記事にすると視聴率は上がるから喜んでいるのは世界のマスコミである。

環境問題は押しなべて人類に関わるのではなく、地域間にでもあるが、世代間に利害対立が生ずる運命である。
これから20年の余命しかない世代が世界の国々を代表して、やりたくない決断を渋って先延ばしにして、もしも大災厄が本当に存在するのだったら、これから80年生きる世代の未来を左右する状況なのだ。

この世代間闘争、もっと直截にいうと老害排除のために、各国の公式な年金受給年齢に達した有権者の票数を1票から0.5票に削減すればよいのだ。
もっと良さそうなのは、年金受給世代の票数を1票としておいて、年金負担世代の票数を2票にするのだ。
そうすれば2票の使いみちを、与党をもっと盤石にしたければ与与、バランス感覚を考えれば与野、政権交代を望むのなら野野のように、あるいは、右右、右中、中中、左中、左左、もちろん左右でもよいが、自分の票の使い方に選択肢が増えて投票が楽しくなるから、投票率も少しは上がるだろう。

年配の人の経験と知識を社会に奉仕してもらうために、選挙権は二分の一にしても、被選挙権は年齢に関わらず維持するのである。
参政権の侵害だという意見には、国民や人類の生存権の尊重という意見をぶつけてやれば良い。
もちろん受給世代の尊厳ある生存を保障することは、成文化して不安を取り除く。

環境問題は地球全体に関わることであるから、日本が率先して世界にこの方法を呼びかけて、年金年齢は国によって違っても、将来生きる時間に応じて負担世代と受給世代の意見の重みを加減するのは、環境、人口などの問題の全世界的解決に役立つことだろう。

現在フランスは年金改革に反対するストやデモでなかなか荒れているが、50歳で年金入りする制度を維持したいというのが労組の要望であっても、選挙権が半分になると言ったら少しは考えが変わるかもしれない。

もちろん書いていて、憲法改正が必要であるから、老年人口が既に増えた今では、この試みは絶対無理だとは思う。
でもグレタ少女の登場は、若い世代にとってその意見を反映していくのにどうしたらよいか考える絶好の機会を与えてくれる。

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