「コロナワクチン投与法の動画公開 厚労省、筋肉注射で」
という見出しの記事を見た。(2021/02/12 共同通信)
一節を抜き出す。
「日本のワクチンは皮下注射が多く、浅く斜めに針をさす。筋肉注射は、皮下組織の下にある筋肉まで針をまっすぐに深く刺すのが特徴だ。」
へーそんな違いがあったなんて、全く気づかなかった。
ブラジルでも、もう何回もいろいろな注射をしてもらったが、注射のやり方の違いが気になったことなどない。
実は怖いから自分の腕に針が刺さるのを見たくないので、いつも注射の腕の反対側を向いているか、目をつぶっていたりして、どんなふうに注射をしているのか、全く気をつけてみたことがない。
最近のニュースではブラジル各地のワクチン注射の光景がよく流れるが、注射シーンのクローズアップも多い。
そうして注目してみると、いかにも筋肉注射である。
皮下注射とは様相が違う。
接種者は被接種者の腕を、肉が盛り上がるようにつかんで、皮膚面と垂直な角度で、短い針の場合には根元の太い基部が膚にくっつくくらいまで、容赦なく深く刺す。
針が腕の骨に刺さるのではないかと、心配すらしてしまう。
今回順番が回ってきて、これまでのワクチン開発の歴史の通例を破って、わずか1年足らずで作られた新型コロナウィルスワクチンを自分が打たれることになったとしても、目をつぶっていればよいだろうと思っていたのだが、そうもいかない事件があった。
ゴイアス州ゴイアニアで起きたことだ。
順番が来た年配の女性が注射を受けた。
付き添いの娘さんがスマホで、記念すべき接種シーンの撮影をした。
あとからビデオを見たら、腕に針を刺しただけで薬液を注入しないまま針を抜いたという、手抜きというか、接種詐欺というか、そんな目にあったと言って警察に訴えた。
撮影されたビデオがテレビニュースで流されたが、本当に刺しただけでピストンを押さないまま抜いてしまったのかはよくわからなかった。
これは貴重なワクチンの窃盗だろうか。
接種詐欺だとして、いったい誰が得をするのか。
刺すだけで注射したふりをして、ワクチンが一人分入った注射器を捨てないで、隠して外へ持ち出そうとしているのか。
ずいぶん手間のかかる盗み方だ。
誰がワクチンを欲しているか。
医療関係者や高齢者でなく、優先順位がついていない普通の人だろう。
予防注射がまだ公式に始まっていない日本で、偽物の疑いすらある中国製ワクチンを、闇市場から入手する金持ちがいるとか聞くから、ブラジルでも自分の順番が回って来るのは何ヶ月も先のことだから、いくら金をかけてもいち早く予防接種を受けて安心したいという人がいるのだろう。
いやしかし、一刻も早くワクチンが欲しくても、一度見知らぬ誰かの腕に刺した針を、自分の腕に刺してもらっても平気だという人が一体いるのだろうか。
ただでもらえると言われても、御免こうむる。
訴えがあったため、警察は接種担当者を捜査することになっているが、こんな事件が頻繁に起こるとは考えられない。
だがそうではない場合に、接種詐欺の被害者にならないためには、同行者に証拠ビデオを撮影してもらうか、それができなかったら、確かに薬液が腕の中に注入されているか、自分の目ではっきり確認しなければならない。
ああ怖い、ああいやだ。
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