2021年11月6日

ブラジル5Gのスケジュール

2021年10月4,5日に、携帯電話/インターネットの5G帯域の入札が行われた。
連邦政府の通信省、国家通信庁(アナテル-ANATEL)が実施したものである。
15の企業が、4つの周波数帯にわたる、全国区あるいは地域区の45帯域の、10年ないし20年使用権の入札に参加した。
入札総金額は467億レアルであった。 政府が当初予想していた496億レアルには届かなかったが、連邦政府は、原油鉱区プレサルの入札に次ぐ巨額の落札額を強調した。

入札した企業の施設供用義務スケジュールは次のようになっている。

  • 2022年7月 州都
  • 2025年7月 人口50万人以上の都市
  • 2026年7月 人口20万人以上の都市
  • 2027年7月 人口10万人以上の都市
  • 2029年7月 人口3万人以上の都市
  • 2029年12月 ブラジル全土

周波数帯区域種認可期間落札社
700MHz20年Winity II Telecom Ltda
2.3GHz地域20年Algar Telecom, Claro, Brisanet, Tim, Vivo
3.5GHz全国20年Claro, Tim, Vivo
3.5GHz地域20年Algar Telecom, Brisanet, Cloud2U, Consórcio 5G Sul, Sercomtel
26GHz全国20年Claro, Vivo
26GHz地域20年Tim, Algar Telecom, Fly Link
26GHz全国10年Tim
26GHz地域10年Tim, Neko

落札企業にはブラジルの携帯電話会社としてすでにおなじみの、Claro, Tim, Vivo(以上全国に展開)、Algar Telecom, Sercomtel(以上特定の地域に展開)が登場するが、これまでに聞いたことのない新しい会社も名を連ねている。
その新会社6社は、Winity II, Brisanet, Consórcio 5G Sul, Cloud2U, Fly Link, Neko 

連邦政府は各周波数帯落札の諸企業に、次の社会的義務を課す。

  • 700MHz帯 連邦道路3万1千キロ沿いにインターネットを施設する
  • 2.3GHz帯 現在サービスがない市域に4Gを施設する
  • 3.5GHz帯 連邦行政のため専用通信網、アマゾン地域にファイバー網の施設
  • 26GHz帯 基礎教育学校へインターネット接続を施設する

2021年11月9日発表報道によると、早速落札した物件を辞退する企業が現れた。
上に訂正線を付けたFly Link社である。
辞退理由は、より戦略的に欲しかったロットを落札できず、落札した唯一のロットではビジネスモデルが成り立たないと、出資予定者の一人が出資に難色を示したということである。
落札後の辞退に対する罰金として落札額の10%が課されるとされている。

Winity は700MHz帯の運用を断念したと、2023年12月に発表された。

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