米国のカーニバルで有名なニューオーリンズのサイトがあって、2059年までのMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。
Mardi Grasとはフランス語で確か「肥えた火曜日」と言う意味だったと思うが、ブラジルでは普通にTerça-feira de Carnaval「カーニバルの火曜日」と呼ぶ日である。
カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけは教会に従っている。
有り体に言えば、謝肉祭というくらいだから、カーニバルで現世の喜びを十分に満悦してから、心置きなく襟を正して四旬節の節制に臨む、という意味をつけられる。
とにかく、キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。
年の後半にある、キリスト教関係で一番有名な日であるクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これはハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)と続く一連であるが、前の2つは祝日ではない―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。
ついでに言うと、ブラジルではハロウィンは子供の学校行事で楽しむくらいで、同じキリスト教といっても外国の行事のようなものである。
もっともインスタ映えや商業主義のために、近い将来どうなっていくかは予想できない。
2023年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2023年ならば4月9日日曜日が、一連の移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2022年より8日早い。
復活祭の日付の決定方法について過去の記事に説明した。
待降節(Advento)は、クリスマスに備える期間であるが、その第一日は日曜日に決まっていて、11月30日の「聖アンデレ(Santo André)の日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。
アドベント期間には必ず4つの日曜日が含まれる。
2023年は、この最も遅い年に当たり、12月3日、12月10日、17日、24日(クリスマスイブ)の4つの日曜日の後、25日クリスマスは月曜日に当たる。
このように、天体の月の動きによって大幅に日付が前後する、年の前半の移動祝日とは、その決め方が全く異なる。
行事 | 日の決まり方 | 2023年 | 休日種類 |
---|---|---|---|
カーニバル Carnaval | 週末から灰の 水曜日前日4日間 | 2月20日,2月21日 月火曜日 | PF |
灰の水曜日 Quarta-feira de Cinzas | 復活祭46日前の水曜日 | 2月22日水曜日 | 14時までPF |
四旬節Quaresma | 灰の水曜日から復活祭前日 | ||
枝の主日 Domingo de Ramos | 復活祭7日前の日曜日 | 4月2日日曜日 | |
聖週間Semana Santa | 枝の主日から復活祭前日 | ||
キリスト受難日 Paixão de Cristo | 復活祭の2日前の金曜日 | 4月7日金曜日 | FN |
復活祭Páscoa | 北半球春分の次の 満月の次の日曜日 | 4月9日日曜日 | |
ペンテコステPentecostes | 復活祭の49日後の日曜日 | 5月28日日曜日 | |
キリスト聖体の日 Corpus Christi | 復活祭の60日後の木曜日 | 6月8日木曜日 | PF |
ぽつんと年末に孤立 | |||
待降節初日 Início do Advento | 11月30日に最も近い日曜日 | 12月3日日曜日 |
ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 上表ではFN)、任意出勤(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意出勤というのは、条例や労使協定によって、地方自治体、職種組合や職場ごとに、休日とするか勤労日とするか決められる。
大部分の勤め人にとっては、普通の休日となることが多いが、商店は営業するところと休むところがある。