2019年10月20日

今年も馬鹿なままのAndroid

毎年この時期にはブラジルの夏時間入りについて書くのが定例となっていたのだが、今年はそれはない。
今年の4月に出た政令(大統領令)によって廃止されたからである。
政令の骨子、というかほとんど全体であるが、ここに書いておく。

2019年4月25日政令9772号
  • 第1条 国家の領土で夏時間は終了される。
  • 第2条 以下は廃止される:(以前の25の政令リストが続く)
  • 第3条 本政令は公布の日から効力を発する。
これだけである。

なぜブラジル(中西部・南東部・南部の3つの地方)で夏時間は廃止されたのか。
夏時間の目的であった電力節約を、時代とともに変わってきたブラジル人の生活様式、一つ例をあげれば家庭でのエアコン使用の普及によって、達成することができなくなったからである。
また別の大統領が夏時間復活させる可能性はゼロではないが、目的達成ができないのなら利点ゼロに対して、わざわざ反対意見の多い夏時間を復活させる意味は全く無いだろう。
ブラジルの他の2つの地方、北部と北東部は、低緯度のため、もともと夏時間は存在しない。

そんなわけで、今年は10月の第三土曜日の翌日の日曜日に、ネットワークにつながっていない家中の時計、カメラ、電話を1時間早める恒例儀式がなくて楽々だ、と思ったのだがそうではなかった。

Windowsより馬鹿なAndroidというテーマで書いたのは1年前だったが、実は今年になってもWindowsは、上に引用した今年4月、つまり6ヶ月前に発効した政令を賢く覚えていたのに、Androidは馬鹿なまんま、昨年と全く同じように勝手に要らぬ知ったかぶりおせっかいをして、10月の第三土曜日から日曜日に変わる瞬間に機器の時計を1時間進めてしまったのだ。

スマートフォンの設定をいろいろいじってみて、結局スマホの位置情報を使うと思われるタイムゾーン自動設定をオフにして、手動でUTC-3地帯の都市を選択した。

インターネットで検索したら、Googleが先週金曜日10月18日に、スマホの時刻自動設定を切るようにユーザーに勧める内容のブログを発表したそうである。
そんなもの誰が見るのか?
いや見る人は当ブログよりずっとずっと多いだろうが、アンドロイド・スマートフォンを使う人はそれ以上に多いから、今朝になってあたふたした人も、わが家の2人だけはないはずである。

結論:アンドロイドとその開発者Googleは、前年の不具合の経験を生かしきらず、今年になっても馬鹿なままである。

2019年10月15日

ブラジルは53カ国で一番の公務員天国

調査によると、公務員は民間企業の労働者の2倍の給料をもらう
Servidores públicos recebem o dobro do que trabalhadores de empresas privadas, diz estudo
2019/10/09 G1 Jornal Nacional

今日は「公務員は楽なのに稼げる」という、どこででも聞けそうな話である。
仕事が楽かどうかはなんとも言えないが、稼げるというのは本当である。
ただしブラジルの話である。

世界銀行が53カ国で調査した結果である。
ブラジルは国内総生産の10%を連邦、州、市の公務員給料に費やしている。

そして連邦の行政府の公務員の人件費は2008年から2018年の10年間でインフレ率より25.9%も増加した。
他の国も同様に公務員にはカネがかかるものだというのならまだ許せよう。
しかし、連邦公務員は民間部門の約2倍(+96%)稼いでおり、この差は調査した53カ国の中で最大であるという結果は、我慢ならない不公平さである。

ブラジルでは公務員の44%が1万レアル以上、22%が1万5千レアル以上、11%が2万レアル以上の月給をもらっている。
ちなみに現在の国定の最低給料(月給)は998レアルである。

世界銀行はこの解決策として、まあ誰でも思いつく策ではあるが、近年に給料調整を受けた公務員の給料金額の一時的凍結、キャリア初めの新任公務員の給料額削減、及び職務の整理をあげている。

ブラジル公務員連盟長という、ブラジル公務員の労組の親方みたいな立場の人が、この処方に関する意見を聞かれて、「もしも給料額凍結をするのなら公共サービスの質は落ちて、もし解雇するならば公共サービスの数量が減ることになる」と、仕事の効率化のような努力改善要因を全く無視した、内容が馬鹿なだけでなく、国民への脅しとも取れるような腹の立つ回答をしていた。

そこで左派の政府であったならまずやらないだろうと思われる行政改革を、現在の右派の連邦政府の財務省は、公務員の身分保障と新公務員の契約形態を民間と似た形に変更する計画を携えて臨んでいる。
「他の国と比較してブラジルは相対的に高い人件費を費やしているのに、社会にとって基本的な分野での結果が伴わない。この認識を変えなければならない」と、財務省の脱官僚化局長は、自分も役人ではあるがそのように説明する。

最大の予算を持ち責任も大きい連邦政府は、さすがに給料遅配という話は聞かないが、連邦を構成する27州のうち20州は資金不足のため州公務員の給料遅配が起きたことがあるか現在起きている。

ブラジル国民の心情としては、年金改革より先に、この行政改革がまず必要なのではないか。

2019年9月2日

あやふやな環境理論に翻弄されるブラジル

誰でも環境の良いところに住みたい、少なくとも自分の住んでいる土地は清浄な環境であってほしい、と願うのは当然である。
その意味では環境問題はローカルである。
今住んでいる町が下水垂れ流し、ごみ収集処理なしで不満だったら、隣町に引っ越しすれば良い。

しかし空気や水は隣町とつながっている。
国際河川だったら数カ国とつながっていることになる。
上流にある国が無責任に水資源を無駄にすると、下流にある国が困る。
中国のPM2.5は、朝鮮半島や日本列島に届くのだろうか?

今にわかに全世界が心配する格好になったブラジルのアマゾニア、あるいは南アメリカの数カ国に渡るアマゾニアが、どうして地球の肺だとか、酸素の源だとか言われるのか。

動物は呼吸によって酸素を取り込んで、生命活動に使うエネルギーを発生する過程で二酸化炭素を排出すると習った。
よろしい、一方的な酸素消費者である。

さて植物は、二酸化炭素を光合成によって炭素源としてエネルギーのもとになる物質を合成して、余剰の酸素を放出する。
しかし植物も生物であって、動物と同じように、酸素を取り入れてデンプンなどを分解してエネルギーを取り出す呼吸によって、二酸化炭素を放出する。
明るい昼間に酸素を生成しても、夜中にそれを消費するのだったら、差引勘定したら酸素量は大したことないのではないか。

もしもアマゾン地方の森林が世界の40%の酸素を供給しているというのなら、アマゾン地方の空気は、動物がたくさんいる地方、例えば大都市と比較して、酸素濃度が非常に高く、それだけ植物が繁茂しているのだったら二酸化炭素濃度などゼロに近くなって当然ではないか?
そして、アマゾン地方で生成された酸素に、例えば放射性マーカーで印をつけて追跡すると、酸素の消費地まで流れていくことが証明されてこそ、アマゾン地方は地球最大の酸素供給地であると肯定できるのではないか?

環境問題でもやもやとした疑惑が収まらないのは、地球温暖化のように過去に誰もやったことのない予測を、方法も前提条件も確立されていない仮定に基づいて積み重ねて行うので、結局時間が立ってその時が来るまで、予測が当たっているかどうかわからないことを、真実であるごとく論じているからだと思う。

そんなことを考えていて検索してみたら、
アマゾンは「地球の肺」ではない。森林火災にどう向き合うべきか
という記事で田中淳夫氏が説明している。
簡単に言えば、成熟した森林では、植物が腐食するときの菌類の活動を考慮に入れるのだから、森林を全体で見ると、酸素も二酸化炭素も出さない・吸収しないというのだ。

そうであるならば、先ごろのG7で話題になったように、諸外国がアマゾンは「地球の肺」だから、全世界が口を出す権利があるというのはおかしな話だ。

ブラジル自国の法律すら破って、自己の利益のためだけに伐採火入れを行う輩は、懲罰を受けなければならないのは自明だが、筋の通らない理屈で難癖をつけて、挙げ句の果てにブラジルのような環境破壊に熱心な国からは、肉や皮革を輸入するわけにはいかない、という制裁に脅かされるのは理不尽だとブラジルが感じるのは当然ではないだろうか。

2019年8月31日

アマゾンが熱い

G7に取り上げられてにわかに世界の注目を浴びて、文字通り熱いアマゾンである。
アマゾンという単語であっても、いくつかの意味があるので整理する。

  • Rio Amazonas(読みはアマゾナス)-アマゾン川
  • Estado do Amazonas-アマゾン州、doと定冠詞がつくのは、「アマゾン川」を指すからだろう
  • Amazônia-アマゾン圏

アマゾニア・レガル(Amazônia Legal)-多分、法定のアマゾン圏(地方)という意味だろう。
  • アマゾン盆地に属して、アマゾン植生を持つ
  • ロライマ、アマパ、アマゾナス、パラ、アクレ、ロンドニア、マト・グロッソ、トカンチンス州及びマラニョン州の西経44度以西
  • 約522万平方キロメートル(ブラジル全土の約61%)
  • 人口約2300万人(ブラジル全人口の約12.3%)

ブラジルに住んでいてもアマゾニアからは遠いので、たぶん大多数のブラジル人と同じで本当にどこで何がどれだけ燃えているのか、正直言って想像しづらいところである。

一般的な森林火災の原因を推察してみる。
  1. 強風による枝同士の摩擦や、落雷による自然発火
  2. 行儀悪いドライバーや乗客が不用意に投げ捨てる吸い殻
  3. 登録された合法な既成の農牧地に農牧活動の目的で管理された火入れをする
  4. 登録された正式な農地用途の土地に、正規な伐採をしてから火を入れる
  5. 森林保護区、インディオ保護区、あるいは所属がはっきりしない土地に侵入して、不法伐採してから不法な野焼きをする
1.の起きる確率はそれほど高くないだろう。

2.は、特に道路沿いの枯れ草によく見られるもので、アマゾニアから遠いミナス・ジェライス州でも、乾季に車で100キロほど走ると1, 2箇所は道路沿いが燃えていて、慌ててウィンドウを閉めることになるし、濃い煙に突入すると視界がゼロなので危険である。
こういうのを普段から見ているので、ブラジル人はアマゾンが燃えていると言われても、近所の道路沿いの火のようなものかと変に安心してしまって、危機感が湧いてこない。
これがアマゾン火災に対する、ブラジル人と国際社会の感じ方の違いであるように思えるのだ。

3. 乾季になると牧草が枯れてくるのだが、枯れた葉の中にそれほど乾燥していない葉が混じっていて、私が牛であったとしても、あまり食欲がわかない。
牧草の新たな芽吹きのために、延焼を防ぐ防火帯を作って囲み、枯れた牧草に火を付ける。
牧草地は一面黒い焼け野原になるのだが、雨が降ると新葉が芽吹いて、きれいな牧草地が再生する。
だからあまり推薦されない農法なのだが、これをやりたい牧場経営者は多い。

4.が3.と違うのは、既成農牧地でなく、これまで森林だったところが農牧地に変わることであるから、環境ライセンスによってその用途のため許可される必要がある。

5.は農牧目的の利用が禁止されているのに関わらず強行するのだから。当然一番悪質である。
原生林の中に元々育っていた商品価値の高い木材で儲けてから、焼き払った広野に牧草の種を蒔いて牛を粗放的に飼育して、手をかけないで再び儲ける形である。

森林の監督であるが、昔は現場にたどり着くための道路などインフラも少なかったし、衛星によるリモートセンシングもなかった。

現在はリモートセンシング技術の発達のため、毎日測定して火災数(foco de queimada 山焼き・焼け跡の中心)の日毎の変化すら発表できるようになっている。
しかし、その火元が上にあげた考えられる原因のどれに当たるのかはリモートセンシングだけでは判別できないだろうし、どのような画像分析アルゴリズムを使うのかまで理解するのは難しいが、測定誤差がかなり大きいようである。

軍隊を消火作業に動員してからのここ数日は、火災数が昨年並みに減少してきて、一昨日は去年の数字を下回って「やればできる子」でないかと思ったのだが、昨日(約1200)は一昨日(約600)の倍に跳ね上がって、ニュースでは測定誤差がかなりあると分析したが、本当にそうだろうか。

ニュース報道のとおりだとすると、火災の原因を区別しないまま、焼失面積に触れずに火災数のみに注目しているだけでは、アマゾニアの火災・伐採について分析的意見を言うことはできないのではないか。

2019年7月30日

カリオカの悲しき習性

リオデジャネイロといえばわずか3年前にオリンピックがあったのだが、当時からも、いや当時に増して犯罪が多いのは、ブラジル国内の尺度で測っても、かなりのものである。
そういった話である。

リオに住んでいる姪っ子がベロ・オリゾンテへ旅行した。
一応説明しておくと、リオ・デ・ジャネイロ市はリオ・デ・ジャネイロ州の州都であり、人口約650万人で全国で2位、一方ベロ・オリゾンテはミナス・ジェライス州の州都であり、人口約250万人で全国で6位の、いずれもブラジルの大都市である。

旅先のベロオリゾンテではUberを利用したというが、身についた習慣は恐ろしく的確だ。
車に乗り込んでさっそく行ったことが、自分の横のドアのウィンドウを急いで閉めたことだった。
運転手は窓を開けたまま平気で運転しているので、どうして閉めないのか気が気でなかったという。
えっ、えっ、窓閉めないの?
危ないよ、強盗やひったくりが手を出してくるよ!

そこでようやく自分がリオにいるのではなく、ベロオリゾンテの街中(まちなか)を車で移動していることを思い出したという。
リオデジャネイロの街を車で走るときに、窓を開けたままなんて無謀で危険な行為は考えられないそうである。
カリオカ(リオ市住人)の悲しき習性である。

逆に考えると、ミネイロ(ミナス州住人)がリオへ車で旅行するときは、この話をよく思い出して注意しないと犯罪の被害に遭うことになりそうだ。

そして、少し昔だったら乗用車のエアコンは贅沢装備とみられていたのに、熱波のときは40度にもなるリオデジャネイロで窓を閉め切るために、必須の保安装備と成してしまう、無法な世界になってしまったのではないか。

2019年7月29日

オートマ車は欠陥危険機械

ブラジルのボルソナロ大統領が議会へ送った交通法改正案が、また議論を呼んでいる。
  • 免停到達点数を現行20点から40点へ引き上げ
  • チャイルドシート不使用の違反金を廃して書類通知と減点のみにする
  • カテゴリーC以上の免許更新時の薬物検査義務の中止
  • 免許証有効期限の現行5→10年へ、65歳以上は現行3→5年へそれぞれ拡大

多くの運転免許を所持する一般市民が喜びそうな政策であるが、政府が一番ターゲットと考えているのは、去年全国でストを打たれて、国全体がマイナス成長に落ち込んだ原因となったトラック運転手の組合である。
すぐに免停になってしまう、免許更新に金がかかる、といった職業運転手の不満を少しは抑えておいて、去年の全国トラック運転手ゼネストのようなことが起こらないようにする手立てであろう。
チャイルドシート以外の項目は、トラック運転手にとっては利害の大きい問題であるからだ。

さてどの項目も規制緩和がゆる過ぎなのだが、この中で現在の日本では全く受け入れ不可能なものがある。
4番目の免許証有効期限の拡張である。
最近次から次に出てくる日本の交通事故のニュースには、高齢者のドライバーがペダルを踏み間違えるのが原因で起こる事故に大いに関係がある。

ブラジルは最近になって高価格帯からオートマチック・トランスミッション採用モデルが拡がってきているが、まだまだマニュアル・トランスミッション車も多い。
オートマ車と比較して価格が安いことが理由の一つだと思う。
免許が比較的取りやすいというオートマチック車限定免許というものがブラジルにはないから、免許取得のためには将来乗る予定がなかったとしてもマニュアル車を習得しなければならない。
うちの大衆車もマニュアル車である。

そもそも運転が楽だという理由で普及してきたオートマチックは、機械工学的にそうなのかはわからないが、人間工学的というか安全工学的にに大きな欠陥があるのではないかと思う。
この点でどれだけ共感してくれる人がいるのか、異論が多いことは想像する。
それでも説明してみよう、なぜか。
  • 発進・加速するとき→ペダルを踏み込む
  • 減速・停止するとき→ペダルを踏み込む
もちろんペダルは異なるが、操作運動方法はまったく同じである。
踏み込む位置を間違えると全く反対の結果となってしまう。

オートマチック車しか知らない人のために一応書くと、マニュアル車だったら、
  • 発進・加速するとき→ペダルを踏み込むだけでは発進せず、クラッチ操作が必要
  • 減速・停止するとき→ペダルを踏み込むだけで一応減速・停止するが、クラッチ操作をしないとエンジンが停止する
かなり複雑になる。
間違えたペダルを踏んだら車の動きとエンジン音からすぐに分かるし、クラッチがあるからすぐに修正をかけられる。
というより、クラッチ操作があるからこそドライバーはエンジン音に敏感に反応すると言える。
それだけ運転操作に、聴覚・ペダル触覚・加速感覚が集中するのである。

年をとって自動車の運転があやふやになってしまっても、操作が簡単なために漫然とオートマチック車に乗り続けることができるだけに、わけがわからないまま事故を起こすのが問題なのだ。
危険な機械を扱うのだから、容易く運転できればよいというものではない。

昔日本で免許をとったときには存在していなかったオートマチック車限定免許ができたのは、今調べたら1991年に普通自動車免許のAT車限定という形で誕生したものという。
ということは、その年に年齢30歳であってAT車限定免許を取った人は、再来年は年齢満60歳となり、AT車限定免許をとって30年を迎える。
これからAT車しか運転できない老人ドライバーがどんどん増えるだろう。

極端な提案をしてみるが、欠陥自動車しか運転できないAT車限定免許は欠陥免許であるから、ある年齢以上の者に持たせておくのは危険なので、所持者がある年齢、例えば満65歳に達したら失効するように法改正をすればよい。

「日本における乗用車のAT車の販売台数比率は2011年で98.5%である」という記述を見た。
もちろん乗用車区分の話であるから、大型のトラックやバスのようなプロフェッショナル用途であると、まだMT車は活躍していると思われるが、どうもMT車とは、絶滅危惧種のようである。
米国もAT車の割合が非常に高いらしい。

アクセルペダルだけで加速と減速を制御する「シングルペダルコントロール」
https://japan.cnet.com/article/35139615/
この記事を読んだだけでは、この経験したことのないメカニズムがよくわからない。
「ペダルを踏めば加速し、離すと回生ブレーキがかかって減速する」ということは、アクセルを急に離すと強いブレーキがかかって、「惰性で走る」状態がないということだろうか?
慣れないとペダルを離したときに急減速がかかり、後続車に追突される恐れはないのだろうか。
そのような心配がないのだったら、かなり有効と思う。

AT車限定免許に有効年齢期限を設け、達したら強制失効させるといった、上に書いたような過激な変革を本当にやろうとしたら、AT限定免許所持者の不満を一斉に浴びて、絶対無理だろう。
AT車製造と輸入を制限などしたら、非関税障壁などと騒ぐ外国もありそうだ。
そこを、高年齢運転者にはペダル踏み間違え警告安全装置つきの自動車しか運転できないように法改正する、といったら、導入するのに抵抗は少ないだろう。

しかし、検問して免許証と運転者の顔と車のメカニズムを全部チェックしないと違反を見つけることは不可能だろう。
罰則を極めて厳しくして一発で免許取り消しとしたら、あえて違反して運転する高齢者は減るだろうか。

中国でやっているような、何でもかんでも、ここではすべての自動車に顔認証を付けて、その車を運転する資格のない人が運転席に座るとエンジンが決してかからないようにすれば、車両盗難予防も兼ねて対策は完璧だろうが、金がかかるし、深刻なプライバシーの侵害につながる。

しばらくブラジルの交通法規はゆるゆるが続きそうだが、日本と同じようなAT車の普及と高齢運転者の増加によって日本のような事故が目立つようになったら、いつかはブラジルにも変化が訪れるかもしれない。
くれぐれもブラジルにAT車限定免許など導入しないように祈る。

2019年7月21日

日程がきつくコストが高い在外投票

2019年7月21日は投票日であるから、選挙について書こう。
ブラジルではなくて日本のである。

サンパウロの領事館から選挙のお知らせが届いた。
7月10日か11日のことだった。

2019/07/04 選挙の公示日
2019/07/05 在外公館投票の開始日
2019/07/21 日本国内の投票日

投票方法は3つある。
金のかかる順番で説明すると、
  1. 日本国内における投票 期日前投票、不在者投票、投票日に投票の3つの方法がある
    ブラジルから日本まで片道2万キロの旅行をしなければならない。
  2. 在外公館投票 7月5日(金)から13日(土)まで各日9:30から17:00まで
    サンパウロ市内の日本領事館まで片道600キロの旅行をしなければならない。
  3. 郵便投票 三段階を経る必要があり、どれも飛ばすことはできず、国内の投票日までに順番に行われて完結しなければ、投票は有効にならない。
    1. 海外の有権者は日本の選挙管理委員会へ郵便で選挙人証を送り、投票用紙を請求する
    2. 日本の選挙管理委員会は郵便で選挙人証と投票用紙を有権者へ送付する
    3. 有権者は記入した投票用紙を郵便で日本の選挙管理委員会へ返送する
    つまり、郵便はブラジルと日本を一往復半しなければならない。
    これを公示から投票日までに済ませなければならない。

1.については当然、たまたま日本に帰国した期間が投票とぶつかったならば取ることのできる方法であり、わざわざ起こす投票行動ではない。(いや俺は行くぞという異論は認めるが)

2.であるが、サンパウロ市内(あるいは他の国・他の都市の大使館・領事館のある場所)に住んでいるのだったら、話は簡単である。
サンパウロ市内だったらバスだけで行くと4.30レアル、バスと電車やメトロを乗り継いでも7.48レアルで行けるはずだから、時間はともかく、金銭的には負担が少ない。
しかし、地方在住であると事情は全く異なり、大旅行をしなければならない。
日本で投票のためだけに、飛行機でことによったら泊りがけになる旅行をするかと聞きたい。

3.であるがこれを今日は問題にしたい。

かって郵便局の信用が高かった時代があった。
近年になって商店や銀行や、水道電気などの公共サービス会社は、取り立て書類を郵便で送ることが少なくなった。
銀行の取引明細も紙にプリントでなく、ネットバンキングでサイトから勝手に取ってくれ、という流れである。
いきおいブラジル全体の郵便物の数量は激減する。
それと共に郵便サービスの劣化が起きるのだ。
しっかり計測記録したことはないが、以前より郵便の届くまでの日数が国内、国際ともにかかるようになったと思う。

公示から投票日まで17日の期間である。
日本-ブラジル間の普通郵便が一週間程度で届いていた、以前のある時期には、ブラジルから日本までの2回の郵送を普通郵便で行うと、日本側は多分、制度を作っておきながら郵便でケチって投票を無駄にすることはできない、という気概があるのだろう、郵便では一番早い、つまり料金が高いEMSを使ってくれるので、公示日にすぐ3.A.の行動を起こせば何とか間に合ったはずである。

現在はどうか。
6月に普通書留(prioritário registrado)で日本へ送った郵便物が宛先地に着くまで13日かかった。
これではブラジル-日本郵送2回で26日かかるからどうしても間に合わない。
もっと早く着くのはないかというと、これがあってEMSなのだが、郵便料金は重量50gで133レアル、普通郵便書留なしが8.95レアルだから考えてしまう。
レアル→円換算は、レアル数字に29、面倒だから30を掛ければ良い。
投票のためだけに8千円払えるか?ときかれたら、払えるよという人はかなり少ないと思う。

告示前から期日が確定している選挙であったら、先を見込んで告示前に選挙人証を郵送する手が使えるが、不意に解散した衆議院選挙ではそうもいかない。
でも実際的に考えたら、このフライング請求しか取る方法はないのかと思うので、次回は試してみよう。
せっかく制度があるのだから、無駄にせずに利用できたほうが良い。
ニュースに敏感になるという利点もついてくる。