2020年4月30日

コロナでスペインと同じにならないブラジルの謎

ブラジルでCOVID-19の初めての死者が出たのは2020年3月17日であり、インターネットラジオOTTAVA(オッターヴァ)の番組、本田聖嗣さんのOttava Frescaの「世界のニュース」関連の投稿を2020/3/24にしたときは、スペインの13日遅れと誤認してしまったが、実際は4日遅れであった。

その時添えた言葉は、「国民の性格や習慣と国のゆるさがそっくりなため、ブラジルは間違いなくイタリアやスペインの後を追っています」であったのだが、現実にそれは起きていない。
スペインの大感染をブラジルが4日遅れでたどっているわけではない。

死亡の実数で比較すると、同じ5千人であっても、人口5千万人の国と2億人の国では4倍の重みの差があるわけだから、指標としてよく使われる10万人当たり死亡数で比較する。

スペインブラジル日本
死者初出日2020/3/132020/3/172020/2/14
10万人あたり死亡数32.462.140.28
死亡数15,1754,543351
人口(千人)46,755212,559126,476
人口密度(人/平方km)93.725.4346.9
65歳以上割合(%)20.09.628.4
3・4月平均気温(℃)11.5520.7511.30
3・4月合計雨量(mm)73240242

死亡数は2020/4/27発表のもの
人口関係3指標は2019年の国連ファイルより
気候関連2指標は、マドリード、サンパウロ、東京、Wikipediaより

これを見るとすぐに気づくのが、死亡数が大まかに見て、
スペイン >(10倍)> ブラジル >(10倍)> 日本
である。

日本の死亡数がごく少ないのは特筆ものだが、今回は「国民の性格や習慣と国のゆるさがそっくり」な、スペインとブラジルの比較に注目する。

人口密度を見ると当然予想されるように、広大な国土のブラジルが低く、日本が非常に高い。
しかし、人間が密接に集中する都市部で比較すると、ミクロな差異が大きい。
ブラジルのスラム街は、小さな建物がぎっしり詰まっている上に、一部屋に住む人数が多く、距離を取ることが極めて難しい問題がある。
ここにコロナウィルスが入ると、急速に感染拡大する可能性が大きい。

国の全人口に占める高齢者の割合をみると、スペインはブラジルより多数の死者が出る要因が明らかにある。
しかし超高齢な国の一つである日本の死者数が少ない説明はつかない。
日本の老人はスペインの老人と比較して、数世代の大家族ではなく、子供や若者がいない、独居や老人夫婦のみの家庭が多いのではないだろうか。

3月と4月の平均気温の平均は、スペインと日本がほぼ同じで、温度の高い場所でウィルスの働きが鈍るという仮定に立つと、これもどうして日本の死者数が少ないのか説明できない。

3月と4月の降水量が他の2つよりかなり少く、乾燥しているスペインで死者が多いのは、低温と乾燥が合わさると死者が多くなるのではないかという仮定はできる。

昨日のニュースでは看過できない推定があったので書いておく。

リオデジャネイロの登記所で死因不定の死亡記録が急増
専門家は疑いのある患者のコロナウィルス検査不足が原因と見る。
Notificações de mortes por causa indeterminada disparam em cartórios do Rio
Especialistas culpam a falta de testes para coronavírus em pacientes com suspeita da doença.
Por Jornal Nacional 28/04/2020 21h03 Atualizado há uma hora

つまり、COVID-19と思われる病気で死亡した人がいても、必ずしも検査が行われないので、COVID-19と断定できずにより一般的な重症急性呼吸器症候群 (síndrome respiratória aguda grave, Severe acute respiratory syndrome = SARS)や、不特定呼吸器疾病 doença respiratória indeterminadaとかで記録されていることがある。
”残念なことに記録されているCOVID-19による死者数より約50%多いのではないかと思われる、とFiocruzの研究者は言った。”

そこで表のブラジルの死亡数を50%よりもっと潜在していると仮定して倍にしてみたのが、
スペインブラジル日本
10万人あたり死亡数32.464.280.28
である。
これでわかるように、それでもスペインには届かない。

このデータと比較できるように、さらに7日遡る2020年4月20日のものだが、ヨーロッパの3つの国の人口10万人あたりのCOVID-19死亡数を書き写しておく。

人口1023万人のスウェーデンでは4月20日現在、新型コロナウイルスの感染者数が1万4000人を超え、1580人が死亡している。
4月20日現在、人口536万人のノルウェーでは、新型コロナウイルスの感染者数は7100人を超え、181人が死亡。
人口550万人のフィンランドでは感染者数が3800人を超え、94人が死亡している。

10万人あたり死亡数
スペイン32.46
スウェーデン15.44
ブラジル(2倍)4.28
ノルウェー3.38
フィンランド1.71
日本0.28

スペインブラジル日本は2020/4/27のデータ
スウェーデン、ノルウェー、フィンランドは2020/4/20のデータ
ブラジルのみ故意に2倍にしてある

スウェーデン政府は国民に速やかに集団免疫をつけさせる政策をとっているそうで、一方スペインは政策を議論する以前に感染が爆発して、否応なく集団免疫をつける方向になってしまったといって良いだろう。

2020年4月28日

口座のない人に入金する技ブラジル編

前回、ブラジル連邦政府のコロナウィルス対策低所得者救済プログラムは、Auxílio Emergencial(緊急援助)と呼ばれ、特に政府のデータベースに名前が載ったことのない非正規労働者がどのように申請して登録されるのか書いた。

今回は、銀行口座を持たない多数の人々にどうやって現金を支給するかの問題である。
現在日本に全く銀行や郵便局に口座を持たない人がいるのかどうかは知らない。
しかし今回ブラジル連邦政府は、銀行口座を持たない数千万人に援助金を渡さなければならない。

既に政府の福祉関係データベースに登録されていて、援助金受給資格のあることが証明されて、しかも2つの政府系金融機関、つまりBanco do Brasil(BB ブラジル銀行)とCaixa Econômica Federal(CEF 連邦貯蓄銀行)に既に口座がある個人には、確か4月10日までに振り込みが行われた。
そして既に連邦政府の福祉プログラムBolsa Famíliaを受け取っている人は、そのカードを使って従来の受取日にこの緊急援助金の受け取りができる。
だから以上のグループは支給に問題はない。

既存データベース及び今回のスマホやPCによる申請登録によって援助金受給資格のあることが証明されたが、上記2つの銀行に口座がなかったり、申請登録時に他銀行を指定しなかった人にどうやって援助金を配るか?
連邦貯蓄銀行は、そのような人のために、Poupança Social Digital(社会デジタル貯金)口座を強制的に作り各個人に割り当てた。

デジタル口座へのアクセスは、CEFのスマホアプリ"Caixa Tem"を使わないとできない。
スマホアプリがCEFのサーバーと通信確立できれば、バーコードのある請求書の支払いや、無料回数に制限はあるが他銀行の口座へ振り込み、そして下に説明するカードなしでATMから現金引き出しをするときに必要なコードの入手ができる…、はずである。

しかしアクセス数が半端でないため、通信確立ができない。
何日もトライし続けて、早朝の過疎時間にようやく通信できたという報告が多い。
通信に成功しても、対話式の操作全部が終わって、振り込みや支払いの証明書や引き出しコードを受け取らないうちに切れたらやり直しである。
地方によってつながりやすさが違うらしいが、何日もつぶすことのある苦行である。

そして銀行口座など一切持っていないから、とにかく現金をおろしたい人は、多分もう一つの苦行が待っている。

CEFは、デジタル貯金口座からの現金引き下ろしスケジュールを次のように発表した。
4/27 誕生日1月2月、4/28 誕生日3月4月、4/29 誕生日5月6月、…
その日だけ引き出せるのではでなく、その日から引き出せるものと思われる。

銀行カードも生体認証もなしでどうやって現金を引き出すかというと、件のアプリで現金引き出しを選択すると表示されるコードをATMへ打ち込むという方法が使われる。
数千万の受給者の複数回の取引を区別しなければならないから、コードは10桁以上であろう。

ざっと計算したところ、デジタル貯金口座を持つ個人の半数が現金引き下ろしを選択した場合に1千万人、その12分の2が一日に集中すると仮定すると、ブラジル人口2億1千万人の0.8%にあたる167万人が全国のCEF支店のATMやCEF業務を一部代行している宝くじ売り場へ集中することになる。
人口百万人の都市で8千人である。
ATMや宝くじ売り場窓口が150あるとして、8時間で払い出すとなると1台1時間で6.7人が計4000レアルを引き出す勘定になる。
60分割る6.7は9分である。
援助金引き出し目的でなく、他の一般業務のためにATMを使う人も多いから一人に割ける時間はその半分として4, 5分であろう。
全員が機械操作に迷わなければ可能な気はする。
でもそれは全員があらかじめアプリでコードを手にしていてATMに打ち込むだけという状態であったらの話である。

第一関門は他銀行振替を選択した人と同様、スマホアプリCaixa TemでCEFのサーバーへ接続して引き出しコードを入手することであるが、インターネットにあふれる苦情をみると、朝5時から7時位までが一番つながりやすいが、それでも皆さん何日もかかったようである。

どうも雰囲気では、何時間も何日もアプリがつながらなくて頭に血が昇っている受給者が、大勢で銀行支店に押しかけて大行列を作って社会的距離など全く無視して、窓口で受け取ろうと押し問答になる予感が強い。

既に年金を受給している人はこの援助金を受け取る資格はないから、明日からの支払日に機械操作に全く疎い老年者はいないはずであるが、銀行の機械など一度も触ったことのない人も多いだろうし、読み書きができない人もある程度(2018年15歳以上人口の6.8%)いて、そのような場合には助けてもらうために家族同伴で行くことになり、行列人数は1人でなく2人が並ぶことになるから、密集をどれだけ避けることができるか疑問である。

もう一つの心配はデジタル詐欺である。
打ち込むだけでお金がおろせるコードをなんとかして盗もうとする悪意を隠した、例えば「列に並ばなくても引き出し時刻の予約ができる登録をするからここへコードを入力せよ」とかいった、一見お助けのメッセージなどが氾濫して、騙される人が続出するような危険は一杯である。

ここから4月27日夜に書いている。
新たにわかった新事実は、現金引き出しコードの有効期限はスマホアプリCaixa Temで取得してから2時間きりということなので、安全性はより高いものの、早朝家で取ってから昼食後にゆっくりATMへ向かうというような融通はきかない。

なお協定によって、スマホにクレジット残高がなくてもどの携帯会社も無料で接続できることになっている。
しかし、スマホに送られる確認コードの関係で、1台のスマホでは一人分のデジタル口座しか取り扱うことができないという不便がある。
後からCEFのドキュメントによってわかったのだが、セキュリティの理由で1台のスマホには2つのCPF、つまり2つの口座まで登録できる。
緊急援助は1世帯に2人まで受け取ることが認められているので、家にスマホが1台しかない場合でも大丈夫で、一応整合性は取れている。

予想した通り、ブラジルじゅう各地のCEFの支店には、アプリでは全くアクセスできないから現金引き出しコードを取れないとか、申請したがいつまで待っても「調査中」で許可不許可の返事が出ないとか、そもそもガラケーしか持っていないとか、スマホアプリに不満たらたらの人々が、支店でなんとか引き出しをしようと長い行列を作っていた。
ペルナンブコ州の州都レシフェでは大雨が降って道路が水浸しになったので、傘を差して、くるぶしまで水に浸かりながら行列する人々が気の毒であった。

一方人々の苦労の張本人のCEFは、スマホアプリのアップグレードはときどき行っているようだが、アクセス数に対して明らかに非力なサーバーやアクセス容量の増強とか、受給者向けの親切な説明とかの努力をしているようにはとても思えない。
誰もクビにならない国営企業の、非効率の極みである。

2020年4月19日

ブラジル版マイナンバーはCPF

ブラジル連邦政府のコロナウィルス対策低所得者救済プログラムは、Auxílio Emergencial(緊急援助)という。

  • 連邦政府の社会単一登録―つまり社会福祉を受けるための基本的登録を済ませている
  • 非正規労働者や失業者
  • 個人極小事業主(Microempreendedor individual)や社会保障個人負担者
以上の中で、個人や家族所得がある基準に達せず、既に年金や失業保険のような連邦政府の他の恩典を受けていない18歳以上の者に最低給料の約1.7ヶ月分を支給するというものである。
4千万人とか5千万人とか言われている受給資格者をどのように把握して、同一人二重支払いや支払い漏れが起きないように、しかも申請や受け取りのための密集が起きないようにするかが運用の課題である。

社会単一登録や個人極小事業主の登録が済んでいる者は、この時点で識別と所得の捕捉ができているから良い。
問題は非正規労働者である。
ブラジルの非正規労働者とは、社会保障に登録がなく当然負担もしない自営者や、正式な労働契約のない従業員、つまり社会保障にも労働省にも無縁であり、社会福祉も受けていない、連邦政府とギブもテイクもない労働者のことである。
この範疇の人たちの登録は何と、インターネットサイトやスマートフォンアプリで自己申告をするという。
一人がいくつもの偽名を使って、援助金を多重に受け取ろうとする悪だくみをどうやって排除するのか?
どうやって調査したのかは不明だが、既に犯罪者が塀の中から数万件の申請を行ったとかの話がある。

ブラジルで個人を登録する手段はいくつかある。
  • RG 一般登録(Registro Geral)内務省・州政府が管理する身分証明書番号、日本の戸籍に近いもの
  • CPF 自然人登録(Cadastro de Pessoa Física)日本の国税庁にあたる経済省連邦歳入庁が管理する、マイナンバーに近いもの
  • 選挙人登録 選挙管理委員会にあたる選挙裁判所が管理する
  • 軍務証明書(男子のみ)防衛省が管理する兵役義務履行証明

この中で特に近年最も一般的になり多用されているのはCPFである。
CPFはxxx.xxx.xxx-xxフォーマットの11桁の数字である。
日本のマイナンバーに近いものと書いたが、それほど極秘のものではない。
契約書などには必ずこの番号が記載されるし、買い物をした商店などの顧客名簿には、一意な個人識別符号として気軽にオープンに使用されているから、全く秘密ではない。

だから悪用されることもよく起きた。
顔見知りでもなく、どこに住んでいるかもわからない同姓同名の不届き者が、金を借りて踏み倒すためにCPFを借用してなりすまされて、そのため警察に被害届を出してCPFを抹消・新規入手したのだが、ときどき悪事を繰り返されるのでそのたびに警察に呼ばれていた知人がいる。
でも近年はすべて照会がオンラインになっているから、そのような抹消されたCPFでなりすましされるような件は少なくなっているはずだ。

昔のブラジル人は旅行や一人歩きをするような年齢になると、身分証明書つまりRGを取得して、さらに年齢が進んで銀行口座開設や労働のような経済活動のために必要になってから、CPFを取る形が多かったと思う。
現在は出生届を行うと出生証明書にすでにCPFが割り振られて印刷されているらしい。
そしてこの番号は一生使用されることになるのである。

今回の援助金支給では、CPFが有効であることが必須となっている。
所得税申告義務がある者がそれを怠ると、CPFは効力停止(サスペンド)になる。
このため申告者の最新の所得を調査できる。
投票が義務であるブラジルでは、投票を行わなかった者のCPFが罰金を支払うまで効力停止となる。
これを正常化するまで援助金を受け取ることができない。

CPFが有効でないと、パスポートを取れない、公務員試験や統一入試などを受けることができない、連邦政府の住宅融資などを利用できないなど様々な不便が起きるのだが、もともと非正規労働者であるくらいだから、そもそもそのようなものを必要とせず困ることがなかったから、CPFが停止されていても全く平気であったのだ、、、今までは。
こういった人々が全国で1千万人、実に人口の5%くらいはいるということで、この連中が一気に税務署に押しかけるような密集密接大混乱を避けるために、連邦歳入庁は、無投票によるCPF効力停止の縛りを撤廃して、これが原因の停止CPFをすべて有効と処理した。

日本でもこれと似たような状況がある。
住民台帳に登録されている市民に10万円を支給するようだが、マイナンバーを使えば難なく解決するはずだと思うが、違うのか。
マイナンバー・カードの普及率が15%位しかないと聞いたが、カードを所有する利点が全く無い、つまりマイナンバーのシステムを有効に利用できていないのではないか。
宝の持ち腐れではないか。

2020年3月29日

新コロナの憂鬱な試算

今週月曜日にニュースで気がついて、記録した数字を使って雑な計算をしてみた。

イタリア人口6048万人2018年
推計感染者60万人ニュースで言われた数字
確定感染者6万3927人2020/03/23
死者6077人2020/03/23

ということで、全部数字が6から始まるところでわかりやすくなっている。
イタリア総人口60,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者600,0001.0%1.00%
確定感染者60,00010.0%0.10%
死者6,00010.0%0.01%
10万人当たり死者数10

上の表と全く同じ割合で、ブラジル人口約2億人に当てはめてみた計算である。

ブラジル総人口200,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者2,000,0001.0%1.00%
確定感染者200,00010.0%0.10%
死者20,00010.0%0.01%
10万人当たり死者数10

ブラジルで感染者の増大が始まった頃に、ブラジル保健相が何気なく行った発言は、その後続報も訂正もないし、マスコミなどの追求もないので消えたと考えてもよいのだろうが、衝撃であった。
患者の増加期は4,5,6⽉、平坦期が7,8⽉、下降期は9⽉からで、⼈⼝の50%が感染するまで続くだろう、と予想していると発言した。
しかしこれは政府と国民が全く対策を取らなかった場合であり、医療崩壊に至ると付け加えた。
この発言は伏線を張ったようなものだろうか。

これに準じて、感染者を人口の50%に達するとして、その上でイタリアの死亡率は高齢者の割合が高いことと、病床と機器の不足と医療従事者の過労、いわゆる医療崩壊が起きていることを考慮して、確定感染者の10%ではなく3%に落として計算するとこうなる。

ブラジル総人口200,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者100,000,00050.0%50.00%
確定感染者10,000,00010.0%5.00%
死者300,0003.0%0.15%
10万人当たり死者数150

現在効果を示しつつある社会的隔離(isolamento/distanciamento social)あるいはより強制力のあるニュアンスの検疫隔離(quarentena)のため、流行が一旦収まっても、またウィルスの攻撃が戻って、仮にピークが3つあったとして、その分分散するとしても、一回の波だけで10万人の死亡が予想される。

他の死因と比較してみる。
大雑把であるが、暴力にまみれたブラジル社会の残念な数字である。
殺人事件で年間4万人(人口10万人当たり20人)、交通事故で同じく年間4万人(人口10万人当たり20人)が命を落とすことを考えると、その合計に匹敵する人が一回のピークで命を落とすという異常さである。

ここまでやったのだから、全世界の予想もついでに。

世界総人口7,700,000,000上欄の割合全人口の割合
推定総感染者3,850,000,00050.0%50.00%
確定感染者385,000,00010.0%5.00%
死者11,550,0003.0%0.15%
10万人当たり死者数150

もちろんそれだけの時間が経つ前に、ワクチンが開発されることもあれば、ウィルスが突然変異で弱くなることもあるだろうが、逆に変異のためより凶暴になる可能性もある。

どうも増加期が3ヶ月も続くことはなく、まだ全面的に隔離を緩めたわけではないがWuhan(武漢)も2ヶ月位しか経っていない。

とにかく、後出しジャンケンでない予言者は、現在のところ存在しないようである。

2020年3月14日

雲の中の中国新コロナ急速回復

中国の様子がよくわからずもやもやするのには次の理由があるのだが、どの記事も教えてくれない。

武漢を除いた他の大都市では、いや武漢までも、感染は下火になっているというのだが、それは医学的にどういうメカニズムなのだろうか。

中国の武漢以外の都市で起きた喜ぶべきできごとが、単に厳しい隔離のためによそからウィルスが持ち込まれなくなって新たな発病が止まったのであったら、その都市の住民の殆どに免疫はないはずだから、隔離を解いたとき、他の国の感染者が旅行してくれば再び流行が始まる恐れはないのか?
そして武漢の住民は、ウィルスを抑え込むだけの免疫を集団全体として得たのか?

そしてなにより中国がウィルス抑え込みに成功したというのなら、政治を絡めないで学術界でその知識経験を共有して、中国ほど強権的隔離でなくても、ほかの流行中の国でも応用できる対策を取ることができるのではないか?
いや一般の人がわざわざ心配するまでもなく、実際は医学界では意見のやり取りが活発に行われているというのなら、誠に心強いことであり、そうあってほしいものだ。。

そう思っていたら昨日のニュースで、中国の医師団がイタリアの空港でタラップを降りてきているシーンを見た。
さてイタリアも中国の資金が豊富に入っている国だと言うが、中国医学の秘訣を実践してもらい、知見を公にしてくれるだろうか。
中国の息のかかったWHOのような恥知らずで役たたずのように、言いくるめられなければよいが、その点は「自由な」イタリア国民に期待したい。

中国が急速にウィルスを抑え込んで、生活が日常に戻ってきているというニュースは、本来なら無条件に喜べる性質のニュースであるはずなのだが、本当に手放しで喜んでよいのか。
中国、欧州ときた感染中心点が、これから秋を迎える南半球で、ゆるさがイタリア並みのラテンアメリカに移動する可能性はあるし、二度目のところも含めて中心点が世界中でぐるぐる移り変わる、気の滅入るような循環が起こらないとも限らない。

だから、故意でも事故でも、中国がウィルスを流出させたことを利用して、自分たちだけが知っているアンチドートをこっそり使ったり、あるいは発見した科学的知見を黙って独り占めして、病禍から回復したらさっそく工業生産を全開して、一方でCOVID-19を世界中にはびこらせて、中国への反抗力を十分に弱めてから、今ウィルスに手こずっている自由主義経済諸国に、政治的・経済的に優位に立とうとしているのだと、誰もが考えても全く不自然ではない。
何しろ未知のウィルス病を検知した崇高な中国人医師たちの発信を押しつぶして、逆に犯罪人扱いをして、世界への重大事実発表を渋って、中国以外の国のウィルス病対策を遅らせたことは明らかで、中国共産党政府の重大事件隠蔽体質を全世界に知らしめることとなったからだ。

隔離対策を続けて、発症のピークをできるだけ先に延ばして、ピークの高さをできるだけ低くして、医療リソースが不足する事態を遠ざけるという方法はもどかしいが、今できることはこれしか無いのかもしれない。

ワクチンや治療薬を開発した科学者がノーベル生理学・医学賞をもらうのは間違いなし、と素人は考える。
従来のワクチン作成の方法を使って、試行錯誤の時間をかけたら、普通の研究所で作れるものなのだろうか。
どちらにしろ、開発費と生産費の大部分を中国政府に肩代わりしてもらいたい、と思う人は世界に大勢いいると思う。
しかし世界の国々の声をまとめるべきWHOが、中国の資金なしに社会投資が進まないエチオピア出身で、中国政府に何も異論を言えないあの男、テドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)であるうちはその望みはないだろう。

会合で同席して、後にCOVID-19陽性が判明したブラジル大統領府広報秘書官を通じて、米国トランプ大統領が発病するようなことになったら、中国共産党政府が試みている、米国陰謀説でっち上げによる責任のすり替えや、プレゼンを兼ねた医療援助による恩の押し売りなど吹っ飛ぶくらいの反撃を受けるのではないか。

2020年3月12日

漂流教室と兵役で新コロナ退散

ブラジルでインフルエンザ予防接種のキャンペーンは、例年5月から始まっていたそうなのだが(時期まで詳しく思い出せない)、新型コロナウィルスの心配から、できる限り前倒しして3月23日から開始すると「コロナとハグ」の記事に書いた。

新型コロナウィルスが引き起こすCOVID-19は、子供や若者にはほとんど症状が出ないか軽い風邪で済むのだが、高齢者や基礎疾患保有者には肺炎を起こして重大な結果になることがあり、年齢層が上がるほど致死率が高いという見地から、ブラジルのインフルエンザ予防接種スキームが変更された。

昨年までは確か妊婦、幼児が第一優先順位で一番先に接種が始まったのであるが、今年は高齢者が第一優先順位になり、キャンペーン期間の最初は高齢者から始められることになっている。
もちろんこれは従来型インフルエンザであり、新型コロナウィルスではないが、何らかの側面補助にはなるのではないだろうか。
心配の種の数は少ないほうが良い。
しかしブラジルでも感染者数は急に増大しているので、コロナ到来の前に従来インフルの接種が間に合うかという懸念は残る。

イタリア全土の隔離措置はかなり大変そうである。
イタリアからの移民がブラジルに多数入っていることから想像できるように、挨拶などに見られる両国の習慣はかなり似ている。
ブラジルの交易国第1位である中国からそれなりの訪問があるにせよ、ただその距離のため、ブラジルへの中国人の訪問者数は、北イタリアへの比ではないと思う。

勝手な意見を言おう。
未だワクチンがないのに、社会全体に安全に速やかに免疫を持たせるにはどうするか?
最初の感染者が見つかってから2週間目くらいのブラジルではなく、学校閉鎖が進行中の日本を想像してみる。

現在の学校閉鎖とは反対に、しばらくの間、多分14日間、児童生徒を学校に集めて共同生活をして、COVID-19を全生徒に行き渡させる。
ダイヤモンド・プリンセス状態を、学校で子どもたちだけで起こすのである。
楳図かずおの「漂流教室」状態と言っても良い。
かなり手荒だが、目的は集団にウィルスを接種して免疫を獲得してもらうことである。

食事は給食を校門に置いてやって、自分たちで給仕をして、掃除も自分たちで行う。
隔離時間の利用法は、パソコン・タブレット・スマホなどをつかって遠隔授業をするといえば、学習への影響は少なく、無難だろう。
30歳までの健康で若い先生が監督を兼ねて学校に寝泊まりして授業をしてもよいし、年配の先生の代わりに教師志望の大学生を入れて、教育実習を兼ねて教習授業でもよい。
自由時間には、普段のように補習でもクラブ活動でもしたらよいだろう。

COVID-19は、子どもたちには軽い風邪で済んでしまうというのなら、大半が無症状か軽い風邪を引き終わって他人へ伝染する危険がなくなって免疫を得たら、家庭でもどこでも歩いてもらって構わない。

大学生から30歳くらいまでの青年層には、2週間の自衛隊入隊を行って、子どもたちと同様に、他の年齢帯集団から隔離して、免疫を得てもらう。
サバイバルや救命・救助訓練をすれば、その他の災害時に大きな救助戦力になる利点がついてくる。
でも自衛隊基地にはそれだけのキャパシティがないだろうから、やはりどこの町にもある小中学校のスペースを使うことになるだろう。
若い自衛隊・警察・消防隊員を派遣して、監督兼指導教官となってもらう。

これくらいの人口が免疫を得たら、高齢者や基礎疾患保有者に自宅自己隔離をしてもらう一方で、その他の人々は速やかに普通の生活に戻ってもらう。
重症化して入院や人工呼吸器などが必要になってもすぐに空きがあるくらい、伝染のスピードが緩慢になってくるだろう。

ここまで妄想してみたが、実際のところ今現在どれだけの人口が既に感染して、無発症で過ごして完治してしまっているかが不明である。
思い切り楽観的にみたら、動き回っている若年から壮年層を中心にすでにかなりの人が免疫を持っていて、ウィルスにとってみて例えば日本人の集団が、感染する相手を探すのに苦労するような状態になっていれば、遠からず伝染は下火になってくるだろう。
そうだったら将来の時点で、あのときは深刻に心配したが今思い出せば大したことはなかったなどと笑える日が来ているのかもしれない。

2020年3月6日

新型コロナウィルスと病気の名前

coronaという単語は、英語では太陽のコロナとか、光環という意味と辞書に書いてあるが、王冠という意味ではcrownが使われる。
coronaの語源としてラテン語でcrownを意味すると書いてある。

スペイン語やイタリア語のcoronaは、ラテン語を引き継いで王冠とか王位の意味を持っている。
そして、ポルトガル語ではnが欠落してcoroaとなった。
でも、coroavírusとは言わず、coronavírusである。

一方で、スペイン語で肺炎はneumoníaである。
しかし、ポルトガル語ではpが添加されてpneumoniaとなる。

こちらのニュースで初め分かりにくかったのが、中国の地名である。
Wuhan = 武漢
Fubei = 湖北

そして、新型コロナウィルス病を呼ぶのに、COVID-19 というのが正式とされた。
2015年WHO策定の「名称決定についてのガイドライン」によると、「ヒト感染症・ウイルスの名称に地理的な位置、人名、動物や食品に関する名前、特定の文化や産業に関する名前を含むべきでない」というのだ。
そのため、新型コロナウィルス病については、Wuhanという地名は入れられなかった。
スペイン風邪や香港風邪とか、豚インフルとかの名前は、現在だったらつけられなかったはずである。

そんなことがわかっているのに、メキシコの有名なビール、王冠マークの付いたコロナビールの売れ行きが落ちていると聞いた。
とんでもない風評被害だ。
現在トヨタは、コロナという名の車を製造していない。
1996年まで生産・販売していたそうだ。

以前流行したコロナウィルスとそれに関連する病気については、次のようになる。

2003年 ウィルス名 SARS-CoV、病名 重症急性呼吸器症候群 (Severe acute respiratory syndrome = SARS)
2013年 ウィルス名 MERS-CoV、病名 中東呼吸器症候群 (Middle East respiratory syndrome = MERS)
2019年 ウィルス名 SARS-CoV-2 または 2019-nCoV、病名 2019年型コロナウイルス疾患 (Coronavirus disease 2019 = COVID-19)

ブラジルのテレビニュースでは、novo coronavírus(新型コロナウィルス)、または単にcoronavírusと呼ばれることが多いようだ。

さて2020年3月5日現在ブラジルでは8名の感染者が確認されている。
サンパウロ州6名、リオデジャネイロ州1名、エスピリトサント州1名がその内訳である。
そのうち2名は、ブラジル最初の感染者の家族と友人であり、国内感染であるため、感染の条件などが気になる。