ブラジルで二輪車を使った職業といえば、モトボーイと言われる貨物輸送と、モトタクシーと呼ばれる乗客輸送があるのだが、貨物輸送と乗客輸送とをきっちり区別することになった。
新法は職業ライダーが21歳以上であること、免許取得から2年以上経っていること、専門講習受講と安全装具使用を義務付けた。
身につける安全装具は、風防またはゴーグルとヘルメット、反射テープ、安全チョッキで、オートバイにつける安全装具は、エンジン両側の転倒時脚保護プロテクター、凧(たこ)切りアンテナ、積荷を固定する装置から成っている。
(以上"Curso de especialização para motoentregadores começa a ser exigido"
Publicado em 02/08/2011 às 14:00 Por MGTV Panorama 2011年8月2日のTVニュースから)
凧切りアンテナ(antena corta-pipa)って何だ?
ブラジルの子供も凧揚げをする。
雨が降らず風が強くて学校が休みという三拍子揃った凧揚げの季節は7月だ。
ブラジルでも凧揚げなどする子供は無邪気でよろしい、なんてのどかなことは言っていられない。
セロル(cerol)というものがある。
ガラスを細かく砕き接着剤に混ぜたもので、凧糸に塗りつける。
そうすれば、他人の凧の糸と絡まったときに、相手の糸を切って自分の糸は助かるという凧(の持ち主)の身勝手な攻撃兵器なのだ。
凧同士で争っている限り大人は誰も文句は言わないだろうが、セロルは人命に関わる危険なものだ。
高速で走っているライダーの首にセロル付き糸が引っかかると、命を失う重大なけがにつながる。
禁止されているのだが、全ての子供が良い子ではないし、警察は揚がっている凧をいちいちセロル付きかどうか調べて回るわけにも行かない。
そこでライダーの自衛手段が凧切りアンテナなのだ。
どんな物かは一目瞭然。
Foto: carrovip.com
糸はアンテナに沿って上方へ滑り、鍵形の部分で切断されるか、ライダーの頭部上方に逃げてやり過ごすという仕組みである。
Foto: carrofacil.org
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