2012年7月8日

人種と国勢調査用語

ブラジル地理統計院(IBGE)の国勢調査による、ブラジル人の寿命と人種についての発表だ。

1960年と2010年のブラジル人の寿命(expectativa de vidaというから、新生児の期待余命と言っていいのだろう)が比較された。
2010年は73.4歳で、50年前と比較して+25.4年寿命が長くなった。

1960年に6.3人だった、一人の女性の産む子供の数は、2010年には2人を切る1.9人となった。

IBGEの国勢調査で人種(肌の色)調査は自分自身の申告によるのだが、50.7%が褐色あるいは黒色と申告した。

ニュースで特に注釈したが、IBGE調査の用語では黒色(黒人)は、negroではなく、pretoが使われる。
negroというと、preto同様に黒色のことであるが、単純に色名称の黒色を言うときにはpretoを使うという印象がある。
黒人自身が、黒人の誇りという意味を包含するとき、negroというと、単なるpretoより意味が深い。
Dia da Consciência NegraとかMovimento Negroというのがその例だ。

ニュースで指摘しなかったが、褐色の肌、そしてそれを持つ人は普通morenoと言うのだが、IBGEでは色の名称pardoと呼ばれる。
pardoといったら茶色だ。
スズメpardalと関係があるかは知らない。
morenaと言う単語は、ブラジル美人の代名詞として歌の歌詞に数え切れないほど登場する。

IBGE用語では、単語自体の、音響学でなく意味的な響き、つまり単語が与える印象や先入観を極力排除したいという意向がみえ、その結果、表現が乾いてそっけない。

(http://globotv.globo.com/rede-globo/jornal-nacional/v/ibge-divulga-novos-dados-do-censo-2010/2018623を参考した)

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