エネンのすべての試験場に金属探知機を採用
Enem terá uso de detector de metais em todos os locais de provas
http://g1.globo.com/jornal-nacional/noticia/2014/05/enem-tera-uso-de-detector-de-metais-em-todos-os-locais-de-provas.html先週の金曜日、2014年5月23日にエネン ENEM(Exame Nacional do Ensino Médio)全国中等教育試験の応募が締め切られた。
今回のエネンでは、より一層の安全措置が採用される。
それは金属探知機(detector de metais)で、すべての試験場に設置される。
今年の志願者数約952万(9,519,827)人は、昨年と比べて22%の増加である。
そして今年初めて、すべての受験者は試験場に入場する前に金属探知機を通らなければならない。
なぜか?
昨年のエネンでは、実に1千4百人!の受験生が退室処分、もちろん試験は失格になったからだ。
その大部分は、カンニングにつながるので禁止されている、試験場での携帯電話禁止に違反したからだ。
今年のエネンの試験日は、2014年11月8・9日に実施される。
受験希望者は次の水曜日5月28日までに受験料を支払わなければ応募は有効とならない。
このニュースを少し考察してみよう。
まずエネンである。
エネンの規模は半端なく大きい。
2013年1月末に行われた日本のセンター試験の志願者数は57万3千人であるので、エネンはその16.6倍の規模である。
金属探知機ですべての受験者を検査するのは、たやすいことではないだろう。
どういうタイプの金属探知機だろうか。
空港だったら日本でもブラジルでも金属探知機があるのは当たり前だ。
しかし銀行となると話が違う。
銃器の持ち込みを防止するために、どの銀行支店もガラス張りの回転ドアがあって、ドアを押して回して入るときに金属探知機が働く。
携帯電話だけでなく、鍵束やめがねの金属フレームなんかでも感知されて、ドアがロックされ閉じ込められてしまうので煩わしい。
入場者をロックする機能は必要とされないだろうから、回転ドアタイプは大げさすぎるだろう。
空港にあるようなアーチを人がくぐるものだろうか。
それとも、係員が手に持って使うような携帯タイプだろうか。
受験者数からみると人がくぐるタイプでないと人の流れが滞ると思う。
入場時刻を早める必要があるかもしれない。
あのタイプの金属探知機が一台いくらするかわからないが、安いものではなさそうだ。
電子投票を行なうので、各投票所に特製の電子投票機(urna eletrônica)を何台も設置するブラジルである。
試験場が全国で何ヶ所になるかは分からないが、なんとか台数を調達するだろう。
そんなところで日本では次のニュースだ。
AKB握手会、川栄さんや入山さん襲われる 指や頭けが
http://www.asahi.com/articles/ASG5T5VXFG5TUJUB009.html
会場内にいた男が突然50cmののこぎりを取り出してAKBのメンバー2人とスタッフ1人がけがをした事件だ。
そのビジネスモデルの可否はともかく、AKBは選挙とか握手会という新しい分野を切り拓き、社会現象となったのは間違いない。
ファンとアイドルの関係を両方向に緊密にして、特に握手会は、運の良い数人だけでなく誰でも確実に、大げさに言えば肉体の接触ができる画期的な行事だ。
私はAKBのメンバーも歌も知らないが、ブラジルで同様な催しをするならハグくらいはして欲しいものだ。
ブラジルは四捨五入して一千万人が同日同時刻に、つまり時差のある地域でもブラジリア標準時に合わせて実施されるエネンのために、全員を金属探知機に通すという計画だ。
金属探知機はブラジルが本場?とはいえ、技術大国日本である。
金属探知機を数台備えることなど大したコストではないだろう。
AKBの握手会って何人人が集まる?
仮に5万人だったとしても、全員を金属探知機に通すことなどたやすいことだ。
大切なファンを罪人と疑うとはけしからんという抵抗意見に対して、こういった事件が起きた後だから、熱烈なファンに混じっている危険な狂人をチェックする動機になる。
離れてアメリカ(合衆国)では、大学生の銃乱射事件が起きたばかりだ。
ノコギリと銃では殺傷力は段違いに異なるが、いずれも金属探知機には引っかかる。
握手会の延期などせず、金属探知機を調達して堂々と行っていけば何の問題もない。