2014年6月5日

ナタル新空港は旅の鬼門か醍醐味か

Novo aeroporto de Natal começa a funcionar com dois meses de atraso

http://g1.globo.com/jornal-nacional/noticia/2014/06/novo-aeroporto-de-natal-comeca-funcionar-com-dois-meses-de-atraso.html

ナタル(Natal)はポルトガル語でクリスマス、というのもこの語は「生まれた」という意味で、場所などの名詞を修飾する形容詞でもあるから、この世で一番著名な人物というか神の子イエスの生まれた日ならクリスマスだ。
そしてブラジルでこの名を持つ都市は、ブラジル北東部リオ・グランデ・ド・ノルテ州の州都であり、現在の話題を追うと、この6月19日19時(現地時間)に日本-ギリシャ戦が行われるところである。

ナタルの新空港がまあ大変なのだ。
既に2カ月前に完成しているはずだったのに、ようやくこの週末、5月31日に2カ月遅れで運用を開始した。

当然予想されるように最初から混乱続きである。
運用3日目の6月2日、ポルトガル行きの便が新空港から出発すると聞いてやってきたグループは、飛行機の影すら見ず大慌てだった。
パルナミリン(Parnamirim)にある旧来のアウグスト・セヴェロ国際空港(Aeroporto Internacional Augusto Severo)は運用を停止して、すべて新しいサン・ゴンサロ・ド・アマランテス空港(Aeroporto de São Gonçalo do Amarantes)へ移転するはずだったのに、国際線だけは旧空港に残されたからだ。

まだいくつも未完成な部分がある。
例えば防犯カメラが取り付けられていない。
税関システムがまだ完成していない。
管轄する連邦税庁(Receita Federal)は、今週にも完成する予定と言っている。

インターネットでの情報照会システムがまだできていない。
リオ・グランデ・ド・ノルテ発着便のデータは、 インフラエロ(Infraero、空港インフラ公団 Empresa Brasileira de Infraestrutura Aeroportuária)のサイトで見ると空白になっている。

空港の標識もまだできていないので混乱を招いている。
別の(旧)空港を指示されていたのでそっちへ行ったら、新空港だと言われた。
あわててこっちへ向かったのだが、新空港に到着したのは2時間遅れだったという気の毒な人がいる。
テレビ画面を見ると、更地に囲まれた何も標識のない分岐点が写っている。

民間航空担当相によると正式な開港式は6月9日、連邦税庁税関システム運用開始は6月4日に予定している。
開港は日本-ギリシャ戦のわずか10日前である。

以上は3日前、6月2日の報道である。
10日でテストがうまくいって問題なく空港業務ができていればいいのだが、そうでなかったらどうするか。
ただでさえ待ち時間中の搭乗ゲート変更など当たり前に起こるブラジルの空港である。
情報システムに不備があると、アナウンスと表示に食い違いがあったりして困惑することなどが予想される。

空港にはたくさんのボランティアがいるはずである。
ボランティア募集はかなり時間に余裕を持って行われた。
FIFAが募集したものと、ブラジル連邦政府スポーツ省が募集したものがあるが、いずれも訓練はしっかりしていると思われる。

ブラジル人は、ナタル空港の例をみると、計画性無く大雑把でいい加減であるかもしれないが、ボランティアの人たちは、当時の報道をみると志を持って全世界からブラジルにやって来る人たちを暖かく迎えて、困難が起きても親身になって解決してくれる熱い心のある人たちだと信じたい。

このブログを見ると犯罪の多い暴力社会の側面だけが強調されるきらいがあって、それはそれで特に世界一安全な日本からやってくる人には注意し過ぎるほど注意してもらいたいものだ。
しかしブラジルの一番の魅力といえば、海山川平原湿原乾燥地いずれも(まあ高い山や冬の雪景色などは求められないが)壮大で豊かな大自然でも、南半球最大の経済を具現した都会でも、高度な生産性を誇る農牧地域でもなく、ここはブラジル人そのものと言っておこう。

困ったらボランティアを大いに頼りにしてほしい。
そして、ナタルの空港だけでもなくどこでも時間には余裕を持ち、ボランティアその他からデモやストの情報を得て、運悪く強盗などにあった時のイメージトレーニングをして危険に備えておけばブラジル旅行も無事に終わるだろう。

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