ある愛読しているブログを見た。
niftyココログである。
出会い系ではない。
ブログ自体はいつも通りなのだが、きょう出てくる広告が斬新なのだ。
「中高年専門結婚相談所アイシニア」
普通の結婚紹介サイトはこれまでも宣伝の常連、日本ブラジル取り混ぜてよく見かけるのだが、今回違うのは、
「50才からの出会い」
「この歳になったからこそ本気でパートナーを見つけたい」
ときたもんだい!
思わず語尾が熱くなる。
誰のパソコンにもこの宣伝が出るとは考えにくい。
よく使う検索語とか訪問サイトとかインターネット上の活動から採取した私の属性が、50歳超え独身タイプと一致したのだろう。
そして仮想の私は、近々日本に帰国して配偶者を探すことになっているのだ。
笑い飛ばしておしまいにしようと思ったが、ひっかかるものがある。
もしもブラジルにいる現実の私が、ブラジル生活と家族に嫌気が増していて、別れたい帰りたいと切望しているところへこの広告があったら、背中を強く押してくれるのではないか。
「日本へ帰って、本気でパートナーを見つけることができる」ぞ。
離婚それから帰国へ吹っ切る強い動機になる。
パソコンに出てくる、計算しつくされているはずなのだが怪しげで気まぐれな広告によって、人生の重大な選択をすることになるのか。
インターネットは神だったのか。
現代の神の手から逃れるすべはあるのか。
インターネットに触らない、という方法を除いて。
逆に現代の神を欺くことはできるのか。
普段から高校とか大学のサイトを度々訪問して、検索語や動画サイトもteensが見るようなものをあえて求めていったらどうなるだろうか。
SNSのつながりも、若年の仲間を無理に探して、人格を創造することはできるか。
そうすれば中高年専門結婚相談所に代わって受験塾とか予備校とかの宣伝が表示されるようになるのだろうか。
年頃の子供がいることを現代の神が察知して、中年男のデスクトップに大学高校や予備校の宣伝を入れるようになったら、巧妙で怖いが、きっと可能だろう。
同じ家の同じIPアドレスから二通り、三通りのプロフィールを採取するなど容易そうだ。
そんなことを考えていたら、インターネットラジオOttava Salone 金曜日で、星新一の「声の網」が紹介された。
昔読んだことを思い出した。
商用インターネットがまだ生まれていなかった昭和45年、1970年に、今回インターネット広告に感じた疑惑をすでに予言していた。
疑惑の目で妄想し始めると、「知らなかったら幸せだったのに」感が強くわき起こってくるので止めておく。
現代の神様はそのうち保険屋とか病院とか介護施設とか葬儀屋とかを紹介してくれるのだろうか。
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