噛まれると「ビンビンになってバイアグラと同じ効果を発揮する毒グモ」がスーパーのバナナに寄生!! 最悪の場合は死に至ることも!- ロケットニュース24(2015年3月23日00時00分)
http://rocketnews24.com/2015/03/23/557852/
2週間くらい前にこんな記事が出たことを最近知ったのであるが、こんなのこわーいものが身近にあったなんてブラジルで聞いたことがない。
「ブラジルドクシボグモ(英語名:フォニュートリア)」で、ギリシャ語では “殺人者” を意味する。
と書いてある。
突っ込むと、「フォニュートリア」は英語名でなく学名、学名の常としてラテン語あるいはギリシャ語である。
確かに“殺人者”を意味するようだが、
The genus Phoneutria (Greek for "murderess")
であるから男性ではない、女性の殺人者(くどいが、女性を殺すのでなく、女性が殺す)である。
英語名は、元の英語記事ではBrazilian Wandering Spiderと呼んでいるではないか。
ブラジル放浪グモ?
殺人者とか放浪者とか危なげなものはブラジルに一杯あるが、クモまでそうなのか。
和名はブラジルドクシボグモ?
ブラジル・ドク・シボ・グモと区切るのだろうか。
シボとは何だ?
ブラジル毒死亡蜘蛛ということか。
元の英語記事はこれだ。
Spider that can give men four-hour erections found in Tesco bananas
http://www.telegraph.co.uk/news/earth/wildlife/11466651/Spider-that-can-give-men-four-hour-erections-found-in-Tesco-bananas.html
この記事やWikipediaによると、ギネスブックで毒性最強、世界一の毒グモと称されるという。
ポルトガル語では、armadeira, aranha-macaco, aranha-de-bananeiraと3つの名称が載せてある。
聞いたことないぞ。
しかし説明を読むとかなり怖い。
英名のwanderingの由来は、普通のクモのように巣を作って獲物を待つのでなく、ジャングルの地面を歩き回るからそう呼ばれる。
昼間は物陰やバナナの木(正確には樹木ではないが)などに隠れていて、夜徘徊する。
だから英語別名banana spiderと呼ばれ、ポルトガル語のaranha-de-bananeiraは同じ意味である。
南アメリカ原産、体長は3.5から5cm、足を伸ばした全長はメスで17cm!
大きい。
しかも攻撃性が強く毒性が高い。
獲物、交尾相手、単に隠れ場所を求めてしばしば人家に侵入し、衣服や靴の中に隠れる。
脅かされると怒って何回も噛み付く。
ブラジルでのクモによる咬傷事故件数では、これは私も知っている有名なaranhas-marromチャイログモに続き第2位である。
WikipediaのBrazilian wandering spiderの項には、人の腕をこの巨大グモが這い歩いている写真が載っているのだが、ペットにして飼うと危険と書いてあるのはどうしたものか。
誰も経験したことのない、文献からのみ構成される記事には矛盾のある記述がしばしばあるものだ。
The species is deadly and its venom can kill a human in just two hours - but can also give male victims a four-hour erection.
これらの(クモの)種は致命的で2時間で死に至ることがある-しかし男性は4時間にわたり勃起することもある。
4時間勃起し続ける前に、2時間で死んでしまうんじゃないのか?
2時間で致死に至る毒量と4時間勃起する毒量とはもちろん違うだろうから、後者の毒量でしかも副作用がなかったなら多くの男性には朗報であるはずだ、と思ったら、
Erections resulting from the bite are uncomfortable, can last for many hours and can lead to impotence.
などと書いてある。
勃起しても気持は良くない上にインポになる?
全然良いことないじゃないか。
イギリスの主婦がコスタリカから輸入されたバナナに発見した、孵化しかけた殺人グモの卵、今までブラジルで生活してきて注意などしなかったバナナやバナナの木であるが、また一つ気を付けなければならないものが増えてしまった。
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