2016年10月2日

不審なエチオピア航空便

怪しい乗客たち

サンパウロのグアルーリョス国際空港に到着して入国審査場へ行くと、ブラジル人の列と外国人の列が分かれている。
機械による自動入国手続きもあり、ブラジル人の列の進むのは極めて速く、パスポートには入出国スタンプすら押されない。
一方外国人の行列はなかなか進まない。

その外国人の列からも離れた一角に固まっている十人くらいの人々がいる。
ほとんどが男性だが、若い女性もいた。
どうも何らかの書類の問題があってすんなり入国させてもらえないで厳重審査に回される人たちのようである。
この連中がすべてエチオピア航空便の乗客であるかは確かではない。

その中のひとりはブラジルの入国審査を行う連邦警察官に、「さっきから3回もここで携帯を使うなと言っているだろう、分からないのか?今度使ったら携帯は没収するぞ」とどなられている。言われた当人の国籍はわからなかったが、ポルトガル語で言われて一体理解しているのだろうか、と気になった。

別の機嫌の良い入国管理官に後から、永住権を持つ外国人はブラジル人の行列に入って良いのだと言われた。
外国人の列には様々な書類を持った観光やそれ以外の目的の外国人が大勢いて、その書類審査に時間がかかるが、永住資格で外国人登録のある人だったら審査が簡単だからと説明された。
納得したが、今度旅行するときに思い出せるだろうか?

怪しまれる手荷物

入国手続の後、手荷物を受け取って、頼まれた香水を免税店で買ってから税関へ行くと、係員が預け荷物の行先票を一つ一つ点検して、私達の持っている荷物は機内持ち込みも含めて全部X線機器に通された。
危ないものを隠していたわけではないので大丈夫だったが、検査後何事もなく通してくれた。

あまり注意して聞いていなかったのだが、到着後空港内放送で「エチオピア航空ETxxx便で到着した乗客の荷物はすべてX線機器に通します」と言っていたことを思い出した。
ET便なんて名前からして怪しい、などとふざけている場合ではない。

大麻やコカインのような植物由来の薬物であったら、他の南米諸国からブラジルに入国して、欧州などに輸出されるというルートがあるだろう。
FantasyじゃなかったecstasyやLSDのような合成薬物はどこで生産されてどこへ持ち出されるのか、見当がつかない。
武器や薬物について、アフリカが流入元になっているとはあまり考えられない。
第一武器などなら出発地の空港で検査されればすぐに引っかかるはずである。
しかし蟻ん子のような個人持ち込みを探しているのだろうか。
貴金属や宝石または現金の形で不正な資金が流入するのだろうか。
荷物は出発地からサンパウロまで開けられることはないから、アフリカではなく、東京や香港が疑われているのだろうか。
謎である。

しかし、エチオピア経由便の荷物には、連邦警察(入国管理)と連邦歳入局(税関)からきっと何か目をつけられる特徴があるのだろう。
エチオピア航空は初めてだし、たまにしか旅行しないのでこれが通常のことかどうかは不明である。

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