2018年6月23日

10秒のおフザケ、一生の後悔

人々の心がいやでもうきうきする夏至の頃から、FIFAワールドカップ2018ロシア大会たけなわである。
スタジアムの外でも国際交流は進む。

日本女性に下品な言葉コロンビア男性が謝罪
2018年6月21日 8:30

日本で話題になったが、こういったのはブラジルでも事欠かかない。
オリンピック2016リオデジャネイロ大会でこのような事件の記憶がないが、なぜか今回のワールドカップではやけに目立つ。
SNSの隆盛の波に乗っていることは間違いない。

ブラジルの報道では、女性を侮辱する行動として捉えられている。

Vídeos machistas de torcedores na Rússia se espalham pela web e causam revolta
Por G1
19/06/2018 19h21

2つ目の画像(静止画)は、例のコロンビア人と日本女性のものである。

最初の画像(動画)では、3人のブラジル人の身元が割れた。
4番目と5番目の画像(静止画)は、1番目のビデオからのキャプチャ静止画である。

弁護士で元ペルナンブコ州のある市の観光局長-州議会が非難決議を行った。
警察官-サンタカタリーナ州警察の行政処分を帰国時に受ける予定。
土木技師-所属先である技師評議会が声明を出し、懲罰を受ける可能性。

本記事には載ってないが、もっと悲惨な目にあった男がいる。
2人のブラジル人男性が3人のロシア人女性に同様に、いたずらで卑猥な言葉を言わせて笑っている動画がSNSを通じて拡散した。
2人のうち1人はブラジルの航空会社ラタン(LATAM Airlines Brasil)の従業員だった。
映像が拡散して不名誉な話題が拡大した時点で、ラタンは「会社の価値観と原則に反する、倫理行動規範に違反」という理由で即時に解雇してしまった。

一連の悪趣味な悪ふざけを仕掛けたブラジル人は、帰国時に連邦警察に逮捕されるだろうという報道もある。

10秒の悪気のない悪ふざけだったつもりが、一生を台無しにする後悔に変わってしまった。

その場限りの悪ふざけだったら、仮に相手が嫌な思いをしたとしてもその場でしっかり謝れば済んでしまう。

しかし映像にしてSNSに載せてしまうと事情は異なる。
いたずらの対象にされた人は、自分も無邪気に楽しんで嫌な思いなど少しも感じなかったとしても、撮られた映像が拡散して不特定多数の人が見ることになると、何を言わされたか分かってない状況で騙された被害者の愚かさが視聴者の笑いの種になったり、見るだけで不愉快になる視聴者も出るだろう。

一生を台無しにはしないが、似た状況は自分たちにもときどき起こる。
自分たちとはブラジルに住む日本人のことである。

酒の席とかあまり堅苦しくない状況に(日本人にとっての)外国人がいて、何か日本語(の単語)を教えてくれと言ってきたときに、「お○ん○ん」とか「お○○こ」その他の卑猥な単語をふざけて言わせておもしろがる悪ふざけをしたことがある人は少なくないのでなないか。

そしてこんな状況で受けることがある、次の質問にはいつも困惑する。
「日本語で"filho de puta"は何て言う?」という質問だ。
日本ではこの意味の罵倒語はないとことわった上で、「売春婦」だと長いし硬いし、「女郎の子」と言うことが多いが、意味はわかるが全く使わない語法だから、口に出してもしっくりこないので、とても気持ちが悪い。

ブラジル人から日本語の単語を知っているから聞いてくれと、「ジョロノコ(女郎の子)」を逆に聞かされることもある。
「女郎の子」はかなり普遍的に知られているようなのだ。
きっと昔から日本人移民も、聞かれることが多く、困り果てながら教えてやった歴史があるのだ。
注釈をつけて正しい知識を教えるのが、正しい民間交流のあり方ではないのかと大上段に構えたりするのだが、根が優しいから、「きっとウケ狙いで言うのだから、面白がって欲しいのだろうな」と入らぬ気遣いをして、そうかそうかと力なく笑ってあげるくらいしかできないことが多いのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿