2021年3月7日

二部落ちしたデング熱

感染の心配の少ない、食事を用意したり会食することができる、三方の風通しが良く開放した広いスペースが田園地域にあるので、ときどき週末に会うほぼ唯一の親戚家族がある。
その者と一緒に働くトラック運転手が体調不良になった。
2週間前のことだ。
風邪のような症状と聞いて、まず恐れるのは当然新型コロナ感染症である。
これは検査結果がわかるまで会わないほうが良いかなと、一週間考えていた。

結果がすぐにわかる簡易検査は陽性だったので、PCR検査の結果を待った。
こちらは陰性だった。

最近町で問題になっていることに、簡易検査、つまり抗体検査キットの精度が悪く、これで陰性と出たので普通の生活に戻ったところ、実はPCR検査の結果は陽性であり、それが判明するまで周りの人にウィルスをばらまいてしまうという困った状況が出ていることである。
市の衛生当局は、キットを配布した保健省へ返却するとか言っていた。
まあこんなゆるゆるだから、日本の人の目から見ればブラジルでコロナが蔓延するのも当然だと思われるかもしれない。
うん、その通り、確かに返す言葉はない。

このトラック運転手の場合は通常問題になるケースと逆で、抗体検査では陽性、PCR検査では陰性となったところが異なる。
他の病気の検査もしたところ、デング熱であったことが判明した。
みんなの口々で異口同音に聞かれたのが、「ああ、デング熱で良かった」という言葉だった。

6年前の昔、「デング熱とソファと女性の関連性」という題の記事を書いたが、その頃に恐れられていたデング熱が、「なーんだ、デング熱か、安心した」と言われるようになってしまった。

デング熱は、病気のチャンピオンシップで二部リーグ落ちしたようなものだ。

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