ブラジルの携帯電話事情である。
ブラジルの携帯電話キャリアは全国展開するVivo, TIM, Oi, Claro、加えて地方限定的なCTBC, Sercomtelなどがある。
ブラジルで、2個以上のSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を使う携帯電話機器の売れ行きが急増している。
ブラジルではSIMカードに当たる単語"cartão SIM"はあるものの、普通チップ(chip)という語が使われ、シッピと発音される。
チップ2個から4個まで搭載可能な、複数SIMカード携帯電話機器の2011年の売れ行きは、2010年比で780%と急増した。
普通契約するキャリアが一つなら、SIMカードスロットは1個あれば十分と思うだろうが、ブラジルの事情がある。
ブラジルの大部分の携帯電話の支払形態はpré-pagoつまりpre-paidプリペイドである。
そして、どの携帯キャリアも、自社の携帯同士の通話は無料とか(pós-pago=後払いの場合-基本料金があるから)、一通話定額(pré-pago=先払いの場合)とかで、非常に割安であるのに対し、他社の携帯にかける場合には通話料が急増する。
異なるキャリアへかける通話は、1分あたり0.42レアルの接続料金がかかる。
国立テレコミュニケーション庁(Anatel - Agência Nacional de Telecomunicações)は、接続料金を2014年2月までに、R$0.31/minにまで下げる決定をした、
何とかして通話料を下げたい消費者は、複数キャリアのプリペイドSIMカードを持ち、通話相手に合わせて同じキャリアのSIMカードを選択して通話する方法を取るわけだ。
ブラジルの携帯電話の番号体系であるが、日本のものと全く異なる。
フォーマットは固定電話のものと同じである。
つまり、0+キャリア識別2桁+市外局番2桁+局番4桁+番号4桁が完全形で、市内通話なら局番+番号の8桁数字でかけられる。
どこで携帯と固定を区別するか?
携帯の局番の第1桁は6から9までで始まる。
つまり、6xxx-xxxx, 7xxx-xxxx, 8xxx-xxxx, 9xxx-xxxxなら携帯というわけだ。
しかし、話をややこしくするのはサンパウロ大都市圏(市外局番11)の事情で、5xxx-xxxxの番号は固定電話であることもあるし、携帯電話であることもある。
以前は局番をみればどこのキャリアかが推定できたのであるが、番号ポータビリティが導入されてから、番号を見ただけではどこのキャリアかがわからないようになってしまった。
記事で3枚のSIMカードを使い分ける利用者が言っていたが、最初は混乱したがだんだん慣れた、と言っていたのはこういう理由なのだ。
番号を見ただけではキャリアがわからないからだ。
SIMカードと同じキャリアの番号にかけると、案内音を出すようなのだが、最初にかけるときはめくらでかけることになる。
こういったサイトがあって、かける前にどのキャリアか調べることはできる。
最近のタクシーの運転手などは、Oi xx-xxxx-xxxx, TIM xx-yyyy-yyyyといった具合に、利用者の利便を考えた、複数のキャリアの携帯番号を名刺にのせている。
複数のSIMカードを搭載できる機器には、国産の正規なメーカーの製品もあるのだが、安いものの多くは中国から入ってくるもので、インターネットで簡単に購入できる。
しかし、インターネットで購入した輸入物の中には密輸品も混じっており、粗悪な製品が多く、保証が全くつかないものがある。
ブラジル政府は、中国から入ってくる、このようなマルチSIMカードの機器を規制したい意向だ。
キャリアの企業団体、Sinditel Brasilは、消費者はもちろんマルチSIMカード機器を選ぶ自由はあるのだが、機器には規制、つまりAnatelの認証がかけられるべきと考えている。
(Brasileiros usam celulares com dois chips para economizar no fim do mês
29/02/2012 13h50 - Atualizado em 29/02/2012 14h02 を参考にした)
詳細で、面白かったです。参考になりました。
返信削除ありがとうございます。
削除妻の携帯は単simプリペイドですが、多くの通話先が、同キャリア間話し放題プランなので、もう何ヶ月も料金を支払っていません。