contrabando 中古品の密輸
descaminho 新品の密輸
正式の税関用語ではこんな区分があるようであるが、普通はコントラバンドといえばわかる。
先日かなり驚くニュースがあった。
連邦歳入庁は国境でタイヤ不法輸入を取り締まる
Receita Federal aperta o cerco contra a importação ilegal de pneus na fronteira
2023/4/27
隣国パラグアイからブラジルへ自動車のタイヤが密輸されている。
舞台はパラグアイの東端の都市、シウダー・デル・エステ(Ciudad del Este)とブラジル南部、パラナ州フォス・ド・イグアス(Foz do Iguaçu)の間を結ぶ「友情の橋」(Ponte da Amizade)の国境である。
2023年第1四半期にブラジルで摘発された密輸タイヤは3千5百、そのうちの40%がこの橋を通ってやってくる。
もちろん国境はパラナ川の真ん中、橋の上だが、こちら岸に税関があり、車の流れを注視している。
トラックは通関書類と積み荷の照合が行われる。
間違いがなかったら当然正式な輸入であり問題はないはずだ。
ブラジル連邦政府の税関を担う連邦歳入庁は、日々密輸との戦いに明け暮れる。
目利きの税関職員は、タイヤの入ったタイヤを見逃さない。
タイヤの中のタイヤ??
意味がわからない。
動画を見ていたら何のことかわかった。
文字通り走ってきて国境を渡る自動車の、走行しているタイヤの中に別のタイヤが入っているのだ。
マトリョーシカ風タイヤ入りタイヤを見つけた税関職員は車を止めて、スキャナーで検査する。
見つかると否応なしにタイヤを外して、パンク修理と同じ作業をする。
つまりブレス機やハンマーを使ってホイールからタイヤを外す。
そうすると外側のタイヤの中に別のタイヤが重なるようにして詰められている。
税関にはこの用途のために作られたクレーンがあり、走行タイヤに詰められたタイヤを引き出すことができる。
密輸車、ここでは車が密輸されるのではなくて、密輸を行う車という意味だが、その走行タイヤの中に、普通はタイヤ1つが詰められるという。
しかしニュースの事例では走行タイヤの中に折りたたまれたように、2つのタイヤが入っていた。
タイヤは新品のこともあれば、新古のこともあるようである。
ロシアのマトリョーシカ人形は、中に入る人形は当然外側より小さい。
タイヤの場合、厚みがあるし、ゴム製ではあるがどちらかというと硬いものだから、タイヤの中にどうやって同じ大きさのタイヤ(外側より小さいサイズなのかもしれないが、映像だけではわからない)を入れるのか。
当然折り曲げられて変形して無理やり詰められている。
なんか昔の中国の纏足のようである。
映像を見ていると、こんなに折り曲げられてタイヤの中のワイヤーが傷つくことはないのか気になったのだが、インタビューされた専門家が言うには当然そのようなことが起こるのであり、そんなタイヤを履いて走行すると、タイヤ壁に空気が入るせいで膨らんだり、バーストの原因になる。
疑問が証明された危険さである。
さてタイヤでなく、人形のマトリョーシカである。
傭兵組織ワグナーの囚人兵とか、シベリア辺地の貧民とかが一番小さく、一般市民、正規軍軍人とかが次、御用役人、オリガルヒ(олигархи)ときて、ラブロフ(Lavrov)外相のようなブーチン側近高官がそれらを飲み込み、一番大きい外側がプーチンであるようなマトリョーシカを作って発表した人はいないのだろうか?
時事雛人形があるくらいだから、目立ちたい木工職人は、そんな現代ロシア身分マトリョーシカ人形を作って売り出したら、多少は注目を集めるのではないか。
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